「夏祭浪花鑑」の登場人物関係図
人生ではじめての文楽鑑賞にいってきました。
歌舞伎、能、狂言までは観たことがあるけれど文楽は未経験。
一生のうちに一度は観てみたかったのです。
国立劇場小劇場で上演していた「夏祭浪花鑑」。
延享元年(1744)に堺の魚売りが犯した殺人で処刑されたそうですが、これをもとに親殺し団七の物語に取り込んだ並木千柳らの作です。
浮浪児だったところを義平次にひろわれ、魚の行商人となって義平次の娘と結婚した団七。
今回は、この団七がケンカをして牢屋にはいっていたが放免されるところからはじまりました。
団七の放免は、妻のお梶がもとの勤め先の主人の玉島兵太夫に嘆願し兵太夫の力添えでのことだったので、団七は玉島兵太夫に恩を感じ、その息子の磯之丞を守っていくことを誓います。
(磯之丞は、傾城琴浦を身請けし、放蕩三昧のために勘当されている身)
磯之丞は、団七らの世話により道具屋で奉公しているが、道具屋の娘と結ばれ、それをよく思わない番頭にだまされ大金をだましとられて、詐欺師の一人を殺してしまって自棄になって娘とかけおち・・・。
・・・このあともいろいろと展開するので書ききれず。
イヤホンガイドを借りてよかった
なんだかろくでもない人たちばかりが登場するのです。
つまらないことでケンカして牢屋にいれられたり、舅を殺害してしまう団七、すぐまわりにだまされて女にだらしない磯之丞、お金のために犯罪を犯しても平気な団七の舅の義平次・・・侠客も武士も男性は思慮に欠ける感じ。
それにひきかえ、奥さん方は胆がすわっているのです。
登場人物はともかく、浄瑠璃と三味線の近くの席だったので迫力を感じました。
太夫は会話も声音を変えて大熱演。
そのまま舞台の上の役者になってもいいほど。
操られる人形は、手足の長さ、関節の箇所は不自然さを感じますが、胸からの動きなど遠くから観たら人間が演じていると思えるぐらいのしなやかな動きでした。
とても面白く観ることができました。
やはり一度は観てみるものだなぁ