パンドラの箱を開けるとちむがいた

書くスピード早いですが、誤字脱字多し。

株主総会

2007-06-29 00:52:25 | Weblog
今回の株主総会はファンドがキーワードになっている。

端的に言うと、資金力を背景に突如大株主になり、
これまで長期的な成長に振り向けられてきた内部留保を取りくずし、
株主に還元しろと要求する、一昔まえでいう株買占め屋が、
外資ファンドという名前にかえて、かつ、株買占め屋のように、裏で経営陣に要求を突きつけるのではなく、
法律にのっとってオープンに要求を突きつける行為が横行しているのだ。
まあ、資本マフィアのような連中だ。
今回のそれらファンドの要求はほとんどが否決されたが、
ファンドの銭要求ではなく、もっと気になる提案があった。

楽天のTBSに対する経営陣参画要求だ。
前々からテレビ局の傲慢が大嫌いなので、
好きではない楽天でさえ応援していた。
楽天はTBSのように規制に守られていないだけましというぐらいで、
いきなり、加盟店の手数料を引き上げるなどの強引な手口で、
かなり反発をかったという過去もあり、あまり好きではない。
しかし、自由競争を勝ち抜いてきたので、規制に守られながら、
規制業種を叩くような卑怯極まりないTV局と違い、まだましだ。

ネットとTVの融合で、どんどんTVの広告収入が減少し、最終的には、TVも自由競争に突入し、
局員の給与もドンドン下がって、楽天と同じぐらいになってほしいと思うが、
まだしばらく時間がかかりそうだ。

TV局員の給与が高いと言うことについては、
それだけ規制に守られているということだし、
よく高給批判をされると「昼夜を問わず働いている激務なのでそれぐらいは当然」と言うが、
それぐらい働いてもっと給与が安い層もいるので、
この主張はTV局お得意の傲慢と欺瞞と言える。

このような企業体質を体育会系の三木谷氏のたたきつぶして欲しかった。
残念だ。


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23~25冊目

2007-06-24 23:37:55 | Weblog
×23「男はちょっと硬派がいい」川北義則、三笠書房、2007

感想:
内容がしょぼい。硬派とか言う前に、男として小さいなと思う話が満載です。
人間としての器の小ささを感じさせる一冊です。



○24「系列」清水一行、集英社、1992

感想:
友人に勧められて読んだ、僕の嫌いな経済小説の類でしたが、
非常に面白い。実話に基づいているらしく、
小説の中に出てくる会社は以下の通り。

大成照明器・・・市光工業
東京自動車・・・日産自動車
日本産業銀行・・日本興業銀行
トドロキ自動車・・トヨタ自動車
その他、東京ラヂエーター、鬼怒川ゴムなど

市光のHPを調べましたが、いまはフランスのヴァレオの傘下にあり、
日産への売上は相変わらす高い比率にあるようです。
また、売上の伸びや利益の伸びも悪く、
日産に今でもかなり搾取されている感じを受けます。
さらに、日産と日本興業銀行出身の専務もおり、
この本の舞台である1987年当時と状況は
何も変わっていないようです。

本小説は、市光の同族企業になんとか日産から社長を
送り込んで、コストダウンさせるための駆け引きが
スリリングに書かれており。大変面白い。
日産は仕入先に対して態度がでかいので、さもありなん。という内容でした。

態度がでかいのは昔からの企業体質でしたが、ゴーン氏が社長になって、
仕入先4~5社以外はすべて資本関係を解消してから、
一時的にコストダウンは成功しましたが、
今は仕入先が見切って去っていってしまったのでジリ貧になっています。
仕入先の協力がないので、技術的にもパッとしませんし、
仕入先の再構築から、研究、製品化とつなげていくには、
最低でも3年~4年は必要なので、日産は今後数年は復活することはできません。

非常に面白い一冊です。



○25「下流喰い」須田慎一郎、ちくま新書、2006

感想:
須田氏はよくテレビでも見かけるジャーナリストで、
特に銀行たたきがマスゴミを中心に行われていた数年前には、
頻繁にテレビに出ていました。
彼の主張は決めうちが多く、一方的な側面から銀行を叩いていたので、
銀行関係者からは「何も知らんくせにしゃべるな」
という声が非常に多かった人物です。

ただ、彼の主張は当たっているところも多く、
銀行では経営陣批判はご法度のところを、代弁して言ってもらっているので、
そう言う意味では、一般の行員からは応援している人もいました。

