この三連休は寒かったですね。あの暖かい正月休みは何だったんだって感じですね。
さて、その正月休みを使って、やっと真夜中のパン屋さん4巻目読みました。
最初の方がかなり細切れで読んでたので、いろいろうろ覚えになったりしているのですが、
今回も期待を裏切らない人間臭さとミラクルてんこもりです。
いつもこのシリーズを読んで思うのは、どんな暗い過去や引きずるものがあったとしても、出会いと絆、今を一生懸命生きることって大事だなって思います。
出会いは自分で操作できるものではないけれど、その中で素敵な絆を作って行けるのは自分ができることではないかと。そして、大きなお世話が敬遠されている世の中ですが、それがまた良い方向に作用すれば「握った手はあったかい」って思えるわけだよね。
私の血縁関係は、わりと「冷めた」「四角四面」「マイナス思考すぎる」ていう三重苦な人が多いので、今回の沙耶ちゃんの気持ちは分からなくもないなあと読みました。
家族の為、母の為、自分を殺していい子でいること。決して家のお荷物になってはいけない、それが呪いだ、って、それ、分かります。一生解けない呪いかもしれないよね。
私は実家で「決して家のお荷物になってはいけない」と思っていながら、わりと目立ちたがりだったので、押さえつけられてた。嫁姑の静かに進行するバトルにも巻き込まれてた。
そして結婚して夫の「妻というもの、夫の思うがままに先回りして振る舞え」みたいなわけのわからん呪いもかけられていたし。
二つに共通してかけられていた呪いは「生意気なことを言うな。誰もお前の意見など聞かない」っていう呪い。これはいまも解けない。自分の意見など生意気ではないのか、こんなことを考えてはいけないのではないのか、我慢すればなにも話さなくていい。だって発言するといつも生意気だって叩かれるから。ってやっぱり今もいろんな場面で思っちゃう。
でも沙耶はあることをきっかけにその呪いを自分で解こうとする。
最初は、はあ?わがままな娘だわ。って思ってたんだけど、
きっかけは、はあ、そりゃグレたくもなるわって納得できるし、
案外素直で魅力的な子なんだなって思えてくる。
だってその呪いの解き方が、すごい、かわいい。
今回は、ほぼクレさん不在の話(ま、それは5巻でいろいろ展開する話だと思う)
なんだけど、希実とはメールで会話してたり、最後でちょこっと出てきたりします。
やはり、あのほっこりする福井弁でにこーっと笑うクレさんはいないとさみしい。
その代り、弘基やソフィアさん、斑目氏は大活躍。
新しいキャラも出てくるし、ソフィアさんのお友達がまた話を展開してくれたりする。
で、今回のメインブレッドは、ウイークエンドシトロンをアレンジした、冷凍する冷たいパン。
バターたっぷりのデニッシュ生地にレモンたっぷりのフィリングなんて夢のようです。しかもそれが冷たい、それを夏祭りの屋台で食べるって、いいなあ。
ウイークエンドシトロンは「週末に大事な人と食べるケーキ」って意味があって、
昨年ひょんなことから国産レモンを購入して何度か作っています。
何度作ってもおいしい。娘ちゃんの誕生日ケーキにもしたくらいですし。
今回のテーマを象徴するパンかなあと思います。
大事な人かあ。
いっしょにおいしいものを食べたい人って、やっぱり大事な人だよね。
絆は大事に育てていかなきゃいけないなあ。