古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第八章 レイディ・ワシントン号・その五十三

2011年11月28日 09時44分03秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

淑女ワシントン号第十九ページ最後の二行

解読    この二行は古文書現物の状態が悪いのか、ほとんど読めません。   先生は読むことが出来るのです。その通り解読文を紹介します。

      行衛相知不申段、是又大高源右衛門、稲葉七左衛門

      中西理左衛門より、今日申来候。右之模様ニ而者

読み方  行方相知れ申さざる段、是又大高源右衛門、稲葉七左衛門

     中西理左衛門より、今日申し来たり候。右の模様にては、

解説  「行衛」・・・この様な崩し方もあります。 「相知不申段」・・・相知れ申さざる段。 「是」の崩しも形で覚える字です。 大高、稲葉、中西三人は役人で、紀州藩の古座駐在目付。 特に最終行の上から「中西理左衛門」は何故こうなったのか分かりません。 「より」の次は「今日」。 その次は「申来候」。「申」の右横はキズか消しているのか。 「右」の下は「之」。次は「模様」。そして「ニ而者」・・・「にては」。 

都合により本ブログはしばらく休ませて頂きます。なお今までの分はいつでも閲覧可能です。 


第八章 レイディ・ワシントン号・その五十二

2011年11月27日 09時47分46秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

淑女ワシントン号第十九ページ(上の写真の五行目~七行目)

解読    候得共、右舩何方へ乗通り候哉、一向難相見へ

      旨西川松蔵申出候。猶又口熊野よりも右之舩

      弐艘共遙卯辰之方へ『はしり』出し何れへ乗越候哉

読み方  候らえ共、右船いず方へ乗り通り候や、一向相見えがたき

     旨、西川松蔵申し出で候。猶又、口熊野よりも右の船

   二艘とも、遙か卯辰の方へ『はしり』出しいずれへ乗り越し候や、

解説   「乗り通り」の次ぎに小さく「候」が有り、その次は「哉」・・・疑問を表す助詞。 「難相見へ」・・・下から返って「相見えがたき」。 「松蔵」の「松」は全く読めませんが、木扁に公と書いています。 「口熊野」・・・奥熊野に対する地域名で、周参見代官所管内、現代のすさみ町、串本町近辺の五組百六十二か村。 「野」ば長くなっています。 「遙か」・・・難解。 「卯辰の方」・・・東南の方角より少し東より。 『はしり』と仮名で表記していますが、漢字で「舩扁に風旁」、一般の辞書には載っていませんが、音は「ハン」で「走る」と読みます。舟が帆走すること。 「何連へ」・・・「連」は「れ」の変体仮名。 「乗越」の次ぎに小さく「候」。最後は「哉」・・・疑問詞。

 


第八章 レイディ・ワシントン号・その五十一

2011年11月26日 08時56分01秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

淑女ワシントン号第十九ページ(上の写真の三行目と四行目)

解読    沖合難見渡候付、翌早朝古江浦猪之鼻

      山、木本浦城山等へ遠見之者指置セ遠見為致

読み方  (暮れに及び)沖合い見渡し難く候に付き、翌早朝古江浦猪ノ鼻

      山、木本浦城山等へ遠見の者指し置かせ遠見致させ

解説  「難見渡」・・・下から返って「見渡し難く」。 「見渡」の次の止めている様な点が「候」です。 「付」の字はキズが入っていてよく分かりません。 「翌」は縦に長く、その下が「早朝」です。「朝」の崩し方に注意。 「古江浦」・・・「江」の崩しが分かりにくいです。 次は「猪ノ鼻山」・・・現在の地図で見ますと、「亥谷山・六八八㍍」と出ていますので、この山の事かも分かりません。古江町は現在尾鷲市古江町となっています。 「木本浦」は現在の熊野市です。現在の地図で見ますと熊野市には「華城山」と言う山がありますが、或いはこの山の事かも分かりません。 次の「遠見」の「遠」の字は中で切れているので読みにくいです。 「見」のにんにょう(目の下のル)の中に「之」が入ってしまって読みにくい。 「指置セ」は何とか読めます。 その次の「遠」は上の「遠」と少し違った形です。 「為致」・・・致させ。 


第八章 レイディ・ワシントン号・その五十

2011年11月25日 09時22分32秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

淑女ワシントン号・第十九ページ(上の写真の一行目と弐行目)

解読    先達而相通有之候唐ら舩躰之舩弐艘共

      木本沖ニ一昨夕迄致漂流有之候処、同日及暮

読み方  先だって相通しこれ有り候、唐ら船ていの船二艘とも

     木本沖に一昨夕迄漂流致しこれ有り候処、同日暮れに及び

解説  「而」・・・「て」と読みます。 「相通しこれ有り候」・・・お知らせして置きました。 「一昨夕」・・・「昨」が読みにくい字です。 「迄」・・・この「まで」は「占」に「しんにょう」で異体字です。「ヒ」のように見えるのが「占」で、「しんにょう」は下の横棒になります。これは下の致すと接触しています。 「有之候処」・・・「処」が少し読みにくいです。 「及暮」・・・暮れになったので。暮れて来たので。「暮」も解読困難。


第八章 レイディ・ワシントン号・その四十九

2011年11月24日 09時26分18秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

淑女ワシントン号・第十八ページ(上の写真の四行目以降)

解読    其内追否御注進可申上候。早々以上

      九木浦庄屋 和右衛門

      四月六日 戌上刻 玉置元右衛門様

読み方  その内、追否御注進申し上ぐべく候。早々以上

      九木浦庄屋 和えもん

      四月六日いぬ上刻 玉置元えもん

解説  「追否」と読みましたが、意味が分かりません。  「御注進」の次は、「可申上候」で、「上」の下へ伸ばしているのが「候」です。 「早々」の次ぎ訳の解らない字が「以上」です。以上の崩し方は理屈で説明出来ません。 「戌上刻」・・・午後七時頃。 玉置元右衛門は古座組駐在の和歌山藩の目付(前出)。