今回のこの本は、本当に良くできていて、すばらしい。やはり、消費者金融を一方的に叩いていますが、
なるほどと思わすことが多い。武富士やプロミスといった大手の消費者金融と、
闇金は直接的ではないにしろ、システムとしてつながっていることや、
大手消費者金融が「資金需要者」がいるから貸すといっているが、これは、
大手より下の中小の消費者金融への借り換え資金も含む、つまり、一から
借金漬けにさせることを目的にしていることなど、
分かりやすく説明しています。

その外「市」の話や、大手からヤバイ金融に行けばいくほど店内は静かになることなど、大変面白い。

最近はお金にまつわる教育をしようと、証券会社などが、
投資セミナーまがいのことを小学生や中学生から教えようとしているが、
そんなことをするよりも、借金の話や、給料の範囲内での生活をすること、
困った時には消費者団体や弁護士に相談することを教えるなど、
投資を子どもに教えるくらいなら、お金の大切さを教育した方が良い。

また、CSRとか言いながら東大や京大、慶応、早稲田、などに金融セミナーを開催しているみずほも、
そんな明らかに就職活動とリンクさせたような気持ちの悪いCSRをしたり顔でやるよりも、
社会に出て必要なお金の話や住宅の購入などについて、
中堅以下の大学に教えた方がよほど社会のためになるし、CSRとも呼べるだろう。

まあ、たぶん彼らは自社の利益になることしかしたがらないし、
また自社の利益につなげないと自分の評価にも大きく響くので、
銀行にCSRを求めること自体ナンセンスだと思う。
もし本当にCSR削減に取り組むなら、支店長以下が周辺のごみ掃除を定期的に実施するべきだし、
地域との懇談会や、CO2削減のために空調を調整するなど行うだろう。

緻密に取材されており、須田氏の力作だと思う。



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21~22冊目

2007-06-23 01:41:42 | Weblog
△21「本田宗一郎「挑戦者」の名言」梶原一明、KKロングセラーズ、2000

感想:
本田宗一郎のエピソード集のようなものですが、
筆者の主観がかなり入り込んでいて、内容的にはいまいちです。


○22「戦略経営の発想法」木村剛、ダイヤモンド社、2004

感想:
評論家エコノミストを徹底的に馬鹿にして、徹底的に叩いています。
また、マクロ経済だけを議論していても始まらない、ミクロ(ビジネス)こそが重要、
ビジネスモデルなんて後付理論で大したことはないという主張がちりばめられていて、
非常に面白かった。

僕は、あまりにも稚拙で攻撃的な批判をする木村氏は大嫌いですが、
それは表現方法が嫌いなのであって、木村氏の主張は全面的に賛成します。

多分、木村氏が言うところの評論家エコノミストとは、テレビで減税しろだの、雇用対策をしろだの、
専門外のことを平気でしたり顔で話す、
おもにWBSに出演していたエコノミストのことを指していると思います。
伊藤教授、本間教授、斉藤教授のあたりだと思います。

木村氏の主張を聞いていると、僕が学生時代に感じていたことそのままに表現しています。
学生時代に産業組織論を専攻していましたが、
やればやるほど、
それこそゲーム理論とか契約理論を使えば使うほど、
経済学は所詮机上の空論だなと思ってしまいました。
また、ミクロ経済学では、数学的なアプローチが流行っており、
複雑な数式を使って動学化したり、確率理論をやたらはめ込んだり、
波動の理論を持ち込んだり、生物学の理論を持ち込んだりと、
どんどん経済学が歪んでいった時代だったので、
特に強く感じました。ほとんど趣味の世界でキレイな理論を作り上げ、
悦にひたっているという状況でした。

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18冊目~20冊目

2007-06-16 01:29:53 | Weblog
△18「スピリチュアルにハマる人ハマらない人」香山リカ、幻冬舎、2006
感想:
スピリチュアルブームを、オウム真理教との対比で現しているところが面白い。
スピリチュアルとは現世利益と、自分さえ良ければ、という考えと、
自分を肯定してほしいという欲求からできているということがわかりました。

○19「企業再生ファンド」和田勉、光文社新書、2003
感想:
2003年なので、まだまだ世間から認識されていない企業再生ファンドについて、
丁寧に説明してあります。内容は少し難しく、もう一度読み返さないとよくわからないところがあります。

○20「戦略を実行する技術」デューク コーポレート エデュケーション、アスペクト、2006
感想:
戦略面について説明してあります。分析用のシートがついており、結構使えそうです。
基本はあるべき姿と現状分析によるギャップの洗い出し、
そしてそれを克服していく方法が課題解決というストーリーです。
戦略があるべき姿で、課題を解決する方法が戦術ともいえます。


