「漂流外国物語」第二十六頁、上の一~二行目
解読 置、橋船ハ元船へ漕戻、残り六人之者茂揚呉候様
と相尋候得共、其儘碇越巻上ケ候聲聞へ何連へ可「舟偏に風」
読み (揚げ)置き、端舟は元船へ漕ぎ戻り、残り六人の者も揚げ呉れ候様
と相尋ね候えども、その侭碇を巻き上げ候声聞こえ何れへか走り
説明 「置き」・・・砂浜へ揚げ置き。 「橋船ハ」・・・ボートは。 「元船へ漕戻し」・・・本船へ漕ぎ戻り。 「残り六人の者茂」・・・本船に残った六人の者も。 「揚呉候様」・・・「候様」は字が小さく、ほとんど読むのは無理です。 二行目「相尋候得共」・・・「尋」は難しく教えて貰わねば読めません。「質問する」。「訊ねる」。残りの者も一緒に揚げて欲しいと訊いて見たが。 「其儘」・・・読むのは困難です。 「碇越」・・・碇を。 「巻上ケ候聲」・・・碇を巻き上げる声が聞こえ。「聲」は旧字体。 「何連へ可」・・・何処かへ。 「舟偏」に「風」と書いて「走る」「帆走する」という国字とも言うべき文字です。前にも出ました。