次に『BB30』と『ホローテック2』がどのように違うのかを見て行きましょう。『BB30』はCANNONDALEが2000年に初めて製品化した規格で、ボトムブラケットシェルを大型化して、カートリッジベアリングを圧入し、BBシャフト(アクスル)を直径30mmにすることが名前の由来です。対して『ホローテック2』は中空クランク(ホローテック)と外部ボトムブラケットの組合せ方式に名づけたシマノの『製品名』です(BBの規格名ではありません)。規格はBBシャフトは直径24mmで軸受部の長さは75.5mmです。クランクとシャフトが一体化したインテグラル方式とBBユニットをBBの外側に配置したのが特徴です。ちなみに『ホローテック』とは中空クランクのことで、同じシマノのインテグラルBBでも中空クランクでないSORAやTIAGRAのクランクは『2ピースクランク』と呼ばれ区別されてます。BBの規格としては同じなのですが・・
同様のインテグラルタイプとしてカンパニョーロの『ウルトラトルク』と『パワートルク』がありますが、BBシャフト径は25mmでクランクシャフトはシェルの中央で接合する構造になっています。このようにコンポメーカーの大手であるシマノとカンパは独自の規格を採用していますが、FSAやROTORのようにシャフト径が24mmのものと30mmのものを用意しているメーカーもあります。30mmのものは勿論BB30用です。
つまり、cannondaleが開発した大口径の30mm、主にシマノが使用する24mm、カンパの25mmといったようにクランクシャフトの直径が異なるのがBB規格乱立の始まりだったのですが、近年はメーカーが独自のシェル幅のフレームを販売し始めたことで、さらに『BB86』、『BB386』、『BB90』、『BBright』、『BB65』といったように規格の乱立に至っている訳です。ちなみに、BB86はGIANT、BB90はTREK、BBrightはCervelo、BB65はLOOKの独自規格です。
BB386はFSAによって提案された規格で、30mmアクスルのクランク(BB30用)を使用しながら、シェル幅を86mmに拡大したものです。BB86はベアリング外径は41mmですが、内径は24mmなので24mm径のシマノのクランクがそのまま使えるのが特徴です。これはカーボン技術の進歩でフレームの多様化が進んだ結果なのでしょうが、ここまで来ると行き過ぎだと思います。
一方でこの行き過ぎ感を是正する動きも見られます。PINARELLOは2015年モデルからプレスフィット(圧入)ではなく従来のイタリアン・スレッドのBBを採用しているのです。スレッドタイプを採用し続ける理由について、PINARELLOは「古典的なスレッドBBのほうがメンテナンス性、耐久性、精度の面で優れているため。新素材の採用&新設計によって、従来のスレッド規格でもフレーム剛性が確保できたことも理由の一つ」(CYCLE SPORTS)とのことです。
そもそも、最初にcannondaleがBB30を開発したのは、フレームの軽量化と剛性を高めるためにチューブを薄く太くするためでした。素材がアルミからカーボン主流になっている今、PINARELLOの主張はもっともという気がするのは私だけではないでしょう。
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