私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

マドンナ・論

2010年03月11日 | ポピュラー
NHK-BS「熱中夜話」で2晩連続のマドンナ特集が放映されました。
前回記したように、私は初期のアイドル時代しか知りませんでしたが、その後ドンドン変化&進化していったんですねえ。

長期に渡り人気を博するアーティストにはいくつかパターンがあると思います。
ひとつはその人物の生き方が魅力的で、彼が発する言葉が魅力的である例。
ひとつは一流のエンターテイナーで、時代を取り込みパフォーマンスで魅了する例。

マドンナは後者でしょう。
「アイドル・マドンナ」「セクシー・マドンナ」「クラブ・マドンナ」・・・どれが彼女自身?
答えは「全部」。
彼女は聴衆が求めていることを敏感に感じ取る能力に長け、それを自分の音楽で表現できる才能に恵まれているのだと思います。

大ヒット曲「ハング・アップ」の前奏では聴いたことのあるメロディーが流れました。
あれ? これってアバ(★)じゃない?
その通り。マドンナが拝み倒してアバからサンプリングの許可をもらったそうです。その経緯も番組で説明していました。
でも、すごく新鮮に聞こえるのがマドンナ・マジックなのでしょう。
★ アバ:1970~80年代に活躍したスウェーデン出身の4人グループ。「ダンシング・クイーン」は永遠の名曲です。ハーモニーが輝いていました。

マドンナは1958年生まれ。
現在50歳を過ぎていますが、あの肉体はすごい。
セクシーな柔らかさを感じさせる女体ではなく、贅肉をそぎ落とし、鍛え上げた筋肉を纏ったアスリートの体です。
40代半ばにして体を壊し、スポーツを控えざるを得ない自分と比べると驚異ですね。
頭が下がります。

初期のヒット曲「ラッキー・スター」(1983年)ではキュートな声と不思議なダンスで魅力を振りまいた彼女。
でも、その眼差しの奥にある光は「ただ者でない」オーラを放っていました。
ここまで大きな存在になるとは・・・。

ベストヒットUSA

2010年03月06日 | ポピュラー
ご存じ小林克也おじさんが流暢な英語でアメリカン・ヒットチャートを紹介する音楽番組です。

先日、久しぶり(20年振り?)に見ました。
いやあ、まだやっていたんですねえ。
小林さんは1941年生まれだそうですから、御年69歳!
お元気そうで何よりです。
さすがに昔ほど言い回しにスピード感が無く、ときに言葉が出てこないもどかしさを感じることがありますが、立派なもんです。

私が毎週食い入るようにこの番組を見たのは1980年代前半のこと。
当時、洋楽チャートの情報はこの番組しかありませんでした。
TVもない貧乏大学生でしたので、友達のアパートに押しかけて画面に釘付け。
それまで日本の歌謡曲しか知らなかった私には、プロモーション・ビデオの映像も楽曲も全てが新鮮でした。

記憶に残るアーティストについて少し書いてみます;

■ プリンス
 さわやかな曲調が多かった1980年代にダークなリズムで乗り込んできた不良少年。ちょっと不気味なメロディーが魅力的でした。「ビートに抱かれて」が大ヒットしましたが、私はその前の「1999」というレコードがお気に入りでよく聴いてました。シーラ・Eをはじめ「プリンス・ファミリー」をつくり一大勢力となってました。彼がインタビューで「肌の色ではなく、曲のクオリティで評価される時代になって欲しい」と答えていたのが印象に残っています。

■ マドンナ
 彼女はレコードよりビデオ・デビューが先という戦略をとりました(日本では少年隊が真似したようですね)。まずダンスありき、という売り方をしたアーティストです。
 初期の名曲「ラッキー・スター」「ボーダーライン」「ホリデイ」がシンプルでよかったなあ。「ライク・ア・バージン」で大ブレイクしましたが、どうも、有名になると興味が失せてしまう私です(苦笑)。

■ ホイットニー・ヒューストン
 母親のシシィ・ヒューストンはゴスペル歌手、叔母にディオンヌ・ワーウィックというサラブレッドで歌手より先にモデルでデビューした才色兼備。初めて彼女の歌を聴いたとき、その歌唱力に衝撃を受けました。
 予想通りその後ヒットを連発し、「ボディガード」で女優もこなし、今では大御所になってますね。

■ ティアーズ・フォー・フィアーズ
 「シャウト」「ルール・ザ・ワールド」など、明るく未来的な良質なポップスでした。あのワクワクするような明るさは昨今の曲にはないですねえ。

■ メン・アット・ワーク
 オーストラリアのグループで「ダウン・アンダー」という曲がヒット。低い声でモソモソ歌うんですよね。テンションは上がらないのですが、なぜか惹かれます。

まあ、上げればキリがないのでこの辺で。
3~4年はこの番組を見続けましたが、ヒットする曲のパターンが似ていることに気づいて飽きてきました。
以降、ジャズとクラシックにのめり込むことになります。この二つのジャンルに共通する特徴は「時代を超えた」支持を獲得していることです。ジャズは100年、クラシックに至っては300年以上の歴史があります。

先日見た番組でも、曲やプロモーションビデオの印象は昔とそう変わりませんでした・・・違うのはラップ系の曲が増えたことくらいかな。ラップは「韻を踏む」点では古典的な詩(ポエム)に通じるものがありますが、詩の内容よりリズムを重視して曲作りされており、メロディーに酔いたい私にはあまり訴えてきません。

手元に8枚組のCD集「ベストヒットUSA」があるので、今でも年に1回くらい聴いてます。