私はここ10年ほど町内や地域との付き合いはまったくない。二世帯住宅で住民登録上は一世帯、世帯主は長男としている。地域のことは若い者に任せている。
もともと人付き合いが苦手で、頑固者、一徹者、ひねくれ老人と世間はみているだろう。
それで結構だ。もしものときも最近はやりの家族葬、親戚葬を望んでいる。町内からのお参りや、香典は辞退するよう遺言しようと思っている。家内のときに迷惑をかけている。
“近所付き合いはわずらわしい。できれば避けたいと思う人は少なくないようです。
しかし、人は一人では生きられません。むしろ急速に少子化・高齢化が進む今の時代だからこそ、自分や家族が暮らす地域の人たちとよい関係を築いて助け合うことは、どんな監視カメラより確かな「セーフティネット」となってお互いを守り、地域を活性化させることを、私たちは認識する必要があるのではないでしょうか。
とはいえ、ライフスタイルや価値観の多様化で共通の基盤づくりが難しくなった今の地域社会では、人付き合いもごく表面的になりがち。そこでご近所と上手に付き合っていくコツやトラブルを避ける知恵を、特集で心理学者の齊藤 勇さん(立正大学教授)、江戸しぐさ研究家の越川禮子さん(NPO法人江戸しぐさ理事長)にお話しいただきました。“(これは私の出身母体の会社のOB組織が発行した雑誌の切り抜きからの引用です)
(齋藤先生のお話要旨)多様性を受け入れ、寛容なこころで付き合おう
「ほどほどの距離感で賢く付き合うこと」
・・「昔のような濃密な人間関係を保った社会ではないから、かっての農村共同体のように、誰かの指示の下で一つのルールに沿って全体が動くということはあり得ない。まず、地域に住むさまざまな人たちの多様性を受け入れること、これがご近所付き合いの第一歩・・・」
・・「親しい家は一軒から二軒あればいい。何か共通項があって理解し合えて、いざというときには助け合えるような間柄の家。後は、会えば気持ちよくあいさつし合えるような関係を広く持つことができれば、安定した近所付き合いといえるでしょう・・・」
・・「人から好きだと言われて、その人を嫌いになる人は、まずいません。これを「好意の互恵性」といいます。好意を示した人には、好意が返ってくる。相手に好かれたいと思えば、まず自分が相手を好きになること・・・」
・・「初対面だと、人はつい、必要以上にいい顔をするもの。でも期待して応えていると相手もどんどん期待して、期待を大きくする。無理だと思ったらきちんと自分の状況を説明し、応えられないことを鮮明にする。最初が肝心・・・」
・・「世間話もほどほどに。長くなると、必ず人の悪口で盛り上がる。人をほめる話はすぐ終わってしまう。悪口はちょっと後ろめたい体験を共有することで、そこにいる人の心理的距離がぐっと近くなるから、そのときは楽しくてもだんだん嫌な気分になる。そんな雰囲気になってきたら、忙しそうにして話を切り上げる、などの知恵も必要・・・」
「近所付き合いは意外に流動的」
・・「近所付き合いは会社の人間関係よりも難しい。家庭の事情は見えない。会社内のように役職や地位がない。その家を全部知ろうとしてもいけない。相手の要求に全て応えようと思ってもうまくいかない。うんと鈍感になって、ささいなことに振り回されないこと・・・」
・・「今の時代は流動性が激しい社会。こどもの進学先が違ってくると疎遠になったり、家族関係が変わって親しくなるなど地域の人間関係は流動的。その変化を楽しむくらいがいい・・・」
・・「男は退職しても近所付き合いが苦手、女はおしゃべりを武器に、横の関係を広げていく。タテ社会の会社で過ごしてきた男は、平らな関係が苦手、仕事を離れると共通の趣味でもないと、話題がない。
彼らは、何か目的があって、達成感があるものには燃える。地域のための活動を担ってもらうことも、ひとつの方法・・・」
長くなったが、実に示唆に富んだ教訓です。思い当たる人も多いのではないだろうか。
ところが、地域のリーダーでやり過ぎる人が近所におられて、困ることもこれまた事実だ。
江戸しぐさはホームページもあるが分かりにくい。Wikiの江戸しぐさの例などを参考に。