あっという間に美しい結晶となって消えていきました。
「ちえまるさん、今日は本当に有難う御座いました。これでやっと私の気持ちを伝
えることが出来ました。お忙しい時間なのにお付き合いくださってとっても嬉しか
ったです。
私はいつもここに居ます。ちえまるさんがここを通り過ぎる時、いつもここに居て
ちえまるさんのこと見守っていますから、どうぞ安心してご主人と暖かい毎日を
送ってくださいね。もう、雨はあがっていますよ。ほら。」
彼女は私の後ろを指差しました。
今歩いてきた方を振り返ると、そこには一面の夕焼けが広がっているではありませんか!!
なんて素晴らしい夕焼けなのだろう。
夕焼けを見上げながら、
「ああ、本当だ。あなたのおかげで雨宿りもできました。今日は本当に嬉しかっ
た・・・・また遊びに来てもいいですか?」
といい終わり、そっと彼女の方へ向き直りました。
「あ!!」
なんとそこは公園の花壇のまん前だったのです。
彼女の姿も忽然と消えていました。
私は一瞬何が起こったのかわかりませんでした。
まるで夢から覚めたかのような不思議な感覚でしたが、
確かにすずめさんが人間の姿になって逢いに来てくださったのです。
そして、あの優しい言葉はありありと頭の中に残っていました。
無事、天国へ召されたかいつもいつも心配していたので、きっとその気持ちが
通じたのでしょうね。
すずめさん、本当にありがとう!!
あなたのこと、一生忘れないよ。
そしてこの夏のステキな出来事も!!
完