BS-フジ 2017年12月31放送(初出は2016年12月30日)
前半はサイモン・ラトル率いるベルリン・フィルがベートーヴェン交響曲全集に取り組む様子を、練習風景、ライブ、インタビューを交えながら全体像をあぶり出すドキュメンタリーです。
ラトルが「ベートーヴェンの交響曲第一番は“ハイドンへの挑戦状”」と表現しているのを面白く思いました。出だしが変調のラッシュで、20秒間に8回も変調のサプライズがあり、聴衆は煙に巻かれてしまいます。また、「第4楽章は“ジムで筋トレをしたハイドンのよう”」とも。
古参の団員のコメントも興味深いものでした。
「戦後、長らく常任指揮者を務めたカラヤンは“美”を追求した。聴衆も尖った音楽を望まなかった。」
「次にきたクラウディオ・アバドはイタリア由来の明るさ・華やかさ・芳しさが特徴」
「現在のサイモンはカラヤンの深い音色とクラウディオの機能性を併せ持つ現代的な演奏」
なるほど。音楽表現も時代の流れを敏感に感じ取って変わっていくのですね。
ベートーヴェンは交響曲第三番「英雄」を作曲している頃から聴力を失いつつありました。
サイモン・ラトルはそれをも考慮した演奏を団員に望んでいて、あらためて奥の深さを感じました。
後半は第九演奏のライブ映像。
前半のドキュメンタリーを見た後では、超一流の演奏ではありますが、ちょっと違う視点で聞くことができました。
<番組紹介>
【Living with BEETHOVEN「ベートーヴェンと生きる」】
2015年秋のベートーヴェンの交響曲全曲演奏会(ツィクルス)は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と首席指揮者サー・サイモン・ラトルにとって重要な取り組みとなった。
「首席指揮者は一度は全曲を振って勝負しなければならない―――」
ラトルとベルリン・フィルは2008年に一度全曲演奏会を行っており、2015年から2016年のシーズンの全曲演奏会は2回目となった。
この番組は、巨匠ラトルとベルリン・フィルの演奏会の舞台裏を紹介するドキュメンタリー。
作曲者の秘められた意図を汲み取り、新たな解釈を加え、絶え間なく演奏を見直し続けるベルリン・フィルとラトル。
ラトルは言う。「ベートーヴェンは美しく弾かれすぎることがある。ベートーヴェンを演奏するには、直接的表現であればあるほど良い。しばしば、全く誤った解釈に陥ることがあり、演奏するたびに自分の間違いを思い知らされる。」と。
演奏するたびに日々新しい細部の発見があり、それを磨き上げ、完璧にしていく。
ラトルによる作曲家と作品の解説のほか、楽団員や技術スタッフがベートーヴェン・ツィクルスへの熱い思いを語る。
【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「ベートーヴェン交響曲第9番」】
サー・サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による「ベートーヴェン交響曲全曲演奏会(ツィクルス)」が2015年から2016年シーズンに行われた。これは2008年以来の2度目のプロジェクト。今回は、2015年10月にベルリンで演奏されたツィクルスから「交響曲第9番」をお送りする。
作曲者の秘められた意図を汲み取りラトルらしい新たな解釈を加え、圧倒的パワーを誇るベルリン・フィルが奏でる「歓喜の歌」をご堪能ください。
(2015年10月:ベルリン・フィルハーモニーにおいて収録)
【演奏曲目】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 Op.125 ≪合唱付き≫
<出演者・スタッフ>
【Living with BEETHOVEN「ベートーヴェンと生きる」】
<出演者>
サー・サイモン・ラトル(ベルリン・フィル首席指揮者)
エーファ・マリア・トマジ(第2ヴァイオリン)
ファーガス・マクウィリアム(ホルン)
ヴァルター・ザイフェルト(クラリネット)
フィリップ・ボーネン(第2ヴァイオリン)
アンドレアス・オッテンザマー(ソロ・クラリネット奏者)
ダニエル・スタブラヴァ(第1コンサートマスター)
ミヒャエル・ハーゼル(フルート)
ルートヴィヒ・クヴァント(第1ソロ・チェリスト)
クリスティアン・シュターデルマン(第2ヴァイオリン 第1首席奏者)
マシュー・マクドナルド(第1ソロ・コントラバス奏者)
ヴィーラント・ヴェルツエル(ティンパニー)
ユリア・ガルテマン(ヴィオラ)
クリストフ・フランケ(録音プロデューサー)
ほか
<スタッフ>
監督:ダニエル・フィンカナ―ゲル
マグダレーナ・ジェンバ=シュヴィント【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「ベートーヴェン交響曲第9番」】
<出演者>
指揮:サー・サイモン・ラトル
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ソプラノ:アンネッテ・ダッシュ
メゾソプラノ:エヴァ・フォーゲル
テノール:クリスティアン・エルスナー
バス:ドミートリ・イワシェンコ
合唱:ベルリン放送合唱団
