こんにちは、しょうこです
不妊で悩む患者さんにとって興味深い研究報告がありました。
『老化した卵巣機能 改善』
という記事です。
記事から一部抜粋すると
遺伝子を改変したマウスを使い、排卵回数を増やした結果、マウスは妊娠しなくなった。
その卵巣を分析したところ、脳下垂体から分泌される「性腺刺激ホルモン」が過剰となり、卵巣組織が硬くなる「繊維化」が起きていることが判明した。
卵巣内の血流が悪くなることでホルモンが十分に行き届かなくなり、受精前の卵胞が発育しづらくなっていたという。
対策として、研究グループは卵巣が繊維化して妊娠しなくなったマウスに性腺刺激ホルモンの分泌を抑える薬を8日間投与した。
投与中止後、卵巣組織が軟らかくなり、再び妊娠するようになった。
加齢に伴って妊娠率が低下するメカニズムの中で
卵子の質の低下ではなく、卵巣機能の低下に着目し研究をされています。
この中で私たちは
「卵巣内の血流」に着目しています。
ホルモンは血液によって運ばれますが
血流(巡り)の悪い患者さんは多く見られます。
良い卵を育てるのは、良い卵巣機能だと改めて感じました。
そしてその卵巣に栄養(ホルモン)を運ぶのは血流です。
鍼灸治療は血流の改善やリンパ管の拡張などの効果があります。
また、当院の鍼灸治療は「内臓-体制反射」の考えで行っており
卵巣などの反射部に鍼灸を行っています。
治療を継続している患者さんに
「採卵出来る卵が増えた」
「受精率が上がった」
「採卵が出来るようになった」
と喜ばれるのは、
治療で血流が良くなっている事や
卵巣の反応点に刺激を行っていたため
線維化して育ちにくくなった卵巣機能が
柔らかくなって卵子が育ちやすい卵巣になった可能性があるな
と改めて感じました。
まだ、マウスでの研究なので、ヒトでのホルモン投与の効果などはまだ先になりそうですが
ホルモンが血流と関係する点
卵巣機能低下と血流とが関係する点
において鍼灸治療が不妊患者さんにとって良い刺激を与えていると考えられます
これからも、不妊の分野の研究は進んでいくと思われます。
新しい情報に目を向け、治療に活かしていきたいと思っています