経に描かれる世界は甘美な世界。
できればずーっとその甘美な世界への瞑想に浸っていたくなる。
問題はその後だ。
いざ瞑想をやめて現実世界を眺めてみると、いつもの世界に変わりはないのだが、なまじ甘美な世界を知ったおかげで、そこが荒凡夫がすんでいる、濁悪世だとしか思えないようになる。
そしてこの手の人々はより狂信的に現世を否定し甘美な世界をこいねがう。
そうなったら教師たちの思うつぼ。
献金を巻き上げ、特殊な生活法をとるように仕向け、この世ではとても使い物にならないような人間をこしらえていっちょ上がり。
教訓。
ユートピアなどどこにもない。