合唱指揮:サイモン・ホールジー
前半はサイモン・ラトル率いるベルリン・フィルがベートーヴェン交響曲全集に取り組む様子を、練習風景、ライブ、インタビューを交えながら全体像をあぶり出すドキュメンタリーです。
ラトルが「ベートーヴェンの交響曲第一番は“ハイドンへの挑戦状”」と表現しているのを面白く思いました。出だしが変調のラッシュで、20秒間に8回も変調のサプライズがあり、聴衆は煙に巻かれてしまいます。また、「第4楽章は“ジムで筋トレをしたハイドンのよう”」とも。
古参の団員のコメントも興味深いものでした。
「戦後、長らく常任指揮者を務めたカラヤンは“美”を追求した。聴衆も尖った音楽を望まなかった。」
「次にきたクラウディオ・アバドはイタリア由来の明るさ・華やかさ・芳しさが特徴」
「現在のサイモンはカラヤンの深い音色とクラウディオの機能性を併せ持つ現代的な演奏」
なるほど。音楽表現も時代の流れを敏感に感じ取って変わっていくのですね。
ベートーヴェンは交響曲第三番「英雄」を作曲している頃から聴力を失いつつありました。
サイモン・ラトルはそれをも考慮した演奏を団員に望んでいて、あらためて奥の深さを感じました。
後半は第九演奏のライブ映像。
前半のドキュメンタリーを見た後では、超一流の演奏ではありますが、ちょっと違う視点で聞くことができました。
<番組紹介>
【Living with BEETHOVEN「ベートーヴェンと生きる」】
2015年秋のベートーヴェンの交響曲全曲演奏会(ツィクルス)は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と首席指揮者サー・サイモン・ラトルにとって重要な取り組みとなった。
「首席指揮者は一度は全曲を振って勝負しなければならない―――」
ラトルとベルリン・フィルは2008年に一度全曲演奏会を行っており、2015年から2016年のシーズンの全曲演奏会は2回目となった。
この番組は、巨匠ラトルとベルリン・フィルの演奏会の舞台裏を紹介するドキュメンタリー。
作曲者の秘められた意図を汲み取り、新たな解釈を加え、絶え間なく演奏を見直し続けるベルリン・フィルとラトル。
ラトルは言う。「ベートーヴェンは美しく弾かれすぎることがある。ベートーヴェンを演奏するには、直接的表現であればあるほど良い。しばしば、全く誤った解釈に陥ることがあり、演奏するたびに自分の間違いを思い知らされる。」と。
演奏するたびに日々新しい細部の発見があり、それを磨き上げ、完璧にしていく。
ラトルによる作曲家と作品の解説のほか、楽団員や技術スタッフがベートーヴェン・ツィクルスへの熱い思いを語る。
【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「ベートーヴェン交響曲第9番」】
サー・サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による「ベートーヴェン交響曲全曲演奏会(ツィクルス)」が2015年から2016年シーズンに行われた。これは2008年以来の2度目のプロジェクト。今回は、2015年10月にベルリンで演奏されたツィクルスから「交響曲第9番」をお送りする。
作曲者の秘められた意図を汲み取りラトルらしい新たな解釈を加え、圧倒的パワーを誇るベルリン・フィルが奏でる「歓喜の歌」をご堪能ください。
(2015年10月:ベルリン・フィルハーモニーにおいて収録)
【演奏曲目】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 Op.125 ≪合唱付き≫
<出演者・スタッフ>
【Living with BEETHOVEN「ベートーヴェンと生きる」】
<出演者>
サー・サイモン・ラトル(ベルリン・フィル首席指揮者)
エーファ・マリア・トマジ(第2ヴァイオリン)
ファーガス・マクウィリアム(ホルン)
ヴァルター・ザイフェルト(クラリネット)
フィリップ・ボーネン(第2ヴァイオリン)
アンドレアス・オッテンザマー(ソロ・クラリネット奏者)
ダニエル・スタブラヴァ(第1コンサートマスター)
ミヒャエル・ハーゼル(フルート)
ルートヴィヒ・クヴァント(第1ソロ・チェリスト)
クリスティアン・シュターデルマン(第2ヴァイオリン 第1首席奏者)
マシュー・マクドナルド(第1ソロ・コントラバス奏者)
ヴィーラント・ヴェルツエル(ティンパニー)
ユリア・ガルテマン(ヴィオラ)
クリストフ・フランケ(録音プロデューサー)
ほか
<スタッフ>
監督:ダニエル・フィンカナ―ゲル
マグダレーナ・ジェンバ=シュヴィント【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「ベートーヴェン交響曲第9番」】
<出演者>
指揮:サー・サイモン・ラトル
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ソプラノ:アンネッテ・ダッシュ
メゾソプラノ:エヴァ・フォーゲル
テノール:クリスティアン・エルスナー
バス:ドミートリ・イワシェンコ
合唱:ベルリン放送合唱団
合唱指揮:サイモン・ホールジー