私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

バイワイヤリングに挑戦

2013年02月17日 | オーディオ
 Sonus Faber ' ELECTA AMATOR ' 導入期の続きです。
 簡易設置ではその濃い中音域に驚き、KRYNA社のStageシリーズのスタンドを使用したところ音場が広がり低音・高音域も伸びてよい感じになってきたところ。

 今日はバイワイヤリングに挑戦しました。
 まずは、バイワイヤリングの解説で一番わかりやすかったのがこちら:
Audio Shop PLUTON オススメのバイワイヤーについて

 スピーカーケーブルは、これも中古でオーディオユニオンさんから購入した「YARBO GY-280FC/2.5m」という品。以下の説明文に惹かれて注文しました;

~説明文~
 同社SP280FCBを使用。フラットカッパー導体、導電性パーボンPE、アルミ箔シールド構造
 1本の線材に8本の平角銅線(flat copper)で練り捲き上げたもので、音の躍動感、立体感が素直に表現されます。8本銅線の外側を炭素PE材で覆い、高周波をカット、雑音を吸収します。外被はドイツ製ゴム混合のアルミ箔絶縁素材。


 いつも思うのですが、スピーカーケーブルの説明ほど読んでも参考にならないものはありません。
 客観的な指標となる数値が存在せず、主観的な音の表現(躍動感とか立体感とか・・・)で判断するしかないのですね。

 昨日届き、早速セッティングして聴いてみました。
 「?」
 あれれ・・・音の生々しさが少し大人しくなったというか、硬くなった感じがしなくもない。
 でも、低音が更に伸びてここまで出ていいの、と思うほど広がります。
 それから音の余韻がきれいに聞こえてきました。

 よくなったような、悪くなったような・・・微妙です。

 このケーブルの素性をしらずに端末の処理形式(シングルワイヤ~バイワイヤ)のみで購入したのですが、改めてネットで検索してみると、Audio Accessary 2012年春号に記事が載っていました(一番下のところ)。
 「中域・高域は繊細鮮明でS/N比も高い。低域は引き締まり輪郭を明確に描き、彫りの深い立体的な低音楽器の響きが魅力だ。
 うん、ここまではよし。
 しかし・・・
雰囲気は硬い傾向の写実基調で正確さが特色であり柔らかなトーンを狙うには適していない。バロック音楽には適さない。
 などと書いてあるではありませんか!

 そ、そんな・・・
 これでは ELECTA AMATOR の良さを打ち消してしまいます。
 スピーカー本来のコクのある濃厚な中音域に、柔らかく音場が広がるスタンドまではよかったのですが、最後に選択したケーブルは高解像度系とベクトルが異なっていたのでした。

 では失敗かというと、慣れてくるとまんざら悪くもありません。
 中音域の濃さが希釈され、全体的にすっきり明確な音になり、バランスのとれた音表現と見ること(聞くこと)も可能です。
 一言で云えば「品の良い音」かな。
 しばらくこのセットで聴いてみることにします。

 さて、ここまでの作業で、Scepter1001 はELECTA AMATOR に随分差をつけられてしまいました。
 Scepterの細いにじんだ音、低音は広がるけど締まりが今ひとつという欠点ばかり耳についてしまうのです。
 数ヶ月前は満足していたのに・・・主役の座を降り、そろそろ冬眠することになりそう。

スピーカースタンド「KRYNA Stage」導入

2013年02月16日 | オーディオ
 Sonus Faber ' ELECTA AMATOR' を中古で入手し、その楽器音の片鱗に触れ興奮しているところです。
 しかし、中音域は濃いのですが、低音と高音の伸びの今ひとつ感が気になっていました。
 まあ、セッティングが Scepter1001 上に借り置き状態なので、これでは実力が発揮できないだろう・・・そこでまともなスピーカースタンドを物色し、これも中古で「KRYNA Stage」シリーズの製品を手に入れました。

 本日届き、早速セッティングして音を出してみました。
 「!」(こればっかし)

 音場が広がり、視界がスッと開けた感覚。
 くすぶっていた低音・高音域が鮮度よく迫ってきます。
 窮屈に縮めていた手足をぐっと気持ちよさそうに伸ばした印象。
 「朗々と鳴る」という表現はこの状態を指すのか、と頷く私。

 スタンドでこれほど音が異なるとは、驚きです。

 そこでハッと頭に浮かんだこと。
 「TAD TSM 2201-LR」をこのスタンドに載せたらどうなるだろう。

 クリアな再生音だけど、低域が出ずにガッカリして半冬眠中のスピーカー。
 もしかしたら、あのスピーカーの低音も出るようになるかもしれない。

 一度収納に引っ込んでいた TSM 2201 を引っ張りだしセッティングして聴いてみました。
 うん、以前の仮置き状態より全然いい!
 実力を引き出せずに低評価し申しわけありませんでした(<m(__)m>)。

