私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

MP3で聴く Earth, Wind & Fire

2012年09月25日 | ポピュラー
 このMP3-CDもネット通販で購入したロシア製です。
 1970年代から2000年代に至るまでのアルバムを含む、合計100曲超を数週間かけてカーステレオで聴き切りました。

 初期はサウンド中心の印象でフリージャズ系に聞こえたり、ホーンセクションが目立ったり。
 やはり大ヒットした「太陽神」(All 'N All)がポピュラー音楽的にバランスのとれた作品ですね。
 大ヒットした「宇宙のファンタジー」を歌うモーリスホワイトのファルセット・ヴォイスが耳に心地よく入ってきます。アポロ計画も盛り上がっていた頃で、宇宙への憧れをうまく楽曲に取り入れた名曲です。

 アルバムジャケットは長岡秀星氏が担当して話題になりました。私好みの古代エジプトをモチーフにしたイラストです。その後長岡氏はシンセサイザー奏者である喜太郎のアルバムジャケットも手がけ、私のお気に入りのアーティストでした。

 その後は電子音を導入したり現代化を図りますが、音楽のインパクトは今ひとつ。
 やはり彼らが一番輝いていたのは1970年代後半でしょうか。

MP3で聴くマイケル・ジャクソン

2012年08月02日 | ポピュラー
 ご存じ20世紀後半を駆け抜けたポップス界のスーパースター。
 ロシア製のMP3ディスクをネットで購入しました。
 全部で200曲くらい入っており、カーステレオで2週間くらいかかって聴き終わりました。

 ジャクソンファイブ時代の雰囲気を残した伸びのあるそよ風のように爽やかなボーカルから、徐々にポップス路線へ移行していく様が聴き取れました。リズムやビートを前面に出し、美声を封印して力強いフレーズで歌いきる唱法へ。

 私が一番親しんだのは1980年代の大学生時代。
 クインシー・ジョーンズと組んだ「スリラー」(1982年)がブレイクした頃です。
 曲もさることながら、「ムーン・ウォーク」などのダンスも一世を風靡しましたね。
 
 でも、それ以降はメロディアスで美しい曲が少なくなりました。声をつぶすような歌い方に「マイケル、何をそんなに怒っているの?」と感じたのは私だけでしょうか。
 今となっては激しい曲よりも、優しい曲が心に残ります。

 マイケルの死からはや3年が経過しました。早いものです。


欧米での「由紀さおりブーム」

2012年02月23日 | ポピュラー
 2/22のNHKクローズアップ現代で「世界を魅了する日本の歌謡曲~由紀さおりヒットの秘密~」が放送されました。

 日本の昔の歌謡曲が欧米では大人気だそうです。
 アメリカのジャズ・オーケストラ「ピンク・マルティーニ」が取り上げ、ブレイク後に由紀さおりさん本人との共演が実現し、欧米人を感動させた模様が映し出されました。
 バンドのリーダーであるピアニストは「由紀さんが歌う日本語には浮世絵のような漂う感覚があります」とコメントしていました。
 この人気に、誰よりも由紀さん自身が驚いている様子。

 番組では人気の秘密を音声学や心理学など多方面から解析を試みていました。
 フ~ン、なるほど、と頷いた箇所を記しておきます。

・母音中心の歌声:日本語は母音が多い言語です。母音は聞いていて落ち着くのです(母性的?)。
 ・・・私は常日頃から感じているのですが、イギリス英語の発音は子音が目立ち、聞いていてなんか落ち着かない。日本人にとって英語をマスターするハードルの一つとなっているような気がします。

・外国の歌に日本語を工夫して当てはめた歌謡曲:英語より単語/分節が少ないのでゆったりした歌い方になります。

・由紀さおりさんの独特の声質:彼女の声を分析すると8つの共鳴音が検出されるそうです。豊かな響きが証明されました。

 確かに、日本の歌謡曲は床屋さんで聴いているとうたた寝してしまうほど心地よいですね。
 いしだあゆみさんの「ブルーライト・ヨコハマ」が流行したのはわたしの幼児期でした。伊東ゆかりさんの「小指の想い出」とともに、父のステレオからよく流れてきた歌です。40年以上昔のことなのに身体が覚えていて、すべて歌えてしまいました。

 懐かしい。

「少女時代」考

2010年11月02日 | ポピュラー
韓国の女性アイドルグループ「少女時代」がとうとう日本でブレークしました。

その魅力に誰も抵抗できません(笑)。
日本のアイドルが失ってしまった「かわいい」「キレイ」「純粋」というイメージを完璧に演じています。
「エロ可愛い」や「学芸会」路線に食傷気味の日本人の目に新鮮に映るのでしょう。

