それにしても眠れないのだ

日々の眠れない出来事を虚実織り交ぜて

それにしても「漫画賞はAIの夢を見るか」なのだ。

2022-07-13 19:21:42 | Weblog
 第46回講談社漫画賞の受賞作が発表された。講談社漫画賞は、最も優れた作品を発表した漫画作家を顕彰するもので、今回は、少年部門は「転生したらスライムだった件」、少女部門は「星降る王国のニナ」、総合部門は「ハコヅメ ~交番女子の逆襲~」が受賞した。
 結果発表と共に、今回の審査員の人達(7人、全員“結果”を残している漫画家)の選評も公開され、全員が「どの作品も面白く、選定に悩み、最終候補に残った他の作品のあれやこれやも本当に捨てがたかった」みたいなコメントを発し、最終的な決め手は「自分の好み」だと吐露してしまう人もいた。
 で、筆者的に選評を読んで一番心にとまったのは、久米田康治の「勿論ここに上がってくる作品はどれも素晴らしくもはや「好みの問題」でしかない。」「選考委員を代えていっそ「AI」にでも決めてもらった方が良い。おじさんはその「物差し」を持ってないのだから。」という言葉だ。他の人達がありがちな賛辞で終始しているのに対し、久米田さんだけは同じような賛辞を送りつつ、「シャングリラ・フロンティア」を面白いとしながらも推さなかった理由を述べたり、たまたまそこに居合わせた人の「好み」で決まった結果が、世に「一番面白いマンガ」として広まってしまう講談社漫画賞、というか他社も含めた漫画賞自体のあり方に言及する辺りが、久米田さんらしいなぁって思えた。
 現在、色々な分野でAI導入を求める声が上がっている。この声が上がる理由は、色々あるだろうけど、その一つは「権力者に対する弱者の嘆き」ではないかな、と。大抵の場合、権力者の決定に、弱者は従う事になる。その決定が“一定”であれば、決定が何であれ、弱者もまぁ納得はいく。でも、その決定が都度都度“ブレ”ていれば、納得などいかない・・・けど、結局は従わなくてはならない。どうせ従うならどっちが良いか、それは明白だ。で、一定を得るためにAIの導入を求めるのだ。
 今回、漫画賞の審査員という権力者の立場についた久米田さんから漫画賞をAIに選定させる方が良いと意見が出たのは面白い所だけど、まぁ久米田さん自身も普段は弱者側だろうから、人間性も鑑みて、出ても不思議はないコメント・・・とも思える。
 AIが、漫画とかお笑いとか芸術とかとかの面白さや素晴らしさ・良さを判定できるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだ。で、それとかの研究をしていたら、AI判定システムの完成前にシンギュラリティが起こっちゃって、AIも好みを持っちゃって、例えば「お菓子は、どら焼きしか勝たん!」みたいな事になっちゃうかも・・・。
 将来どんなAIができあがるのか、そしてどんなAIが、時代が、自分にとって素敵かとかとか考えていたら、今日は眠るのが遅くなるかもしれないのだ。
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