 しかし、生々しいまでの楽器音を奏でる ELECTA AMATOR には遙かに及びません。
 聞き比べるほどに、Scepter1001 とTSM 2201 の音がプラスチッキーに感じてしまいます。

 まだCDPとかスピーカーケーブルとか他に検討の余地があるものの、KRYNA Stage というスタンドの導入により、とりあえず ELECTA AMATOR の能力を少し引き出すことができたかな、とほくそ笑む私。

 こうしてオーディオ道の深みに、また一歩足を踏み入れたのでした。
 でも、ネットでオーディオマニアの方々のHPやブログを拝見すると、私なんぞほんの入門編ですね(笑)。

Sonus Faber 'ELECTA AMOTOR'

2013年02月09日 | オーディオ
 オーディオ熱再燃の勢いが止まらず、もう一つスピーカーが増えてしまいました。
 その名は「ELECTA AMATOR」(エレクタ・アマトゥール)。
 イタリアのスピーカーブランド、Sonus Faber(ソナス・ファベール)の記念すべき日本デビュー作です。
 制作は1988年と四半世紀前の代物ながらもしっかり現役で、プロのオーディオショップから中古良品を購入しました(値段は内緒)。

 従来の私のメイン・システムは、
・CDプレーヤー:Esoteric RZ-1、およびMac Pro 2009。
・アンプ:Accuphase E-460
・スピーカー:Onkyo Scepter 1001
 という内容でした。

 このシステムが奏でる音楽は、日本の真面目な音造りを象徴しているかのよう。
 タイトながら低域・高域ともに伸びが良く、音場感の広がりも良好です。
 音楽ソースのジャンルも問わず優等生的に再生し、わたし的には信頼できる万能選手といったところ。
 ただ、真面目すぎて「妖しさ」や「色っぽさ」に乏しいのが玉に瑕でしょうか。

 さて、今回入手した「ELECTA AMATOR」は「スピーカーを楽器に見立てて鳴らす」発想を開発の原点とした Sonus Faber 社の、知る人ぞ知る個性的な手作りスピーカー。
 弦楽器やヴォーカルをつややかに艶やかに再生してくれる一方で、メリハリのある高音・低音を強調した現代的なフュージョンやポップスは苦手にしている、とのネット上の評判です。
 オーディオ通は「Sonus の良さは初期の作品に凝縮されている、創業者のフランコ・セルブリンが抜けた今の音造りは現代的な方向へシフトしており、初期の楽器が鳴るような魅力はもはや存在しない」と評価しているようです。

 届いたスピーカーはブックシェルフ型で重さはそこそこ(15kg)、外見は「木工細工」様で美しく、オーディオ機器というより工芸品あるいは高級家具のような雰囲気を纏っています。
 「これは何か違う」と期待感が膨らむ私。

 早速セッティングして聴いてみました。
 セッティングと云っても、純正スピーカースタンドは手に入らなかったので、Scepter の上に御影石版とインシュレーターを乗せての借り置き場ですが。

 実は、スピーカーセレクター(LUXMAN AS-50R)なるものをあらかじめ購入してこの日に備えていました。
 一つのアンプで複数のスピーカーを切り替えて聴くことのできる優れものです。
 この機種は手元のリモコンで切り替えが可能であり、リスニングポイントに居ながらにしてスピーカーの音を比較することができるのです。

 満を持して、Scepter1001 vs. ELECTA AMATOR。

 一聴して音の違いがわかりました(当たり前か)。
 Secpter1001 の方が低音域・高音域共に伸びています。低音の質感はタイトでボワボワ感なく好ましいのですが、やはり高音域のてかりが少々気になります。独立電源導入前は「ぎらつき」だったのが「てかり」程度に改善はされたのですが・・・。
 一方の ELECTA AMATOR は、低音域の伸びは今ひとつでベースの音が小さくなりがち、高音域の伸びも今ひとつで中音域にギュッと濃縮したような音。ネット上の評判通りだと思いました。かといって物足りないという印象はありません。Secpter1001 の「耳障り感」がうまく消えていて、聴感上のバランスがよいのです。

 聞き比べていて「あれ? この違い、何かに似ているなあ」と感じはじめました。
 その昔、私の学生時代に流行ったノイズリダクションシステム「ドルビーB」の効果を想起させたのです。

 レコードをレンタルしてカセットテープにコピーし、ウォークマン(MDでもなくMP3でもなくカセットテープです!)で音楽を楽しんだ時代の工夫で、高音域の「サー」という雑音を低減し高音質化を目指すもの、と理解していました。
 私は主にドルビーBを多用していました。
 今回感じたのは、ドルビーBをかける前が Scepter、かけた後が ELECTA AMATOR というイメージです。

