私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

MP3で聴く「ロッド・スチュワート」

2015年02月06日 |  My Favorite Artist
 以前も取りあげたロッド・スチュワート。ちょうど1年前ですね。

洋楽主義「ロッド・スチュワート」(2014.2.4)

 先日、彼のMP3CDを入手し、車の中で聴いています。
 魅力的な声で歌う、スタンダードナンバー・・・。

 う~ん、思った程よくないなあ。
 なぜだろう?

 歌い回し方が気になります。
 ロッドは原曲に忠実にメロディーに歌詞を載せていくタイプですが、載せ方・言い回しがねちっこい(?)のですね。
 期待していただけに、ちょっと残念です。

 元シャネルズの鈴木雅之さんが某番組で言ってました。
 「一流のシンガーとは、どんな曲を歌ってもオリジナル曲のように聞こえる能力を持つ人である」
 その視点でロッドを聴くと、まだ“我が物”としていない印象がなきにしもあらず。

MP3で聴くハンク・ジョーンズ

2014年05月24日 |  My Favorite Artist
ハンク・ジョーンズ(1918~2010)は私好みのいぶし銀ジャズ・ピアニスト。
ジョン・コルトレーンのグループのドラマーであるエルビン・ジョーンズ、それからトランペッターのサド・ジョーンズは兄弟です。

キャリアの前半は知る人ぞ知る名バイプレーヤーで、彼の参加したアルバムは600枚にのぼるそうです(リーダー作は60枚)。さまざまなミュージシャンと競演する中で信頼される大きな存在となっていきました。
ケネディ大統領の誕生パーティーでマリリン・モンローが歌った「ハッピー・バースデイ」の伴奏はハンクだったそうです。
そして1976年、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスと組んだ「グレート・ジャズ・トリオ」でブレイクしました。奇をてらったものではなく、王道を行くスタンダード演奏の魅力を再認識させてくれました。
私は学生時代の1984年にこのアルバムをジャズを聴かせる居酒屋で初めて耳にして気に入りLPを購入したことを記憶しています。
前後して、学生時代を過ごした青森県にハンク・ジョーンズ(p)、レイ・ブラウン(b)、?(ds)、フランク・ウェス(fl)というカルテットが来て聞きに行ったこともありました。確かその夜は、レイ・ブラウンの60歳の誕生日だったはず。

さて、ロシア製のMP3CDにハンクのシリーズを見つけて購入。
MP3なので、1枚にもとのCD(LP?)が7~8枚収録されたものが、8枚もあります。
そのジャケットがすごい!



なんなんだこれは?
まるで怪しいマジシャンですね(笑)。

しかし、中の音楽は素晴らしい。
クラシック&エレガント!
日本語で言うと「典雅」な表現、でしょうか。
尖ったところはありませんが、ジャズ・スピリットに満ちあふれています。
もう、BGMに最適。

近年人気のある一連のVernus盤のふぬけたイージーリスニング路線とは格が違いますね。

洋楽主義「ロッド・スチュワート」

2014年02月04日 |  My Favorite Artist
 WOWOWの「洋楽主義」という番組は、一人のアーティストの人生・歴史を掘り下げる興味深い番組です。
 「聴いたことがあるなあ」程度のアーティストが、この番組を見るとグッと身近な存在になります。
 今までもデヴィット・ボウイ、クィーン、ピンク・フロイドなどを見ましたが、その度に認識を新たにしました。
 
 今回はロッド・スチュワート。
 「今夜決めよう」「アイム・セクシー」で有名なロック・スターではありますが、私にとっては昔聞いた「Sailing」のソウルフルな歌い回しが印象に残っています。
 あの路線でアルバムを作れば売れるのになあ・・・などと思っていたら、ホントに作ってました(苦笑)。

 番組では、ロック・スターとしての始まりから、テクノ・ポップ時代の不遇、そして2000年代に路線を変更し、そのソウルフルな歌声を前面に出してアメリカの名曲をカバーして甦り、今は枯淡の境地(?)。

