「漂流外国物語」第四ページ、上の五~六行目
解読 伊豆国大安治良浦を心掛ケ航参り候処、同廿五日朝五ツ時頃
漸々同浦へ入津いたし帆洗濯并作事有増出来候(所)
読み 伊豆の国大安治良浦を心懸け、走り参り候処、同廿五日朝五つ時頃
漸う同浦へ入津致し、帆洗濯並びに作事あらまし出来候(所)
説明 「伊豆国」・・・現在の静岡県伊豆半島の全部。 「大安治良浦」・・・『おおあじろうら』。独断による推定ですが、熱海の南の網代温泉の地名と推定します。 「を心掛け」・・・を目標にして。「を」が難しい。 「航」・・・本文は「舟扁に風」と書いていますが、このパソコンには入っていませんので「航」の字を宛てています。一般の辞書には載っていません。帆船が風を受けて帆走する事。 「朝」の次の字は欠けていて読めませんが、時間的には、「五つ時頃」となります。 「漸々」・・・ようよう。 「入津」・・・『にゅうしん』。入港。 「以多し」・・・いたし。 「作事」・・・普請。建物を作ったり修理する事。 「有増」・・・『あらまし』。宛て字です。大方。大体。 「出来」・・・『しゅったい』。出来上がる事。工事が終わること。