 逆に云うと、 ELECTA AMATOR と比べると Secpter1001 の中高音域はノイジーに聞こえてます。高性能マイクで音を一つも残さず敏感に拾った録音という印象もなきにしもあらず。
 それを ELECTA AMATOR は心地よい聴感にほどよくアレンジしてくれているかのよう。

 まずは弦楽器と女性ヴォーカルを聴いてみました。
 Mischa Elman のヴァイオリンは今まで以上につややかに響き、Stacey Kent の声はハスキーより色っぽさが前面に出てくる印象。

 さて、これからいろいろな音源を聴き倒そうと思います。

「オーディオ専用電源」の導入

2013年02月07日 | オーディオ
 先日訪問していただいたオーディオマニアさんが持ち込んだ「クリーン電源」の威力に脱帽した私。
 そのあと読んだ「リスニングオーディオ攻略本」(西野正和著)という本に記載のあったオーディオ道における「電源」の箇所、

■ オーディオ専用電源を!
 ・・・ノイズを減らすにはブレーカーレベルでの専用電源を用意するのが効果的。電気屋さんに「オーディオ専用電源を設けて欲しい」よりも「専用回路の増設をひとつお願いします」と依頼すればスムースに対応してくれる。
 専用電源にすると力強い音に変化し、2~4dB程度大きな音に感じるようになる。


 に触発され、「クリーン電源購入よりまず専用電源導入を」と出入りの電気屋さんに依頼し本日工事と相成りました。
 天井裏に潜り込んでの配線で、忍者のような仕事。
 私も久しぶりに家の天井裏をのぞき込み、ほのかな木の匂いに建てた頃の懐かしさを感じ、断熱材がたくさん配置されていることに改めて驚いた次第です。
 そしてコンセント部にはこれも上述の本に紹介されたホスピタルグレードの「WN1318」をあらかじめ用意しておき、取り付けてもらいました。

 さて、工事が終わり早速セッティングして音を聞いてみました。
 
 私の素人耳でも明らかに音がよくなったことがわかりました。

 私のシステム「Accuphase E-460」と「Onkyo Scepter 1001」から出る音は、クリーンでタイト。
 そこそこ気に入ってはいますが、聴き込むほどに小さなことが気になりだし始めたところです。
 高音のぎらつき傾向が耳に障り、中音域にもう少しボリュームが欲しいと感じていました。

 専用電源を導入した後の音を聞いて思い浮かんだ言葉は「整音」。
 音が自然に広がり見通しがよくなりました。
 高音のぎらつきがよい具合に抑えられ、中音域が過不足ないボリューム感へ変化したではありませんか。
 音のキャラは立ちつつも聴き疲れしない音で、音量を思わず上げたくなりました。
 「このCDは録音が悪い」と感じていたギター演奏の粗い音も、落ち着いた音に聞こえる不思議。

 つまり、専用電源は「音の歪みを矯正」してくれたのですね。
 スピーカーや録音のキャラクターと思い込んで半ばあきらめていた音が、実は本来の音ではなかったことに気づいた貴重な体験でした。

 すると、あの演奏はどんな風に聞こえるんだろう、ヴォーカルは? シンセサイザーは?
 といつものパターンで、音源を聴きまくったのでした。

 工事代金は15000円程度とのこと。
 クリーン電源購入より安く済み、大満足です。

スピーカーの寿命

2013年02月02日 | オーディオ
 スピーカーを購入するとき、新品なら気にならないのですが、訳あって中古を探すとなるとウーファーエッジの劣化が気になります。
 昔のJBLなどで汎用されていた「ウレタンエッジ」は10年くらいでボロボロになると聞きます。
 しかし現在、その他にもいろいろ素材もあるようで、私の知る範囲では「セーム革エッジ」「布エッジ」「ゴムエッジ」という代物も。
 これはウレタンより劣化が少なく、ゆうに10年以上もつそうです。
 しかしウレタン→ セーム革エッジへ張り直すと音色も変わってしまうため、賛否両論がある分野らしい・・・。

 ネットで情報を集めていたら、以下のような記述を見つけました;

スピーカーの耐用年数について>(価格.com)

まさに使い方と材質で千差万別ですが、普及品なら5年から長くて20年というところでしょうか。
ユニットのエッジがウレタンのスポンジ様のものなら10年持たないでボロボロです。
布エッジに制動材(ビスコロイドなど)塗ったものも15年くらいでカチカチになってしまいます。

