古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の八十五

2015年04月30日 05時53分23秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第二十頁、上の一~二行目

 

解読 被為成下候様仕度、乍恐奉願上候。右者小在

    を引き請、御引合ニも難相成土地江御仕入方

 

読み 成し下せられ候様仕りたく、恐れ乍ら願い上げ奉り候。右は小在

    を引き請け、お引き合いにも相成り難き土地へお仕入れ方

 

解説 (お商い)「被為成下候様」・・・(お商い)をなさって下さいます様。 「仕度」・・・仕りたく。 「乍恐奉願上候」・・・慣用語ですが、読むのはたいへん難しい。 「小在」・・・小さな在所。小さな村。 「引請」・・・引き受ける事。 「御引合」・・・有利な取引にならない事。儲けにならない取引。 「ニも」・・・「合」の右下に「ニ」が有ります。 「難相成」・・・相成り難き。儲かる様な商売にならない。 「土地江」・・・これも読むのは困難です。 最期は「御仕入方」・・・商品を仕入れる役目の人。

 


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の八十四

2015年04月29日 05時24分10秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第十九頁、上の七~八行目

 

解読 ○夫ニ付、御仕入御役所御取建被為下、

    山方仕入方ハ勿論、米麦其外諸物御商ひ

 

読み ○夫れに付き、御仕入れ御役所御取り建て下せられ、

    山方仕入れ方は勿論、米麦其の外諸物御商い

 

解説 「夫」の前の○印しの中の文字が解りません。町史では「追」か?と推定しています。「新」にも見えます。意味としては追加の「追」かも知れません。 「夫ニ付」・・・困っている事に付き。 「御仕入御役所」・・・商品仕入れ関係の役所。 「御取建」・・・お取り立て。うまく運ぶ様にし向ける事。「建」も難しい。 「被為下」・・・下せられ。「為」は「・・せ、・・させ」等と読む。敬語になります。下から返って、「下せられ」。して下さり。 「山方」・・・山仕事の世話をする人。 「仕入方」・・・商品の仕入れをする人。 「米麦」・・・麦が難解。 「其外」・・・そのほか。その他。 「諸物」・・・色々な商品。 「御商ひ」・・・売り買いする事。商売。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の八十三

2015年04月28日 06時04分12秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第十九頁、上の五~六行目

 

解読 物相調可申候得共、何レ茂難所山坂持運

    其上遠方日数永ク江田・有田江通ひ候義、

    甚以困入候義ニ御座候。

 

読み (小売り)物相調え申すべく候えども、何れも難所山坂持ち運び

    其の上遠方日数永く、江田・有田へ通い候義、

    甚だ以て困り入り候義に御座候。

 

解説 「小売物」・・・店で売っている商品。 「相調可申」・・・『あいととのえ申すべく』。買おうと思っても。 「候得共」・・・頻出する慣用句です。形で覚えましょう。 「何レ茂」・・・いずれも。どちらも。江田へ行くのも有田へ行くのも、田並浦を閉め出されたら。「茂」は変体仮名の「も」。 「難所」・・・通行困難な場所。 「山坂持運」・・・山や坂を持って運び」。 六行目、「其上遠方」・・・距離も遠い。 「日数永ク」・・・日数もかかる。 「江田・有田」・・・田並上村の西隣が江田浦で、東隣が有田浦になります。何れも山や峠を越えなければ行けません。 「江田・有田江通ひ候義」・・・江田有田へ通うのは。 「困入候義」・・・困ってしまう事態。 最後は「御座候」と書いています。ご参考までに付近の地図を解説文の上に挿入しましたのでご覧下さい。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の八十二

2015年04月27日 06時04分54秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第十九頁、上の三~四行目

 

解読 當村大難渋之場合ニ相成甚當惑仕

    當分之間、木苫江田・有田江持運ひ小賣(物)

 

読み 当村大難渋の場合に相成り、甚だ当惑仕り

    当分の間、木・苫、江田・有田へ持ち運び小売り(物)

 

解説 「当村」・・・当、田並上村の事。 「大難渋の場合に相成り」・・・たいへん困った局面になり。「場合」は局面・境遇。 「甚」・・・甚だ。非常に。 「当惑仕」・・・困った事になる。「惑」の下部の「心」が離れているので読みにくい。 「当分之間」・・・ここも読むのは困難です。 次は「木・苫」・・・薪や苫草。今まで、田並浦へ売りに行っていた生活物資。ここの文意は、「木・苫を」と考えたら意味が通じます。 次は地名で、「江田・有田江」・・・江田浦や有田浦へ。 「持運ひ」・・・これも読むのは難しい。 最後は「小売り(物)」。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の八十一

2015年04月26日 06時42分17秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第十九頁、上の一~二行目

 

解読 等流出候得者、あばを切か取こニ致カ抔と若

    連中相談相詰有之由ニ御座候。左候而者

 

読み など流出候えば、あばを切るか取りこに致すかなどと若

    連中、相談相詰めこれ有る由に御座候。左候ては

 

解説 ここも用紙を上から貼っている様な箇所で、たいへん判読は難しい。 「木材等流出候得者」・・・木材などが川下へ流出すれば。 「あば」・・・漢字で書けば「網端」です。この場合は、上流から木材を川口まで流し、網で囲って水面へ保管した、その網を浮かせて置く浮き子(浮き)の事。「あば」を切れば、木材が外洋へ流れてしまう。 「取こニ致すカ抔」・・・「取こ」は「捕虜」にする事。 最後は「若」ですが、この付近は現物を見なければ判りません。「若連中」と続きます。 「相談相詰」・・・相談を煮詰めて。 次ぎも解読困難です。「有之由」・・・これ有る由。読むのは超難しい。 次ぎも難解で、「御座候」。 最後は「左候而者」・・・左候ては。そうであったら。