ただ、私には「造られたアイドル」というイメージが拭えません。
会見のインタビューでは、所属事務所の社長が「彼女らは2-5年、徹底的に歌・ダンスなどを鍛え上げてきた」「英語・中国語も話し、アジア・世界をターゲットにしている」と答弁。
日本で云えば、宝塚歌劇団レベルです。

とにかく、最近の韓国の勢いはすさまじい。
経済発展にとどまらず、フィギアスケートのキム・ヨナの活躍、冬期オリンピックでは中国をしのぐメダル数を獲得・・・一時期の日本のようです(苦笑)。

でも、韓国は日本以上に少子化が進んでいる国でもあります。
少数精鋭として子どもを教育・訓練し、最大限能力を発揮すべく日夜努力しているのでしょう。

あまり無理すると、彼女らが自滅してしまいそう。
理由は詳しくは知りませんが、東方神起も空中分解してしまいましたよね。

韓国の子ども達、大丈夫かなあ。

詩と音楽(あるいは歌詞と曲)

2010年06月28日 | ポピュラー
先日、NHK-BSの「100年インタビュー」という番組に谷川俊太郎さんが出演していました。
皆さんご存じの現代を代表する詩人です。

その中で、詩作について「借り物の言葉を並べて体裁を整えてもつまんない。自分の中のもうろうとしたモノから言葉が生まれてくるのを待っている」という表現が印象に残りました。

また、「言葉は音楽に勝てないと思う」と意外なことをおっしゃいました。
言葉は意味を限定するが、音楽は限定しない(受け手の自由度が高い)という意味らしい。
言葉のプロである詩人がこう思っているなんて・・・。

これとは別に、「言葉と音楽」について考えさせられた番組がありました。
佐野元春さんが司会を務めて今をときめくソングライターをインタビューする「佐野元春のザ・ソングライターズ」(NHK-BS)がそれです。
今まで登場したアーティストは、小田和正、さだまさし、松本隆、など錚々たるメンバー。
7月から始まる第二部のトップバッターはミスチルの桜井さん。

以前、ポピュラーソングは「まず歌詞ありき」で、訴えたい内容を歌詞にしてそれに曲を後付けするモノ、と思い込んでいた私。
しかし、もう15年以上前になるでしょうか、小田さんが属していたオフコースのアルバム制作を追った番組の中で、彼が曲作りを先に行い、後から歌詞を乗せるという手法を取っていることを知り驚きました。今回の小田さんのインタビューでも、言葉にならないところは「ラ~ラ~」(「言葉にできない」)とかになっているから、聞き手が埋めて欲しい、と解説(?)していました。

これは特殊な例だろうな、とまだ思っていたところに、ミスチルの桜井さんも「曲が先で歌詞は後で苦労しながらつける」と告白していました。
フ~ン、そうなんだ。
確かに、ミスチルの歌詞は曲に乗り切れていない印象があり、私の中では違和感がありましたが。

たぶん、サザン・オールスターズの桑田さんも曲が先だろうなあ。
一方「まず歌詞ありき」であろう、さだまさしや中島みゆきのようなソングライターもいますね。
結局、人それぞれと云うことになりそうです(苦笑)。

音楽は時間と空間を超越します。

西洋のクラシック音楽は時代を超えて普遍性を獲得していますし、ラジオの短波放送で遠くの国から聞こえてくる異国の音楽にも郷愁を覚える私です。アフリカ・アジアのジューズ・ハープ(口琴)やフィンランドのカンテレ、ルーマニアのパンパイプなどは強く印象に残っています。

また、シンセサイザー奏者である喜多郎の音楽は現在生きている私にも訴えますし、多分1000年前の日本人が聴いても心に沁みてくるのではないかと感じています。さらに彼の楽曲は、アメリカのグラミー賞候補にも何度もなってます。

一方、言葉は時間を超越できますが、空間は飛び越えられそうにない。

日本は「言霊の国」であり、1000年以上前に編纂された万葉集の歌は私が読んで聞いても頷ける秀歌が多い。
でも、外国人には「翻訳」という作業が必要となります。
そういえば、リービ英雄さんが訳した書籍が岩波新書「英語でよむ万葉集」として出版されていますね。

やはり、グローバルという意味では音楽の方がすぐれた作品であり手法なのかなあ・・・。
いやいや、トータルには「音楽」で、委細は「言霊」という別便にて、といったところでしょうか。