 1993年にブライアン・アダムス、スティングと共にレコーディングした映画『三銃士』の主題歌「オール・フォー・ラヴ」が全米で3週連続1位を記録したことも記憶に残っています。
 皆私のお気に入りのアーティストですが、ブライアン・アダムスの声が聴きたくて購入したCD、聴いてみるとロッド・スチュワートの声がダントツに魅力的であることを再発見したのでした。
 でも、みんなうらやましくなるほどカッコ良く年を取っているなあ・・・。

大滝詠一氏の訃報

2014年01月02日 |  My Favorite Artist
 大瀧詠一氏の訃報が報道され、唖然としました。
 まだそんな年では・・・65歳と若い。
 死因は解離性大動脈瘤とのこと。

 大学生時代にカセットテープがすり切れるほど聞き込んだお気に入りのアーティストでした。
 底抜けに明るいナイアガラサウンドは、他の歌手に提供した楽曲を聴いてもすぐに大瀧氏の作品とわかりました。
 例えば、小林旭の「熱き心に」、森進一の「冬のリヴィエラ」、松田聖子の「風立ちぬ」等々・・・ね、聴いてみるとみな同じサウンド・カラーでしょ。

 代表作の「A LONG VACATION」は誰しも認める日本のポップス史に残る名作です。


 ■ 君は天然色
 ■ Velvet Motel
 ■ カナリア諸島にて
 ■ Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語
 ■ 我が心のピンボール
 ■ 雨のウェンズデイ
 ■ スピーチ・バルーン
 ■ 恋するカレン
 ■ FUN×4
 ■ さらばシベリア鉄道

 一曲一曲に私自身の思い出が重なります。
 好きな女の子に既に彼がいることが判明して・・・「恋するカレン」を涙しながら聴いたこともあったっけ。
 その後付き合った彼女とのドライブでウキウキしながら聴いた「君は天然色」。
 みんな良き思い出です。

 セカンドアルバムの「EACH TIME」は期待が大きすぎてちょっと肩すかしを食らった気分でした。でも「Bachelor Girl」「銀色のジェット」は良かったなあ。
 インストを織り交ぜた「B-EACH TIME L-ONG」というアルバムも愛聴しました。「A LONG VACATION」「EACH TIME」などのアルバムと『NIAGARA SONGBOOK』というインストアルバムをドッキングさせた作品で、夏のドライブにピッタリなのです(今は廃盤でプレミアム化しているらしい)。

 他には「A面で恋をして」もお気に入り。
 少し間を置いて「幸せな結末」という曲もドラマの主題歌としてヒットしました。
 幸せな結末・・・ハッピーエンドは彼が昔属していたグループの名前でもあります。

 それから記憶に強く残っているのは、山下達郎のサウンドストリートというラジオ番組に毎年1月(1984年が最初?)に出演する「新春放談」。漫才のようなやり取りの中にマニアックな音楽話がちりばめられていました。

 彼の死と共に、私の青春も封印されてしまったような、寂しさがこみ上げてきます。
 大瀧さん、素敵な音楽をありがとう。
 リアルタイムで聴くことができた私は幸せでした。

 合掌。

「秋の気配」(オフコース)

2013年11月09日 |  My Favorite Artist
 秋になると聴きたくなるNo.1がオフコースの「秋の気配」です。
 まだ小田さんと鈴木さんの二人のデュオだった1970年代の曲ですね。

 歌詞の一部を抜粋します;

 こんなことは今までなかった
 ぼくがあなたから 離れていく
 ぼくがあなたから 離れていく

 嘘でもいいから 微笑むふりをして

 ぼくの精一杯の優しさを あなたが受け止めるはずもない

 こんなことは今までなかった
 別れの言葉を 探している
 別れの言葉を 探している


「秋の気配」(1977年ライブ音源)

 オフコースの歌詞は少々女々しい傾向がありますが、青春期の心の揺らぎを見事に切り取っていると思います。
 相手に恋い焦がれる片思いの時期を過ぎ、恋が成就すると今度は失う不安にさいなまれ、気がつくと自分の心が相手から離れつつあることに愕然とし、でもどうすることもできない悩ましさ・・・この曲を聴く度に大学生時代が甦り、心が疼くのでした。

 それから「ワインの匂い」もお気に入り。
 歌詞を抜粋します;

