CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

オリンピックを考える(8)

2024-08-05 09:33:38 | スポーツ
 今年の大会も女子のメダルは57kg級までで、70kg級と70kg超級の女子は圧倒的にフランスが有利でした。加えて最重量級の素根選手が怪我で参加できず、男子の頑張りに期待するしかない状況で、阿部一二三選手の敗戦が痛かった。ここまでも階級上位の選手と戦い勝ち続けた阿部一二三が今大会で始めて負けてしまったのです。

 世間の目は圧倒的にゴールデンスコア方式の代表戦の抽選に集まっているようですが、そもそもは阿部一二三が負けた時点で決着はついていたのです。問題は抽選の方法ではなく、ほとんど注目されていませんが第5試合となった男子73kg級の延長での指導を巡る問題です。ここまでは女子最軽量の角田が、70kg級でも高山が勝利し、先に3勝で王手の状況。日本人なら誰しも阿部一二三が勝利し日本が金メダル獲得するものと思って観ていたでしょう。
 対戦したこのクラスの銀メダリストのガバ。阿部が奮闘を見せ9分を越える戦いの中でカバの指導が2枚のままだったことです。攻める阿部、守るガバ、誰が見てもガバに3枚目の指導が来てもおかしくない状況だったのです。最後はガバの引きからの肩車の前に屈してしまいました。これは審判団の開催国への忖度と思われても仕方がないものでした。

 審判の気持ちとしては技ありか1本で決着して欲しいというのは分かります。柔道の前半は明らかにこの傾向が見受けられました。ここでガバに3枚目の指導を出せば、日本の勝利で開催国フランスの負けとなり、その影響は計り知れません。そんなプレッシャーが審判団にもあったことは確かでしょう。ただ、66kg級の阿部と73kg級の銀メダリストのガバがゴールデンスコア方式の延長戦を5分以上戦えば、阿部にとって明らかに不利な状況なのは明らかです。このまま続けていればいずれ決着がつくと考えていたのでしょうが、これは明らかにアンフェアです。ただ、それが人の判断であり、人間らしさでもあるのです。今、様々な誤審がSNS上で盛り上がっているようですが、それではAIの判定なら公平になるのかを考えてみて下さい。
 今回のオリンピックでは主審と副審の他にVARの確認作業をする補助員が3名もいると聞いています。サッカーもそうですが、このVAR問題を何とかしないとスポーツがどんどんつまらないものになってしまうような気がしています。
 誤審は問題ですが、審判が人間である以上避けられないものと考えるべきではないでしょうか?大事なのは誤審を認め、その後をどうするかでしょう。今回の柔道の永山選手の場合は審判の誤審だったと認めています。なら、再試合をしなければいけません。それを、様々な理屈をつけて避けようとするから問題が大きくなるのです。その結果が本来あってはいけない団体の抽選方法への不信にも繋がってしまっているのではないでしょうか?こちらは明らかに機械が判定しているので、阿部一二三の試合とは全く違う話なのです。詰まるところは人に対する信頼なのです。今回の柔道は主審・副審以外のVARの判断に重きを置き過ぎた結果、人間の審判の判断を狂わせることになっていたのが残念でした。
 

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オリンピックを考える(7) | トップ | パリで輝いたエヴェネプール... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mac68615)
2024-08-05 09:50:54
人間に寄り掛かった審判である以上は、こういう不具合は予測の範疇ですね。記事を読んで納得です。フィギュアスケートや飛び込み、スキーのジャンプなどで人の判断を補正する歴史はあったと思うので、スポーツが生き残るための道筋が将来示されることを望みます。
返信する

コメントを投稿

スポーツ」カテゴリの最新記事