古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十章 乍恐奉申上返答口上覚控え 其の三十九

2014年01月31日 07時30分43秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉申上返答口上覚控え」第七頁、上の五~六行目

 

解読 の肩幸右衛門山より者、當村領分ニ而、先年

     与り支配仕来り御座候。此段乍恐被為(聞召分)

 

読み  (瀧)の肩、幸右衛門山よりは、当村領分にて、先年

     より支配つかまつり来たり御座候。此の段恐れ乍ら(聞こし召し分け)させられ、

解説 (滝の肩の所の)幸右衛門さんの山からは。 「先年与り」・・・「与」はヒラカナの「よ」。 「御座」の下の右へ留めているような横棒が「候」です。 「此段」・・・これも難しい崩しです。形で覚えるしかありません。 「乍恐」・・・恐れ乍ら。 「被為」・・・下から返って「させられ」。


第二十章 乍恐奉申上返答口上覚控え 其の三十八

2014年01月30日 07時48分58秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉申上返答口上覚控え」第七頁、上の三~四行目

 

解読 可申筈と乍恐奉存候。右申上候通り

    奥地ヶ谷瀧ヲ限り両村取合ニ而、則瀧

 

読み 申すべき筈と恐れ乍ら存じ奉り候。右申し上げ候通り

    奥地ヶ谷瀧を限り両村取り合にて、則ち瀧

 

解説 「可申筈と」…下から返って「申すべき筈と」。 「乍恐奉存候」・・・恐れ乍ら存じ奉り候。 「申上」の次は「候通り」です。 「瀧ヲ限り」・・・カタカナの「ヲ」は「乎」が元の字です。 「両村取合にて」・・・「取り合い」と読むのか、「取り合わせ」と読むのか分かりません。意味もよく分かりません。 「則」・・・すなわち。 


第二十章 乍恐奉申上返答口上覚控え 其の三十七

2014年01月29日 09時26分54秒 | 古文書の初歩

「乍恐奉申上返答口上覚控え」第七頁、上の一~二行目

解読 之奥霞ヶ谷之口と六ヶ敷ク書入候ニ者

    及不申有田領霞ヶ谷の口と書入

読み の奥、霞ヶ谷の口と難しく書き入れ候には

    及び申さず、有田領霞ヶ谷の口と書き入れ

解説 (奥地ヶ谷)の奥で、霞ヶ谷の口と。 「六ケ敷ク」・・・当て字です。「難しく」と読みます。「敷」の難しい崩し方に注意。 「書入候ニ者」・・・「書」は何度も出ますが、慣れるしかありません。 「及不申」・・・及び申さず。及ばない。 最後は再び「書入」・・・書き入れ。


第二十章 乍恐奉申上返答口上覚ひかえ其の三十六

2014年01月27日 10時03分52秒 | 古文書の初歩

 

 

 

「乍恐奉申上返答口上覚控」第六頁、上の十一~十二行目

 

 

解読 有田上村領分ニ而瀧より上ヱ霞ヶ谷内ハ 

    当村領分ニ而御座候故、右之通り書入候義

 

読み 有田上村領分にて、瀧よりうえ霞ヶ谷内は

    当村領分にて御座候故、右の通り書き入れ候義

 

解説 「有田上村」・・・「有」という字は何度見ても「有」には見えません。形で覚える典型です。 「瀧より上ヱ」・・・「上」に「ヱ」の送り仮名で、「うえ」と読みます。 「御座候故」・・・「故」の崩し方も形で覚える。 「書入」・・・前日の「書き入れ」とはたいへん書体が異なりますが、この「書」の方がよく出ます。元の書体と大きく異なる字の一つです。 最後は「候義」

    

 

 

 


第二十章 乍恐奉申上返答口上覚控え其の三十五

2014年01月26日 04時21分01秒 | 古文書の初歩

 

一月二十四日に誤って二度投稿しましたので、二十五日の分は休みます。

「乍恐奉申上返答口上覚控え」、上の九~十行目

 

解読    書入御座候由ニ付此義一ト谷之義尓

      御座候得者、瀧より下タ奥地ヶ谷内者

 

読み 書き入れ御座候由に付き、此の義一谷『ひとたに』の義に

    御座候えば、瀧より下『した』奥地が谷内は

 

解説 「書入」・・・この「書」の字は楷書に近い書き方です。たいへん珍しい。 「由に付」・・・「付」にはこの様な崩し方も有ります。 「此義」・・・これも難解です。此の事は。 「一ト谷」・・・一にトの送り仮名が有るので、「ひと谷」と読みます。 「之義尓」・・・「義」も難しい。「尓」は変体仮名で「に」。 「御座候得者」・・・御座候えば。 「下」に「タ」の送り仮名が有るので、『した』と読みます。 「奥地ヶ谷内者」・・・奥地が谷の内側は。