「漂流外国物語」第二十二ページ、上の三~四行目
解読 取懸り我々茂最早此度ハ所詮不相叶と存諸神
佛江心願を籠居候処、三四日目ニ風波和らぎ段(々)
読み 取り懸かり我々も最早此の度は所詮相叶わずと存じ、諸神
仏へ心願を籠め居り候処、三四日目に風波和らぎ、段(々)
説明 「取懸り」・・・「取り懸かり」。水主達は梶一本に取りかかり。「取」の崩し形に注意。 「我々茂最早」・・・「茂」は変体仮名の「も」。「最早」・・・これも形で覚える。 「所詮」・・・つまる処。結局。この字も教えて貰わないと読めません。 「不相叶と存」・・・相叶わずと存じ。叶わないと覚悟し。 「諸神仏」・・・「仏」の字がニンベンに見えないのですが、文意からすると「神仏」以外は考えられませんので、「神仏」と読んで置きます。 「心願を籠居候処」・・・助けて下さいと心からの御願いを籠めて祈って居った処。 「風波和らぎ」・・・この辺は読みやすい。 最後は「段」で、「段々」と続きます。