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17冊目

2007-06-10 19:54:54 | Weblog
○17「トヨタの正体」横田一、佐高信、金曜日、2006

感想:
左翼思想丸出しの本で、本来読む価値はほとんどない(といっても一部納得できるところもある)が、
左翼思想の人の論理はこんなに飛躍して、
自分の都合のいいように組み立てるのかと非常に勉強になる一冊です。

知らない人が読めばそうかトヨタはひどい会社だなと思いますが、知っている人が読むと、
そんなの当たり前だろとか、
今時3時間の残業を大げさに書き立てるなんて世間をわかっていないし、
所詮評論家のいうことだなと思います。

具体的には、
1.ハイブリッド車は生産過程で非常に環境負担が大きく、2~3万キロ程度の走行では環境に負担になる。
→今時の車で2万キロ程度で廃車にはしない。中古車市場でトータル10万キロ程度は走る。
2.マークXのエンジンとレクサスISは車台もエンジン同じで、内装の豪華さで100万円も違う。
→そんなことは周知の事実だし、IS買わなけりゃいいだろ。
それよりもマークXの走行性能があれだけすごくて250万円~300万円の価格というほうがすごい。
それほどマークXは完成度が高いし、良く知っている人はマークXを買う。
3.中京大学の猿田正機教授(トヨタ研究の第一人者)
→聞いたことがない。それに専門は労働経済。東京大学の藤本氏なら知っているが。
4.愛知県県議の指摘がある→県議は共産党所属
5.トヨタの下請け企業で働く夫の睡眠時間は4~5時間でそれが何ヶ月も続く、過労死が心配。
→4~5時間は普通では?今時6時間以上も寝ている労働者はいるのか?
6.鎌田慧氏。1973年にトヨタの工場に入り、
「自動車絶望工場」のルポを書いた。
→2~3年前のトヨタの工場の話ならわかる。30年以上も前のことを今も行われているような口ぶりで書いて恥ずかしくないのか?
現状を把握しているか?今までそのネタでいくら稼いだ?
7.三澤千代治氏(元ミサワホーム社長)は奥田社長に一年間に何人人を殺した?と聞いた。
それを聞いた奥田氏は黙っていて、社内に帰ってから、「自動車産業を人殺し呼ばわりした」と激怒。
三澤氏はそれではだめだから章一郎、奥田氏、張氏に手紙を出したが、返事が来たのは章一郎氏だけ。
→初めてあった奥田氏にそんな物言いをすること自体非常に失礼。
100%三澤氏が悪い。奥田氏は、自動車事故の死者数は知っていたかも知れないが、
こんな失礼な奴とは話したくないと思って黙りこんでしまった可能性も捨てがたい。
そんなことも想像できずに、こんなエピソードを吹聴する三澤氏にして、
そりゃ会社も潰れるわなと思ってしまった。
8.佐高氏は「本田は地元鈴鹿市の名前を変えないが、トヨタは挙母市を豊田市に変えたので横暴」
→本田の地元は浜松。確かに本田宗一郎は鈴鹿市からの市名変更を断っている。個人的には本田氏の考え方の方が良いと思う。
9.佐高氏「城山三郎さんと一緒に、平岩外四のことろに行ったとき、
城山氏は珍しく詰問口調でトヨタ以外に経団連会長の選択肢はないのか?ときいた。
やはり、トヨタはふさわしくない会社ということだろう」
→いつの時代の話をしてる?それに城山三郎など作家の言うことを大評論家の佐高氏は
何の思考もなくただそのまま鵜呑みにして、「ふさわしくない」というなど、
評論家としての自分を否定している。というか評論家の価値なし。

しかし、言っているで当然正しいところもあり、
奥田氏が経団連会長のときに、
自民党の応援をトヨタグループ全体で推進したが、あれなどは、やりすぎだし、
メーカーが過度の政治に関与するのはよくないと思う。
奥田氏自身が、フィリピンの経理時代に、フィリピン政府が関与しているので絶対にできないだろうとされてきた債権回収で、
マルコス政権に食い込んで回収を行い、
その噂を聞いた章一郎氏が、自分の孫に会いに行くついでに奥田氏と会ってその能力を高くかった前歴があるので、
奥田氏は非常にポリティカルな人物である。
ほかにも、スポーツカーを廃止したり、奥田氏の時期のリコールが多いなど、
これから歴史的に評価が固まっていく人物だと思う。

