ひさびさに読書らしい読書をこの2週間楽しみました。梅原日本学の神髄を示した本で、読み応えと、読んで楽しく大変勉強になった本でした。
四つの謎とは1、親鸞の出家の謎について 2、法然門下に入った謎について 3、結婚の謎について 4、親鸞の悪の自覚の謎について
を、三重県津市一身田にある真宗高田派本山・専修寺に伝わる「高田開山親鸞聖人正統伝」を基に論考された本でした。本願寺派の親鸞伝著者達はこの書を偽書として扱っているのを、梅原先生はいろいろな角度、文献、古典などから正書として認知し論述してありました。真宗門徒以外の人も該博極まりない梅原先生の論述を読み物として読まれても面白いと思います。とにかく経典をはじめ、これだけ古い文献を読み下し、解釈される学者は今後そう無いのではないかと思われるほどの先生の知識・博学に驚かされます。
親鸞のことはまだ分からないことだらけなのです。あれだけ沢山の著述を残されながら、生い立ちや家族のことなど一切語ったり、書いて残されていないからです。
中でも私は親鸞の母を頼朝の父の義朝の娘、貴光女(吉光女)と伝える正統伝の記述に驚きました。
頼朝や義経は親鸞の叔父に当たり、貴光女は腹違いの長女だということです。時はそういう時代だったのです。
一身田の専修寺は若い頃仕事の途上で一度お参りしました。大きな伽藍の立派なお寺です。
『親鸞「四つの謎」を解く』梅原猛著 に示される親鸞略系図
常盤御前ー源義朝ー女子
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源頼朝、義経 貴光女ー藤原有頼
(吉光女) |
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恵信尼ー親鸞①ー玉日(九条兼実の女子)
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覚信尼---善鸞
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覚恵 如信②
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覚如③
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存覚 (高田派の正統伝は存覚の書と推定されている)
|(5代略)
蓮如⑧
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実如⑨ ○は本願寺歴代の代数
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