昨日、いつも買い物をする近所のスーパーで「しのぶ」をみつけた。
一昨年、「吊りしのぶ」を買って、ひと夏楽しませてもらったんだけど、
冬眠で失敗し、それきりになってしまった。
私は「しのぶ」が大好き。
「しのぶ」には幼い頃の思い出がたくさんつまっているんだよね
まだ赤ちゃんの頃、いつも風通しのよい窓際に寝かされていて、
窓の上から吊る下がっている「しのぶ」をじっと見ていたそうだ。
しのぶから、さらにまた吊る下がっている風鈴が揺れて、チリチリ鳴っているので
面白くてとても気に入っていたのだろう。
それが、右側に下がっていたのでいつも右側ばかり見ながら寝ていた。
たまには気を利かせて、向きをかえてくれりゃ~いいものを、
おんなじ向きで寝ていたもんだから、ほら頭の右側がぺっちゃんこだ
おまけにドーナツ枕してくんなかったから、ほらゼッペキになってしまった・・・
あの「しのぶ」は私が中学生になって、両親とこの家を出るまでずっと一緒だったような気がする。
きっとおじいちゃんが一所懸命丹精していたんだろう。
おばあちゃんもお花が大好きなので、大切にしていたのを覚えている。
バケツの水の中に「じゃぼんっ」と「しのぶ」を沈ませて、水分を与える。
井桁の形をしたミズゴケがたっぷりの水をたくわえ、「しのぶ」の緑色がますますあざやかになり、葉先までピンと元気になる。
夏の暑い日、軒下につるしてあった「しのぶ」
あんな立派な「しのぶ」にはもう二度とお目にかかれないだろう