冒頭にも書いたが、左翼的論理展開を知るには最適な本です。


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14~16冊目

2007-06-10 03:00:15 | Weblog
○14「男の引き際」黒井克行、新潮新書、2004

感想:
江夏豊や、本田宗一郎と藤沢武夫、相撲の寺尾など、
主にスポーツ業界の人の引き際を書いてあります。
特に池永氏は野球賭博(黒い霧事件)に巻き込まれ、
選手生命を永久失格として絶たれてしまった人です。
この人の話は、どう考えてもおかしいし、野球の閉鎖的なまた、根深い問題を示しています。
また、江夏豊の生き様もすごいと思いましたが、
やはりこの人自身にもかなり問題があるのでないかなと思います。


△15「トヨタはいかにして最強の社員をつくったか」片山修、2002、祥伝社

感想:
トヨタの人事改革の話ばかりです。あまり面白くありません。
コンピテンシーとは一般的に、先見性、柔軟性、
リーダーシップ、顧客志向性、コンセプト力、
尊厳性、強制力、セルフマネジメント力を挙げられる。
トヨタの場合は、課題創造力、課題遂行力、人材活用術、人望をコンピテンシーにすえている。

また、トヨタのいうプロ人材とは、
ビジョンマネジメント、影響力開発、情報開発、
仮説構築、プレゼンテーションスキル、タイムマネジメント、セルフモチベーションの7つを実行する人のこと。


○16「人と違うことをやれ!」堀紘一、三笠書房、2003

感想:
元BCGの日本社長です。
大前研一と双璧をなしますが、大前氏と違い、この人の主張はある程度信用できるし、
大前氏のようにやたら自慢話をしたがらないし、
大前氏よりも優秀だと思います。

堀さんが信頼されるために心得ているのは
「正直、素直、謙虚」です。
負のサイクルから抜け出すのが上手い人は、
自分が悪いと考える「原因自分説」を取っている人が多い。
とあります。

堀さんの人情家なところに驚き、また、
この人仕事取ってくるの上手いな。と思いました。

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13冊目

2007-06-08 01:17:13 | Weblog
☆12「ザ・ハウス・オブ・トヨタ」佐藤正明、文藝春秋、2005



感想:
文藝春秋に掲載されているときから読んでいて非常に気になっていたが、単行本になっているのをたまたま見つけて読んでみたが、これが非常に面白い。600ページあるが、すぐに読んでしまった。
特に印象的なところを、下記に記載します。

1、「自分の城は自分で守れ」と激を飛ばしたのは、トヨタ中興の祖石田退三
2、松下電器は、森下社長の後任は松下幸之助の孫にあたる松下正幸だとされていたが、相談役の山下氏が、松下幸之助の孫というだけでトップになるのは実力がないし、おかしいと発言し、その後は中村邦夫が社長になった。
3、佐吉、喜一郎、利三郎の命日には、日泰寺の墓に豊田自動織機の役員が必ず墓参りを行っている
4、終戦くらいまで、トヨタ自動車東京事務所は、日本橋の高島屋日本橋店4階にあった。これはトヨタ喜一郎の嫁の出身が高島屋だから。
5、トヨタは戦後刈谷工場(現デンソー)で鍋、釜、伝記コンロやアイロンまで作っていた。
6、豊田章一郎は、喜一郎の言いつけで、名古屋大学卒業後、遠戚のいる稚内でちくわやかまぼこを3年程度生産していた。
7、販売の神様といわれた神谷正太郎は三井物産を経て日本GMに移籍し、その後、トヨタ自販設立とともに社長に就任。その後トヨタ自販を事実上の神谷商店化してしまった。自販と自工の合併は、神谷氏が鬼籍に入らないとできなかった。
8、1947年に資金不足でトラック販売ができないときに、豊田英二と神谷氏が販社へ事実上の融資依頼をし、ディーラーも470万円の資金を融資した。
9、戦後すぐに日産系のディーラーをスカウトしてトヨタ系にしたが、そのときに、喜一郎と神谷はディーラーの人一人ひとりにお酌をして、頭をさげた。一方、日産の鮎川氏は高飛車そのもので、絶対君主のような態度でディーラに接した。日産は戦後、トヨタから1ヶ月遅れでディーラー網を立ち上げたが、その遅れが国内販売網の違いとなった。
10、戦後の集中排除法の指定になる前に、刈谷南工場を分離して日本電装になった。
11、トヨタが倒産しかけたとき、日銀名古屋支店長の高梨支店長が自分のリスクで、融資斡旋懇談会を開催して、事実上の日銀特融を実施。中心は東海銀行と三井銀行。そのときに、住友とIBJは早々にトヨタに見切りをつけた。その後もトヨタは住友を嫌っており、三井住友になった現在は関係が急激に薄れている。後に住友の堀田頭取が副頭取のときにトヨタの石田退三社長に関係回復申し入れをトヨタ本社まで出向いて行ったが、断った。しかし、石田は、切れ者である堀田を手ぶらで返すには忍びないとして、トヨタで購入できるものはないかと探し、そして住友電工のワイヤーハーネスの取引が始まった。また、時の日銀総裁の一万田は全く理解を示さず、車なんてアメリカから輸入すればよいと主張していた。
12、松下幸之助をして私の商売の師匠と言わしめたのが石田退三
13、石田退三は当時東海精機の社長の本田宗一郎にあって、ピストンリングを発注。本田宗一郎を一流の技術者と認めていた。
14、豊田産業は集中排除法に抵触したことから、日進通商(今の豊田通商)に名前を変更した。
15、石田がトヨタの中興の祖といわれるゆえんは、朝鮮特需に浮かれることなく、人員を増やさずに増産し、一方で設備のスクラップビルドを進めたから。
16、日本産業が転じて日産自動車になった。
17、豊田佐吉にあこがれて鈴木式織機をつくり、
その会社が今のスズキになった。豊田自動織機の社長だった石田は鈴木の苦しいときに融資を行っている。
18、章一郎は、喜一郎の東京研究所でプレコンの研究をしており、ユタカプレコンという会社を設立し、プレハブ住宅を執念で事業化した。
19、喜一郎が豊田綱領を作った
20、三井物産と提携して豊田式織機株式会社(現豊和工業)を設立した。