 初めて二人で歩いた日に
 あなたは囁いた
 目を閉じたまま

 わたしはもう誰も好きに なることはない 今は
 ありがとう あなたはいい人
 もっと早く会えたら

 あの雨の日傘の中で 大きくぼくがついた
 ため息はあの人に 聞こえたかしら




 アルバム「ワインの匂い」の1曲目は「雨の降る日に」という短い曲。
 当時の四畳半フォークとは一線を画す、不思議な透明感がありますね。
 聴く度に1970年代にタイムスリップしてしまいます。

 人はみな誰でも
 流れる時の中で
 いくつもの別れに涙する
 だけどあなたはひとり

 赤いパラソルには
 あなたが似合う
 雨の降る日は
 いつでも
 時は遡る

 あなたが好きだから
 静かな夜は
 電話の音に
 今でも
 ときめいてしまう

 優しさが足りない
 心が見えない

 季節外れの寒さが
 この胸にしみる


 雨の日に赤いパラソルを見かけると、ついこの曲を思い出してしまいます。
 あと、マイナーかもしれないけれど「去っていった友へ-T氏に捧げる-」も好きです。

 あなたが心を閉ざして
 この街を離れてから
 やがてまた冬

 すべてを 許しあえた日々も
 時は降り積み
 今にも
 埋もれてしまう

 あの日の
 あなたの涙
 忘れはしない

 だから・・・


 ちょっとペシミスティックだけど「ひとりで生きてゆければ」もよく聴きました。

 ありふれた幸せに
 背を向けていく 勇気が欲しい
 声を張り上げ 泣いてみるのもいいさ
 この街を今 歩いて

 やがて友は 消えていくだろう
 あの日の語らいも 白けて見える

 一人このまま
 生きていくなら
 色あせていく この青春に
 しがみついては ゆかないだろう
 一人で生きてゆければ

 ありふれた幸せに
 背を向けていく 勇気が欲しい
 声を張り上げ 泣いてみるのもいいさ
 この街を今 離れて

 立ち止まる このひとときも
 友はまた一人 消えていくだろう


 その後、5人体制となりダイナミックな曲作りに変化し売れ線を目指した新生オフコース。
 「さよなら」がブレイクしてビッグ・グループの仲間入りを果たしました。
 この曲がヒットしたのは高校生の時。
 大学受験を控えた私は、遠くの大学への進学を考えていました。
 付き合っていた彼女は地元に就職予定。
 目の前に広がる未来への期待と、二人が離ればなれになるかもしれない不安が交錯した心に、この曲の歌詞がピシピシしみ込んできたのでした。

 もう 終わりだね
 君が小さく見える
 ぼくは思わず君を 抱きしめたくなる

 私は泣かないから 
 このまま一人にして

 君の頬を涙が 流れては落ちる

 ・・・

 ぼくが照れるから
 誰も見ていない道を
 寄り添い歩ける寒い日が
 君は好きだった  

 さよなら さよなら さよなら
 もうすぐ外は白い冬
 愛したのは確かに君だけ
 そのままの君だけ

 外は今日も雨
 やがて雪になって
 僕らの心の中に 降り積もるだろう


 でも、ふと聴きたくなるのは、なぜか古い古い曲なのです。

 「愛の歌
 
 過ぎゆくは若き日々
 いくつかの愛も消えて

 いつまでも変わらない
 心でいたい
 時の流れはいつも
 悲しいもの

 ありふれた言葉を
 並べてみても
 
 あなたへのあふれる
 愛は伝えられない

 泣き濡れてただ一人
 寂しい黄昏には

 恋人よ 振り向けば
 優しい思い出を あげよう

 永遠の命も名誉も要らない
 あなたに会えたこと
 それだけでいい

 歩き慣れた道を
 今 ひとりで行けば

 巡り来る季節にも
 懐かしい匂いがして

 震えてたあなたの
 ぬくもりさえ 甦る この手に

 泣き濡れて ただ一人
 寂しい黄昏には
 恋人よ 振り向けば
 優しい 思い出を あげよう


 しかし今あらためてこうして書いてみると、オフコースの昔の歌詞は「若年寄」的であることに気づきました(笑)。
 他にも昔の曲をYoutubeで見つけました:
「眠れぬ夜」(1977年ライブ音源)
★ 「水曜日の午後」(1974年ライブ音源)
「でももう花はいらない」(1973年ライブ音源)
★ 「夏の終わり