巨樹に魅せられて

巨樹巡りを趣味としていますが、気がつくと神社巡り。その周辺の話題もココに書き留めています。

「京都 法然院 いのちの庭」

2010-02-15 22:01:38 | 里山
NHK-BSで放映されたタイトルの番組を視聴し、たいそう感動しました。

説明文より;
「京都、東山山麓にひっそりと佇む古刹・法然院。山に囲まれた京都の中でも、比叡山へと36の山々が連なる東山は、自然が色濃く残る場所。法然院はそこで800年以上の歴史を持つ法然上人ゆかりの寺だ。古びた山門をくぐると、四季を通じてサクラやフジ、アジサイなどの花が苔むした境内を彩り、掃き清められた白砂壇や日本庭園が本堂に調和する。そして背景に迫る常緑樹の深い森。ところが、京都ならではのそんな風景に目を凝らすと生き生きとした命の世界が見えてくる。」

都市の近くの小さな森にいろんな生き物が食物連鎖を形成して世界を作っています。
その多様さ・豊かさに驚かされることしきり。
印象に残った森の住人達は・・・

■ モリアオガエル
 ふだんは森の中に棲息するカエルですが、繁殖期だけ池に集まります。メスの体はオスの2倍の大きさ。
 そのメスの背中にオスが一匹おんぶすると産卵の始まりです。
 産卵場所は池に迫り出した木の枝。卵からかえったオタマジャクシが池に入りやすいよう配慮しての選択です。
 泡状の粘液と共に卵を産み落とすメス、そこに精子を振りかけるオスは背中の一匹だけではなく、いつの間にか周囲からたくさん集まり、4~5匹がメスにぶら下がって、不思議な光景を作り出します。
 産卵が終わるとオスもメスもさっさと森の中へ退散していきます。
 その年は天気が良すぎたため、ひからびてオタマジャクシになれなかった卵達が写し出されていました(涙)。

■ ムササビ
 椎の木の住人。見事な滑空を披露してくれました。
 お寺の森にムササビがいることだけでも驚き!
 ムササビが住み着く椎は中が空洞になるので嵐に弱いそうです。

■ ジャゴケの生態
 コケにはオスとメスがあるんですね。初めて知りました。
 何より驚いたのは、植物であるコケのオスが「精子」を作ること!
 ちゃんと鞭毛があって泳ぐんです。
 精子・卵子は動物の専売特許じゃなかったんだ。
 雨が降るとオスの造精器から精子がシュッと霧状に吹き出され、メスの卵子がある場所へ雨水で流され辿り着き受精が成立します。
 ウ~ン、生命の神秘。

■ クマムシ
 コケと共に棲息する1mmに満たない虫。
 水が無くなると活動を停止し、そのまま数年間はエネルギー補給なしに耐えられるそうです。
 水を得ると何事もなかったようにまた動き始める、強靱な生命力。

■ クモ
 クモの巣には丈夫な縦糸と粘着性のある横糸があることを知りました。
 横糸は獲物を捕獲するためのものですが、クモ自身もくっついてしまいます。
 巣を夜30分で張り上げ、朝には撤収(自分で食べてしまう)し、また夜になると適当な場所に巣を張る種類が紹介されていました。
 なんだか、屋台の夜鳴きラーメンを連想させますね(笑)。


 やっぱり京都っていいなあ。
 20年前は一人旅で歩き回ったものですが、最近はご無沙汰。
 雪が舞う大原三千院の風情は今でも鮮やかに記憶に残ってます。


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