大同マルタ会

大同マルタ会の方々が自由にこのブログに集い、会員の思いや写真などを思い存分に披露できる開かれた広場にしたい。

子供の頃は何でも大きく見えた

2014年02月09日 | エッセイ

私の故郷で昨日大雪が降った。まだ降り続いているらしい。

70数年ぶりの大雪で45センチほど積もったそうだ。

子供の頃こんな雪はしょっちゅう降っていたような気がする。

ところが実際は降ってはいないのだ。子供の頃は何でも大きく見えた。

家の前の通りも、家の庭も、小学校の校庭も、家の座敷も皆広く大きく見えた。

雪が降ったら物置から橇(そり)を出してきて近くの崖に行き橇滑りをした。

その崖も大きく急で高く聳え立っていた。足がすくむほどだった。

校舎の裏に雪を集めてその上に水を撒いて即製のスケートリンクを造った。

それすらも大きな広いリンクだった様に思えた。そんな筈無いのに。

今はそれを確かめようもない。家はとうに無くなり駐車場になっている。

家の前の道はバスがすれ違いが苦労するほど狭い道だった。

崖は崩されて宅地に造成された。小学校は解体されて高等学校に建て替えられた。

それらは皆何となく小さいジオラマの様だ。

今度の大雪で全部埋っているのだろうか。まさか?

近江の里も10センチほど雪が積もった。

炬燵の中で、帰り住むことのない故郷のことをひとり思っていた。

 

                      座敷童子でした