私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

アナログレコード試聴会へ行ってきました(2017.3.4)。

2017年03月04日 | オーディオ
 地元の電気屋さんで行われた「アナログレコード試聴会」へ行ってきました。
 アナログレコードにも興味はありますが、わたしの目的は sonus faber の新しいスピーカーの視聴です。
 郵送されてきた案内には「是非お手持ちのソフトをご持参の上、ご来店ください」とありましたので、棚の奥にしまい込んでいたレコードを引っぱりだしてセレクト。
 選んでいると、そのレコードを買ったり聴いたりした頃のことが思い出されて作業がはかどりませんでした(^^;)。

 はて、最後にレコードを聴いたのはいつだろう?

 レコードプレーヤー(「ヤマハGT-1000」ほか数台)を持ってはいたのですが、自分の知識が未熟で使いこなせなかったのと、スペースの関係でCDプレーヤーやDVDプレーヤーに場所を占領されてしまい、結局出番がありませんでした。
 そしてとうとう、5年くらい前に中古を扱うオーディオショップに里子に出してしまったのです。

 さぞかし、マニアックなおじさん達が集まっているんだろうな、との予想は外れてしまいました。
 お店に到着すると、客はわたしを含めて2人だけ(^^;)。
 貸し切り状態で試聴会が始まりました。

 試聴システムは以下の通り;







アナログプレーヤー:Pear audio(日本デビューしたスロヴェニアのブランド)のRobin Hood SE
 静音を目指して作られたターンテーブルで、トルクが弱いため、人の手で回さないと回り始めないという珍しい代物。
 無駄を省いた潔い造りに拍手。

CDPBurmester 102プリアンプBrumester 035パワーアンプBrumester 036
 Brumesterはドイツのオーディオブランド。
 ドイツというと質実剛健というイメージがありますが、このブランドは柔らかい優しい音が特徴と説明されました。
 確かに、自己主張するような感じはなく、落ち着いた上品な音楽を奏でてくれました。

スピーカー:①Chameleon T、②Venere Signature
 フランコ・セルブリン氏が創設したブランドで、それまでのスピーカーの常識を壊し、楽器のように箱を鳴らして(共鳴させて)音楽を豊かに再生することを目標につくられたスピーカーの数々。
 わたしの所有する「クレモナ」は上から見るとリュートのような涙型ですが、視聴スピーカーは角張って現代的な姿をしていました。

 まずはメーカーの担当者が用意したレコードを試聴。

1.Miles Davis 「Kind of Blue」(1959年)
 最初の一枚から、驚かされました。
 音がクリアで、CDを聴いているのと変わらないのです。

 その昔、友達が買ったCDプレーヤーでCDを初めて聴いたとき、その音のクリアさに驚いたことを記憶しています。
 レコードと比較すると、霧が晴れたようなイメージ。

 しかし、目の前のシステムから聞こえてくるのは、CDと全く遜色のないサウンドです。
 情報量はCDよりアナログの方が多いから、キチンと再生すればアナログの方がいい音がする、とは聴いていましたが・・・。
 まあ、これだけのシステムを用意して、しっかりセッティングすれば、の話かな。

2.Sonny Rollins「Saxophone colossus
 Max Roach のドラムがキレッキレで小気味よく鳴っています。
 タイトで芯があって。
 肝心のサックスは悪くはないけど、もうちょっと色気が欲しいところ。

3.The Dave Brubeck Quartet「Time Out
 Paul Desmond のサックスで有名な「Take Five」をセレクト。
 それも、ソフトを①CD、②レコード(ディアゴスティーニ)、③レコード(CBSソニー)と替えて聞き比べ。
 なんと、①のCDより②のレコードの方が音がいい。一つ一つの音のキャラが立っていて、音楽が豊かに聞こえました。
 しかし、③のCBSソニー盤はいただけない。エコーがかかって曇ったような音。AVアンプの「ホール」といいうエフェクトを入れたような雰囲気でした。
 アナログレコードファンの集まりでは、盤の聞き比べというのがあるそうです。推して知るべし。

4.TOTO「
 大ヒットした「Africa」をセレクト。わたしの好きな曲でした。
 ドラムの音離れも問題なし。

5.ちあきなおみ「喝采」(1972年)
 確かわたしが小学1年生の時のレコード大賞受賞曲。
 この曲の「・・・黒い縁取りがありました」という歌詞を「黒いふち鳥」という鳥がいるんだとずっと勘違いしていました(^^;)。
 ちあきなおみ、最近人気なんだそうです。
 日本の昔の録音ですが、変にいじっている印象はなく、マジメでクセがないことに感心しました。
 担当者によると、音楽をウォークマンで聴く時代になってから「音圧競争」がはじまり、音質が低下したそうです。
 「ハイレゾ時代になって、実はアナログレコードが再評価されているんです」とのこと。

6.サンサーンス「交響曲第3番:オルガン付き」(演奏はシャルル・デュトワ指揮のモントリオール交響楽団)
 うわっ、すごい!
 オーケストラが眼前に迫ってきます。なんだかワーグナーの楽曲みたい。
 分解能も広がりも問題なし。
 思わず「ブラボー!」と叫びたくなる感じ。
 やはりソナスでオーケストラを聴かない手はないよな、とあらためて納得。

7.キース・ジャレット「ケルン・コンサート
 言わずと知れたジャズ・ピアノの名盤。
 ただ、ちょっと音が細い印象があり、あの魔術的な音色の再現が今ひとつでした。

 と、プレゼンテーションはここまで。
 あとは持参したれコートをかけてもらいました。
 なんだか古い友達に久しぶりに会ったような、嬉し恥ずかしの経験でした(^^)。

1.Duke Ellington & John Coltrane (1963年)
 お気に入りのレコードで、御大の前であのコルトレーンがかしこまって演奏している雰囲気が何ともチャーミングでたまりません(^^;)。
 エリントンのピアノも味わい深く、これもたまらない。

2.Dinah Jams(1954年)
 モノラル録音で音像が小さいのですが、張りのあるダイナの声を魅力的に再生。バックのクリフォードブラウンのトランペットも秀逸。

3.Art Famer「ART
 柔らかく美しい音が特徴のトランペッター。
 ジャズテットでバリバリ吹くアートもいいのですが、一人で渋く吹くアートが好きなんです。

 以上、一通り視聴してみて感じたのは、自分の持っているスピーカー「クレモナ」と比較すると、音が少しタイトでしたね。
 よい意味で「現代的」かな。
 まあ、わたしは色艶のある「クレモナ」の方が好みです。

 そうそう、わたしのオーディオの師匠がモニター系スピーカーからとうとうソナスに戻ったと聞きました。
 それも「elipsa」。
 流麗に音楽が広がる(広がりすぎる)スピーカーが彼の好みとは思えない・・・どう引き締めたんだろう、と興味津々。
 暖かくなったら聴かせてもらおうかな。