スポレートから標高1450mでカテゴリー1級のプラティ・ディ・ティーヴォ頂上までの152kmのジロ第8ステージはスタート直後からのアタック合戦から、カテゴリーのない最初の登りで14人が逃げ出す事に成功しました。その中にはEFエデュケーション・イージーポストのシュタインハウザーもいて、cannondaleのバイクの露出度が高いステージになりました。
ゲオルグ・シュタインハウザーはプロ3年目の23歳という若手でグランツールは初出場ですが、今年ポガチャルが圧勝したボルタ・ア・カタルーニャの第7ステージでも逃げを見せていた選手で、今後の活躍に期待しています。中間スプリントやインテル・ジロを狙いに行く積極的な走りを見せてくれました。
ただ、人数の多い逃げ集団はコンセンサスに欠け、大きなタイムをプロトンから獲得することができませんでした。一方の集団ではUAEが先頭でプロトンを先導。この日のUAEは前を平坦系の選手たちが、間に他チームの選手を挟んでマイカ等の山岳アシスト勢はやや後ろ目の位置取り。
前日のTTの登りで体重83kgのガンナと同じ出力を出したといわれる66kgのポガチャル。2位とのタイム差も大きく開いたので、今日は大人の走りで最後の最後までアタックを見せず、相手の動きに確実に反応しながら、最後の1級山岳プラティ・ディ・ティーヴォのゴール前で再度上がって来たマイカを発射台にしてゴールスプリントを決め前日に続き3勝目を挙げてしまったのです。ポガチャルのこんな省エネ勝利は初めて見ました。
レース後に「僕とミッケル・ビョーグ以外は昨日、身体を少し休めることができたからチーム全体として調子が良かった。だからステージ序盤からプロトン先頭でペースを作った。ステージ優勝を狙うかどうかはチームメイトの走り次第で、僕の調子が良かったこともあり、この素晴らしい勝利に繋がった」とチームメイトの健闘を称えていました。
初日は早仕掛けからスプリント勝負で負けたポガチャルですが、確実に勝利が見込めそうなタイム差で登りに入り、ポガチャルがいつアタックするのかという展開でゴール前までじっと我慢しての勝利は新しいポガチャルを予感させるものでした。今年はWツールを狙える最大のチャンスなのが分かっていて、あえて抑えめに走っているような気がします。
初参戦のジロの最初の1週目で3勝と圧倒的な強さを見せているポガチャルですが、最初にツール・ド・フランスを勝った時の勢いのようなものは感じられないものの、安定感が増しているようです。勢いだけでは長いグランツールは勝ちきれないと身をもって知った結果なのでしょうか?
この日のゴール前も1198Wという驚異的な出力を見せたポガチャル。調子が悪く無いことは数値からも明らかで、今後は2位・3位争いと、ポガチャルが今回のジロで何勝を挙げるのかに移りつつあるようです。明日は前半最後のステージですが、200kmを越える長丁場で逃げが決まりそうな気がしています。
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