NHK-BSのクラシック系バラエティー番組「名曲探偵アマデウス」で取り上げられました。
レコードやCDなどで慣れ親しんだ美しい曲ですが、私はコンサートで聴いた経験がありません。
この曲はリストの超絶技巧の粋が凝縮していると説明があり、実際に演奏しているピアニストの鍵盤上の運指を捉えた映像は人間業とは思えないほど複雑でスピーディな動きをしており、ただただ驚くばかりでした。
番組ではこの曲の生い立ちを詳細に解説していました。
リストは20歳の時にパガニーニの曲にインスパイアされてこの曲を初めて作り、7年後に改訂し、20年後に再改訂しているそうです。
つまり3つのラ・カンパネラが存在することになります。
3つの違いがまことに興味深い。
1番目は曲の美しさと云うより、これ見よがしな超絶技巧で観衆をアッと言わせるために作られたような印象。天才ピアニストとして売り出し中のリストの若気の至りでしょうか。
2番目は短くなり派手さはなくなり方向性が曲の熟成に向かった印象。
そして3番目は、曲の美しさが際立つ名曲となりました。聴いていても超絶技巧のイメージが沸きにくく「見えないけどすごい」という一流のプロの仕事に仕上がっています。
また、2と3は同じ音を違う記号で指示する「異名同音(※)」という微妙なニュアンスを要求する技が使われています。
例えば「ミの♭」と「レの♯」。
この二つは同じ鍵盤を意味します。
しかし、「ミの♭」は半音下がる柔らかい雰囲気、「レの♯」は半音上がるキレのある雰囲気を演奏者に感じさせるそうです。
リストは3番目の曲を作成した頃から、ピアニストを脱皮し作曲家として歩み始めたとのこと。
天才ピアニストとしてもてはやされてもそれは一時。
ならば後世まで伝わる名曲を残そう、と。
完璧さの先にある自然な美しさをまとった希有な名曲です。
レベルも分野も違いますが、スティーリー・ダンのポリシーと共通するものがありますね。
※ 「異名同音」という言葉を聞いて、私は漢方薬の「異病同治」を思い出しました。
違う病名でも病態が同じなら同じ漢方薬を使うという意味です。
レコードやCDなどで慣れ親しんだ美しい曲ですが、私はコンサートで聴いた経験がありません。
この曲はリストの超絶技巧の粋が凝縮していると説明があり、実際に演奏しているピアニストの鍵盤上の運指を捉えた映像は人間業とは思えないほど複雑でスピーディな動きをしており、ただただ驚くばかりでした。
番組ではこの曲の生い立ちを詳細に解説していました。
リストは20歳の時にパガニーニの曲にインスパイアされてこの曲を初めて作り、7年後に改訂し、20年後に再改訂しているそうです。
つまり3つのラ・カンパネラが存在することになります。
3つの違いがまことに興味深い。
1番目は曲の美しさと云うより、これ見よがしな超絶技巧で観衆をアッと言わせるために作られたような印象。天才ピアニストとして売り出し中のリストの若気の至りでしょうか。
2番目は短くなり派手さはなくなり方向性が曲の熟成に向かった印象。
そして3番目は、曲の美しさが際立つ名曲となりました。聴いていても超絶技巧のイメージが沸きにくく「見えないけどすごい」という一流のプロの仕事に仕上がっています。
また、2と3は同じ音を違う記号で指示する「異名同音(※)」という微妙なニュアンスを要求する技が使われています。
例えば「ミの♭」と「レの♯」。
この二つは同じ鍵盤を意味します。
しかし、「ミの♭」は半音下がる柔らかい雰囲気、「レの♯」は半音上がるキレのある雰囲気を演奏者に感じさせるそうです。
リストは3番目の曲を作成した頃から、ピアニストを脱皮し作曲家として歩み始めたとのこと。
天才ピアニストとしてもてはやされてもそれは一時。
ならば後世まで伝わる名曲を残そう、と。
完璧さの先にある自然な美しさをまとった希有な名曲です。
レベルも分野も違いますが、スティーリー・ダンのポリシーと共通するものがありますね。
※ 「異名同音」という言葉を聞いて、私は漢方薬の「異病同治」を思い出しました。
違う病名でも病態が同じなら同じ漢方薬を使うという意味です。