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BB(ボトムブラケット)考(4)

2015-11-03 09:06:13 | ロードバイクの科学

 とはいえ、世の中に『BB30』という規格が出回り、かつ、自分の大好きなメーカーがその規格を採用している以上、『BB30』とは長い付き合いになりそうなのです。というのも、cannondaleは今年CAAD10の進化形としてCAAD12という実に魅力的なアルミロードを発表したからです。最初のcannondaleが今のCAAD10ですから、購入できれば2台目のcannondale製品になる訳です。最初にCAAD12を見た時に感じた不安は52×36というクランクでした。これまでは50×34のクランクしか使ったことがありませから、登りでインナー36Tには不安がありました。そこで、ULTEGRAのフレーム組も考えたのですが、インナー36TまではPCD(ナット座ピッチ直径)が110mmで、コンパクトクランクではある訳で、そんなに気にすることはないかと今は考えています。
 お恥ずかしい話しなのですが、その時になってCAAD12のBBが『BB30A』に変わっていることに初めて気付いたのです。『BB30A』の『A』って何・・?という訳で早速調べました。『BB30A』の『A』は"asynmetric"(非対称)の頭文字でした。『BB30A』とは、簡単に言うと、「73mm幅のBB30」のことのようです。ギアの無い左側が右側より5mm長くなっています。元々MTBのBBは73mmでしたから、決して新しいものではありませんが、ロードでは2014年の新型Synapseで初めて使用されたものです。
 『BB30A』で広がったのはハンガー幅のみで、クランクのスピンドル長やQファクターは『BB30』と同じだそうです。メーカー曰く「具体的な変更箇所はアンクルクリアランス」で、「従来のホログラムクランクでは、アンクルクリアランスが駆動側で10mm、反駆動側で15mmだったんですが、それを両側10mmにした」とのことです。さらに、メーカーでは「BB幅を広げることによって、リアトライアングルの横剛性を上げることができました」(CYCLE SPORTS)と云っているようですが、Synapseはともかく、重量を犠牲にしてSUPERSIX EVOにまで採用した意図が見えてきません。
 個人的には『BB30』の信頼性の向上を狙ったものではないかと推測しています。そもそも『BB30』はスピンドル径を大きくすることで軽量化と剛性の向上を狙って開発された規格です。ただ、このBBを68mmのシェル幅に収めようとしたところに多少の無理があったのかもしれないのです。実際に近年、GIANTは86.5mmのシェルをTREKに至っては90.5mmのシェルを採用しているのですから。
 軽量化に強い拘りを持つcannondaleが重量を犠牲にしてシェル幅を5mm広げたことは大きな英断だったと思っています。元々はMTBで使われていたものなので『BB30-70A』の信頼性は高いと思っています。あくまでも個人的な見解ですが、プレスフィット(圧入式)BBはスレッド式BBに比べ、高付加をかけた際にシェル内で動く可能性が高くなるのではないか。というのも、実際にBBからの異音は通常のペダリング時より、負荷をかけたダンシング時に出やすいからです。さらに、この現象はシェル幅が狭いほど高くなるのではないかということです。シェル幅があり、スピンドル長がある方が内部の圧力が分散されるので、BBがシェルの内部で動く可能性は低くなるような気がする訳です。
 また、『BB30 異音』の検索結果をネット上で調べてみると、雨の中を走ったことによるベアリングの浸水や汚れ、破損等を疑っている記事を多く見かけます。そこで、自分でグリスアップしている方が多いようですが、結局、グリスアップしても改善しないというケースです。おそらく、『BB30 異音』の原因がそこだけにある訳ではないからだと思います。人気の高いCAAD10ですが、『BB30 異音』を気にされている方も多いようですが、そんな方に耳寄りな情報があります。
 cannondaleのバイクをこよなく愛し、おそらくcannondaleのバイクに一番長く乗っているであろうKAZUさんこと山本和弘さんに実際にお聞きした話ですが、高圧洗浄機を使って洗車したくらいでは『BB30』であっても浸水の心配はないそうです。本人は「洗車が大好き」とおっしゃっていた程です。実際に昨年までSUPERSIX EVOでJプロツアーを走っていた方の言葉ですから信用してください。 逆に「雨の日もどんどん乗ってください」とまで言われてしまいました。
 まあ、それでも不安のある方はシマノのクランク用にFSAからアダプターも販売されているので、使うのもひとつの手ではあると思います。但し、アダプターもスレッド(ネジ切り)式でなければ、異音の原因になることもあるのですが・・ただ、個人的にはcannondaleのホログラムクランクに魅力を感じていますので、CAAD12はULTEGRA完成車でと考えている今日この頃です。
 いずれにせよ、プレスフィット式のBBを使用しているのであれば、信頼できるショップを選ぶことが大切だと思っています。『BB30』が『BB30A』になってもプレスフィットBBであることには変わりがないので、BBの組み付けに不具合があると間違いなく異音の原因になります。勿論、数は少ないと思いますが完成車の初期不良というケースもあるでしょう。その際、『BB30』に関する正確な知識と技術のないショップでは十分な対応が期待できないと思うからです。
 規格が乱立して悩みは尽きないのですが、まずBBでバイクを選ぶという方は少ないと思います。BBに限らずバイクメーカーにはそれぞれ一長一短がある訳ですから、最後は自分の好みで選ぶことになるのではないでしょうか?確かにスレッド式に回帰したPINARELLOの方向性は正しいと思いますが、私の場合はやはり高性能の軽さに魅力を感じていますので、ネクスト・ロードもまたcannondaleになると思います。

 

 

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