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ロードバイクと体感温度

2015-10-21 12:18:55 | ロードバイクの科学

 ロードバイクに乗っていると、夏場は快適なのに、秋が深まるにつれ寒さが身に沁みるようになります。走り出す前は暖かく感じていても、いざ走り出すと寒さを感じてしまうことが少なくありません。これは風を切ることで体感温度が下がる為です。高速で走るロードバイクの場合、外気温と体感温度の差が意外と大きくなるのです。
 そのくらいは知っていると思われる方でも、実際に走っている時の体感温度がどのくらいになるのかということを意識されている方は少ないのではないでしょうか?防寒対策をするにしても、メーカーでは外気温表示がほとんどです。例えば「気温15度までなら○○」「気温5~10度なら○○」といった具合です。実際には下記で説明するように、走行速度によって体感温度が変わることになりますから、自分の走行速度も加味して選ぶ必要が出てくるのです。
 一般的には『風速1mに付き1度冷たく感じる』といわれています。実際には気温や湿度で変わるので、ミスナール(Missenard)の計算式というものを使って計算するのだそうですが、複雑になるので、ここではざっくりと『風速1mに付き1度下がる』という前提で見てゆくことにします。
 例えば全くの無風状態の中をロードバイクで時速30kmで走行するとすると、30,000(m)÷3,600(s)=8.333..(m/s)となり、風速8mほどの風を受ける計算になります。つまり、体感温度は外気温より8度も低くなる計算です。
 つまり、夏場の30度を越える気温でも、走り始めれば体感温度は20度前半となり、快適に感じるというわけです。一方、気温が20度を下回るとどうでしょう。気温20度でも、走行時には12度、10度だとわずか2度ということにってしまうのです。
 これが下り坂で時速50kmだと、50,000(m)÷3,600(s)=13.888..(m/s)で14度近くも体感温度が下がることになるのです。気温が10度だと、体感温度は氷点下ということになってしまうのです。これは寒いわけです。
 これは、風がなければ身体の周りに体温で暖められた空気の層ができ、空気の断熱効果で寒さが緩和されるのですが、風が吹くとこの空気の層が吹き飛ばされ、体温が奪われて行くためです。このことから、防寒対策は保温だけではダメで、防風対策も併せて考えなければいけないことがお分かりいただけると思います。比較的温暖な時期だと、ウインドジャケットやベスト程度の防風対策が寒さも防いでくれることもあるわけです。

  ただ、気温が20度を下回るようになると、体感温度は10度近くにまで下がりますから、防風対策だけでは足りなくなります。保温性のあるインナーをプラスするか、長袖ジャージにウインドジャケットという組み合わせが必要になるでしょう。気温が15度以下になるとインナー+長袖ジャージ+ウインドジャケット、10度を下回るようなら完全に防寒ジャケットが必要になります。
 一般的に体感温度が5度を下回ると、寒さを不快に感じるようになるそうです。体感温度から逆算すると、時速30kmで走る人なら気温12度、時速20kmで走る人でも気温が10度を下回ると寒さを不快と感じるようになるのです。
 これはあくまで机上の計算です。ロードバイクで走ることは運動ですから、心拍数を上げれば身体は温まります。気温が低くても坂を登れば汗ばんでくるのが普通です。これは運動強度が高くなり体温が上昇することに加え、登りで速度が落ちて風を切ることが少なくなる為です。また、風があればその分体感温度も下がることになるのです。
 個人的には風の影響なども考えて『外気温より5度~10度低めの防寒対策』を心掛けています。特に気温が15度を下回るようになると、耳を覆うためにスカルキャップやつま先の防寒対策としてのシューズカバー、指先の防寒対策としてフルフィンガー・グローブもしっかり準備するようにしています。
 防寒ジャケットは気温10度を下回る状況では必要ですが、暑くなった時に困るので、極力インナー+長袖ジャージ+ウインドジャケットという3点セットで対応するようにしています。特にポケッタブルのウインドジャケットは必携です。登りで脱いで、下りで着ることが簡単にできるので、大変便利です。
 


 
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