【1月29日(日)】
館山と云えば、「東京からちょっと足を延ばした観光都市」のイメージだけど、由緒ある歴史にも恵まれている。
そもそも館山は「館の山」。
館とは要するに城のことで、お城のあった山、が由来とするのが定説になっている。
名前からして、歴史情緒ある町なのだ。
何と言ってもその筆頭が「南総里見八犬伝(滝沢馬琴作)」で有名な、戦国大名里見氏の存在。
再建されている館山城も、現在は八犬伝博物館なんて別称してるらしいし。
里見氏を調べ出すと、とてつもなく長くなってしまうため、ここでは簡単にさわり程度にするけれど、南総里見八犬伝の元ネタになってるのは、安房里見氏初代の里見義実、そしてその娘の伏姫。
架空の軍記物で詳しいストーリーは忘れてしまったけど、おじさん世代だと、真田広之と薬師丸ひろ子の映画で見た記憶しかない。
没落した里見家を、伏姫と8人の剣士によって再興していくストーリー。
もっとも架空とはいえ、初代里見義実は実在した人物だし、落ち延びていた常陸から、里見氏再興をかけて安房入国するにあたり、旧勢力との間でいくつもの戦いがあって、困難を極めたことは事実らしい。
ただ、1人の殿様(あるいは姫様)を囲んで数人のスーパー剣士たち、の構図は、漫談の世界にはよくある話。
「真田十勇士」も似たような話だよね。
江戸の時代には流行ったんだね、きっと。
お家騒動など紆余曲折あったものの、その里見氏の末裔が、江戸になって正式に館山を本拠としたのは、8代当主義康(よしやす)の時代。
1591(天正19)年、というから、豊臣秀吉が天下人を満喫していた時代やね。
義康は館山城を大幅リニューアルし、館山を近世の城下町として整備した。
(館山藩主としては、義康が初代ってことになりますね、はい。)
残念ながら、義康さん、なかなかの名君だったのに、30歳の若さで早世してしまい、家督は10歳の忠義(ただよし)に。
といっても、年少のため、実質は家臣数人が補佐するってことなんだけど。
豊臣から徳川に時代が大きく変わる大事な時なのに、その補佐役同士が派閥争いするなど、治世は混乱し、ついには、徳川幕府に目を付けられ、伯耆国(鳥取県)倉吉へ転封(今でいう左遷ね)。
忠義には側室には庶子がいたとも云われるが、跡を継ぐべき嫡子はなく、不遇のままこの世を去った。
そしてそれは、大名としての里見家のジ・エンド、を意味する。
その際、責任を感じたのか、忠義を慕ったのかは不明だけど、8人の重臣もそろって殉死したとされる。
きっと、南総里見八犬伝は、先の初代義実の安房入国の物語と、この8人の殉死を合成(モデル?)して、漫談(小説?)にしたんじゃないかな~。
と、これだけ歴史を語った以上、館山の歴史巡りをしたい!
館山城にも行きたい!
でもさ、残念なことに、今日は市域全体、交通規制なんだよな。
理由は…、館山若潮マラソン。
残念…、なんて言う資格ないんだけどね(笑)。
もともと走る側の人間なわけだから。
ってか、当初の目的はそれだったし!(涙)。
それに家族旅行だから、もう少し子供向きのスポットへ、というのが現実的な選択。
というわけで、館山市内脱出とドライブを兼ねて、行き先を「マザー牧場」に決定。
イチゴ狩りができる、ということだけはリサーチしたけど、あとはぶっつけ。
パンフレットに寄れば、前田久吉さんという昔の代議士兼実業家が、開設したとある。
名前の由来は、彼が貧しい農家だった少年時代、母親が「牛の一頭でもあればもう少し楽なのに…」と言っていたため、その母にささげるため、マザー牧場とした、とのこと。
それにしても広いなぁ。
250ヘクタールってことらしいけど、数字で言われてもピンとこない。
愛知県に例えるなら、モリコロパーク(愛知万博記念公園:旧青少年公園)と愛知牧場が合わさった感じ、かな?
能書きはここまでにして、交通規制前の館山市内を早々に脱出し、一路マザー牧場へ!
到着後、家族で、イチゴ狩り・トマト狩りを皮切りに、ヤギに餌をあげたりして、大いにマザー牧場を堪能しました。(冒頭写真はイチゴ狩り♪)
帰路は、嫁と子供が疲れて寝たのを良いことに、のんびり下道(国道127)ドライブ。
時間はかかるけど、景色良いねぇ。
海沿いに走る国道127。
そして漁港が点在。
その港を中心に町がある。
ついつい悲しい習性?で、分岐する生活道路に目が行ってしまう。
旧街道かな?
館山街道とでも云うんだろうか?
マラソンでただでさえ交通量が多い反対車線。
どうやら交通事故で往路に利用した「富津館山道路」は通行止めらしく、物凄い渋滞だ!
ふん、ざまぁみろ!
走れただけでも幸せ者だよ。
屈折した心境でコスモタイガーはハンドルを握る。
忘れたころに、トボトボと疲れた感じで歩くランナーたちがいる。
きっと今日、若潮マラソン走ったんだね。
でも館山市内には宿泊できず、ちょっとはずれの港町の民宿を押さえたってところなんだろう。
とある左カーブで信号で停車。
おっと!何やら妙な史跡の案内看板がある。
「菱川師宣(ひしかわもろのぶ)生誕地」。
誰だっけ?
聞いたことある。
あ、そうか、江戸時代の浮世絵師だ。
コスモタイガーは絵心ないからね、歴史は歴史でも、こっち系はあんまり興味ないんだよね。
でもこんな国道沿いに突然現れ、しかも絶妙の場所に停車したのも何かの縁だし、話のタネになるよ、きっと。
シャメだけ撮っておこうとしよう。
運転席からパチリ。
少々足りないものもあり、駅近くの大型ショッピングセンターに寄って買い物し、そのまま近くのファミレスへ。
魚が美味しいことは間違いないけれど、今日は無性にお肉が食べたくなったコスモタイガーファミリーなのだ。
さて、すっかり夜になっちゃった!
ペンションに戻るとしましょうか。
明日はいよいよ、あの巨大遊園地かぁ~。