楽園の泉

自転車とかカメラとかのブログ、たまにねこ。

遠野物語Returns;Sep.03(釜石)

2012-09-10 | 自転車
陸中大橋に着くと、たまたま家の前にいた方が自分のいでたちを見て、ちょっと捕まりました。

自転車で山を越えてきたことが珍しかったようで(まぁ、あまり人の通らない道を自転車に乗って下りてくれば、ねぇ)そんな話をしてましたが、実はこの方、あの日に釜石にいて、しかも避難所で3日ほど過ごしたという体験の持ち主でした。実際にそういう体験をされた方の話はちょっと衝撃的で、結局はお話を聞くことだけしかできませんでした。「なにかできるか、どう行動すべきか」っていうのは、やはり今後の課題です。

その方の紹介してもらった釜石の食堂で食事、値段のわりに種類も分量もある内容だったので、料金の他に偽善的なんですけどその同額を寄付しました。

食後、釜石駅前から海沿いにゆるゆるとポタリング。第一印象は、道を大型ダンプなどが走り、空き地には雑草が生い茂っているので「埋め立て地が造成を待っている」という感じだったんですが、足元をみるとそこは建物の土台がしっかりと残っていたため、ここが津波の被災地であることを実感しました。

以下、釜石市街。

ガードレール


岸壁は沈下してます。


"事故"じゃないの


銀行もこんな


土台を見なきゃ、造成待ち。


赤い旗。


それでも花は咲く。


こんな花も。これはNPOから提供された車みたいです。県外の登録でした。



自分の住んでいる辺りもこうなる可能性が充分にあるだろうし、と思うと寺田寅彦の言葉が重みを増してきます。

この辺りの岩盤は堅く、釜石線に関しては地震の影響を受けなかったとのことで、海沿いの被害の主因は津波であることを改めて実感しました。

この後、釜石線に乗って遠野まで戻りました。これでJR釜石線は全線制覇です。

2 コメント

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>>tamachiさま; (さくらなみき)
2012-09-13 22:23:15
津波から1年半が過ぎているので、さすがに現実離れした印象は薄く感じましたが、それでも飴細工のように曲がったままのガードレールや建築土台などを実際に目にした時は、胸に来るものがありました。

物見遊山なためにちょっと居心地がアレだったんですが、初日の雨宿り先で会ったり、この日大橋で会った人たちから「見ておいたほうが良い」と言われたことに後押しされ、釜石の土地に立ったことは経験になりました。

おっしゃるとおり、お勧めするものではないと思いますが、見てしまった以上、なにか責任を負わされたような気がします。

例の「奇跡の一本松」よりも、釜石の町中で見かけたバラのほうが、前向きで頼もしく感じられました。後ろには明日は無いから、前を向こうぜ、って。
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見ると聞くとは大分違う (tamachi)
2012-09-12 18:56:17
・・・というのを実感したのではと思います。
約一年前に釜石に行ったとき、駅から先(東)に行くにつれて
現実離れした光景が目についてました。
正直、同じく被災した我が町を見るよりもココロが重かったです。

東北に思いがある人は、機会があれば見ておくべき現実だと
思いますけれども、お勧めは出来ませんね。そこが辛いところです。
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