寿命に関しては製品がどんなものかってのもポイントになるかと思います。ソフト・天然系素材のユニットだと、金属・樹脂系素材のものよりもたないでしょうね。そう言う意味ではソナス・ミニマはシルクやセルロースを用いたユニットですから、寿命が長い方ではないでしょう。
でも、初期性能では無いとは言え、自分の好みの音楽でジックリ時間を掛けてエージング・熟成を続けてきたスピーカーは、また特性とは別の味が出てきているものです。
そうしたものはエッジやコーンがへたってきたとは言っても独特の味があります。勿論、良い素材でジックリと作られた、ある程度の高級機でないとそうした味のある変化はしませんが、世にあるマニアに愛されたビンテージ品など、実に雰囲気があります。
そう言う意味では、初期特性は維持出来なくても、また別な表情を見せてくれていると思うので、そうした面を単に劣化と捉えずポジティブに評価出来るなら、10年も20年も十分にもつことになります。

ウレタンのスポンジは皮脂や太陽光、タバコに弱いようで、これに気をつけると劣化は少なくなります。てか止まります。
個体差は有ると思いますが、意識しなかった時の物は3年で溶け(?)ましたが、禁煙してからの物は20年経っていますがどれも溶けてません。


オーディオスピーカーの寿命について>(Yahoo! 知恵袋)

使用状況やスピーカーの種類によって多少変わりますが、通常の家庭での使用の場合は概ね10年程度が目安になります。ただし、ここでいう寿命とは物理的なことを言っていて音質は含みません。
だいたい10年程度で、スピーカーユニットのエッジと言われる部分が材質の疲労と経年変化で機能を果たさなくなり、破れたり、振動板の位置を保持できなくなったりします。
メーカーによってはエッジの交換をしてくれる場合もあります。交換すればまた10年程度使用できます。
それ以外に、15年から20年経つと、ネットワークと言ってスピーカーのユニットごとに音を振り分けている回路に使われているコンデンサーという部品の寿命が来ますので、この交換が必要になります。
また、家庭用ではなくPA(コンサート用など)用として大音量で使用された場合は、それぞれの寿命が最悪半分くらいになりますし、アルニコという磁石を使ったSPの場合は、減磁といって磁石の力が弱まってしまう現象が起こります。こうなると音が小さくなってしまいます。減磁してしまった場合もメーカーで再着磁といって修理してくれる場合があります。

直射日光や極端な温度変化を与えなくても、スピーカーは劣化します。
一番劣化が激しいのがコーン周辺のエッジ部分です。
ウレタンがボロボロになってきて、徐々に音質が悪化し、最後は、もはやコーンを保持する能力を大失い、歪が一気に増大します。
(使用状況によって10年前後)
修理を頼んでエッジ交換するか、またはセーム皮などで自分で交換している人もいます。


スピーカーの寿命
≫スピーカーに良くない事って何ですか。
温度、湿度、紫外線、タバコの煙など。
高温、高湿度が悪いのは当然ですが。乾燥しすぎるのも良くありません。(程々が良いかと)
あとは定格を超えた入力ですかね・・確実に壊れます。


スピーカーの寿命>(楽天 みんなで解決)
1. スピーカーについては、特に(1)エッジなど支持系の劣化、(2)ネットワーク部品の劣化が問題になり得ます。

(1)は、特にウレタンエッジのもので顕著ですが、エッジが劣化してボロボロになってしまいます。また、そうでなくても、振動板が重力に引っ張られて、支持系の対称性を保てなくなり、音質に影響が出るとされています。環境にもよりますが、ウレタンエッジの場合、おおむね10年~20年程度で問題が出てくることが多いようです。
なお、ラバーやセーム革で補修することもできますが、物理的特性が変わってしまうので、音質も変わってしまいます。

(2)は、主にコンデンサの問題で、一般的には10年~20年程度で寿命を迎えます。すべてのコンデンサがフィルムタイプの場合にはそれほど問題がありませんが、電解コンデンサやオイルコンデンサの場合、それらの液体が蒸発してしまうので、この問題は避け難いです。


だったら新品を購入して10年で買い換えればいいじゃない、といわれそうですが・・・
あえて中古スピーカーを探す意味とは「音色のベクトル」でしょうか。
初登場の際は個性的な音色が魅力だった製品も、バージョンを重ねる毎にその色が薄まり現代的な「高解像度」を目指した音造りに向かってしまいがちです。

例えば、Sonus Faber というイタリアのスピーカーブランドがありますが、初期製品には弦楽器を鳴らしているような濃い音色で「ソロから室内楽程度の弦楽器演奏の再生は得も言われぬ魅力あり、しかしロックなどスピード感のある音は苦手」と分野に特化した性質がありました。
しかし、最近の製品は「何でもそれなりに再生できる」ベクトルへ向かい、濃い味付けは薄まってオールドファンには物足りない、という現象が起こりがちです。

というわけで、程度の良い中古を探す旅が始まるのですね(苦笑)。

参考
スピーカーエッジ張り替え修理「ゴトウ総合音響」
スピーカーエッジ張り替え(自分で)