また、最後に、トヨタが世界一の座を長期間保持できるかどうかは、豊田家という旗がこれまでどうりにはためくか、また旗は逆風が吹いても凛としてはためかなければならない。旗がしおれれば求心力は衰える。旗の掲げ方を間違えればトヨタの栄華は短期で終わる。と最後に書いてありました。

非常に面白い本です。アマゾンではちょうちん記事だの暴露がないだのとんちんかんな書評もありますが、本書をきちんと読んでいなのでしょう。
トヨタ自動車を知るには非常に良い一冊です。


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8~12冊目

2007-06-03 20:10:58 | Weblog
△8「なぜ日本車は世界最強なのか」三澤一文、PHP新書、2005
感想:
筆者はアーサーDリトル、アクセンチュア出身で、
そのときに担当していた自動車業界のデータがほとんどの内容です。
特に部品メーカーが日本は海外に比べて弱いとか、
ダイムラークライスラーはかなり失敗しているなど、
2005年の時点としては、よく業界を知っているなという感じがしました。
業界内の人にとっては、まあ、そうですか。という程度で、あまり内容はありません。

△9「できる人はどこがちがうのか」斉藤孝、旺文社、2001
感想:
内容が哲学っぽくて、しっかり読まないといけないと思いつつ、
同じようなことばかり書いてあるのであきました。
少し抽象的です。
蓮見氏がゴダールにインタビューしたときのエピソードは非常に面白いし、
卓球とテニスの関係性や、テニスの試合では、ここというときは、
一つか二つしか得意技はでないので、
色々な技を沢山練習するよりも、
「これっ」という技を2万回~3万回練習して、
自分の体に覚えさせるところなどが面白かったです。

△10「図解勝ち抜くためのビジネスメソッド25」西村克己、洋泉社、2006
感想:
会社に入ったばかりまたは、基本的な考え方(フレーム)を、
整理するには丁度よい。薄いし、読みやすい。
PDCAなど基本的なことが載っているので、
たまに読み返すおと良いかもしれません。

○11「仮説思考」江口夏郎、山川隆史、ファーストプレス、2007
感想:
コンサルでよく使う仮説思考を書いてあります。
事実を拾い集め、それに基づいて仮説を立てて、
検証する。
この検証するのが大変難しく、ついついやりっぱなしになってしまうことを諌めています。
仮説思考とはようは「あたり」をつけて勧めていくという程度のものです。

○12「会社は誰のために」御手洗富士夫、丹羽宇一郎、文藝春秋、2006
感想:
なかなかの良書です。丹羽氏の発言は以前読んだ
「人は仕事で磨かれる」とほぼ同じで、少しアレンジが入っています。
異業種のトップの会談でやはり思想が違うなというところを垣間見ることができ、
なかなか緊張感がある本に仕上がっています。
会社は誰なのものかという問いかけにたいして、
丹羽氏は「会社は株主のものに決まっている。でも
これからはそう言う視点ではなく、会社は誰のためにあるのか
という視点が大事で、それは株主でも、公共でも、従業員のためでもある。」
と言っているところがなかなか印象的でした。



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