古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の四十四

2016年04月30日 08時31分18秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第十三頁、上の三~四行目

 

解読 言葉ハ相分り不申候得共、此船ニ居候得バ舟が破連

    て死んと手真似致し、袖越引あの船へ乗連と

読み 言葉は相分かり申さず候得ども、此の船に居り候得ば舟が破れ

    て死なんと手真似致し、袖を引きあの船へ乗れと

 

説明 「言葉」・・・教えて貰わねば読めない字です。 「相分り不申」・・・分かり申さず。言葉は分からなくても。 「分」も難しい。 「候得共」・・・そうらえども。言葉は分からなくても。 「此船ニ居候得バ」・・・この船にそのまま乗って居ては。「候得バ」・・・「得」が特に難しい。 「舟が破連」・・・舟が破れ。「連」は変体がなの「れ」です。欠けていて読みにくい。 「死んと」・・・死なんと。死ぬであろうと。 「手真似」・・・これも難解です。 「袖越引」・・・袖を引き。 「あの船へ乗連と」・・・「連」は「れ」。あの我々が乗っている船へ乗れと

 

第五十九章 漂流外国物語 其の四十三

2016年04月29日 07時25分57秒 | 古文書の初歩

「漂流外国物語」第十三頁、上の一~二行目

解読 (異)国人茂指を入嘗見又綿少々引出し見分致、弐人

    私共船ニ残居、其餘之者ハ異国船江帰り、程なく又々参

読み (異)国人も指を入れ嘗め見、又綿少々引きだし見分致し、二人

    私ども船に残り居り、其の余の者は異国船へ帰り、程なく又々参り

説明 (異)国人茂」・・・「国」の字は形で覚える。「茂」は平仮名の「も」。 「指を入」・・・「指」も読むのは困難です。 「嘗見」・・・嘗めて見て。 「綿」・・・積荷の一つ。読むのは難しい。 「見分」・・・検分。調べること。 「船ニ残居」・・・二人が私共の船に残った。 「其餘之者ハ」・・・「其」が難解です。 「異国船江帰り」・・・「帰り」・・・難解です。 「程なく」・・・間もなく。 全体に難しい崩し方です。

今日は、スキャナーの調子が悪く、画像が巨大になりましたが、悪しからずご了承下さい。


第五十九章 漂流外国物語 其の四十二

2016年04月28日 07時57分31秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第十二頁、上の七~八行目

 

解読 内江腰ニ帯候劔をさし込ミ、色品越改酒樽之鏡を抜

    き私共ニ呑候様との手真似致し、私共呑候上ニ而異

読み 内へ腰に帯び候劔を差し込み、色品を改め、酒樽の鏡を抜

    き私共に呑候様との手真似致し、私共呑み候上にて異

 

説明 「内江」・・・内へ。積み荷物の内へ。 「腰ニ帯候劔をさし込ミ」・・・腰に差していた劔を抜いて差し込み。「帯」が読みにくい。「劔」は何度も出ています。 「色品越改」・・・積荷の色や品物を調べる事。「越」は変体仮名の「を」です。 「酒樽之鏡を抜き」・・・酒樽の蓋を開ける事。この辺は字も小さくて読むのは困難です。特に「樽」・「鏡」・「抜く」が難しい。 「呑候様との手真似致し」・・・私どもに対して、呑みなさいと手真似で要望し。 「私共呑候上ニ而」・・・私共が呑んだ上で。 最後は「異国人」の「異」の異体字で、「己」の下に「大」と書いています。


第五十九章 漂流外国物語 其の四十一

2016年04月27日 06時59分43秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第十二頁、上の五~六行目

 

解読 茂見廻り頭立候者与相見三人腰尓劔を帯私共船

    江乗込ミ船之損じ候所等見分致候様子ニ而、積荷物之

読み も見廻り、頭立て候者と相見ゆ三人腰に劔を帯び、私共船

    へ乗り込み船の損じ候所等見分致し候様子にて、積荷物の

 

説明 上部の方が薄くて読めませんが、ご辛抱下さい。「茂」・・・ヒラカナの「も」。両三度も。 「見廻り」・・・ここも文字が薄い。 「頭立候者与相見」・・・頭立て候者と相見ゆ。幹部と見える。「頭」の崩しは形で覚える。「者与」・・・者と。「与」は変体仮名の「と」です。 「腰尓劔を帯」・・・腰に劔を付けて。「尓」は平仮名の「に」。 「船江」・・・船へ。 「乗込ミ」・・・乗り込み。「乗」も難解。 「船の損じ候所等」・・・こちらの船の壊れた箇所など。「等」も読みにくい。 「見分」・・・検分。検査し見届ける。「分」も読むのは困難です。 「致候様子ニ而」・・・検分した様子で。「様子」も難しい。 最後は「積荷物之」・・・「物」の字は欠けているので推定です。


第五十九章 漂流外国物語 其の四十

2016年04月26日 08時06分05秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第十二頁、上の三~四行目

 

解読 紛連居、其内橋舟弐艘ニ異人六・七人程ツゝ乗組大船

    与り釣颪し私共船江右弐艘之橋船参り両三度

読み 紛れ居り、其の内端舟二艘に異人六・七人程づつ乗り組み大船

    より釣り颪し、私共船へ右二艘の端舟参り、両三度

 

説明 最初から読めませんが、「紛連居」・・・紛れ居り。『まぎれおり』。「連」は変体仮名の「れ」。遠いので判別出来ない様子。 「橋舟」・・・「橋」は宛て字で、「端舟」が正しい。大きい舟に積んでいる小船の事。 「異人」・・・外国人。現在では「異」と書きますが、古文書では普通「己」の下に「大」と書く「異体字」を使います。ここでははっきりと読めません。 「大船与り」・・・大船より。「与」はヒラカナの「よ」です。 「釣颪し」・・・「颪し」は普通、高い山から吹き降ろす風の事を言いますが、ここでは上から下に降ろすこと。 「両三度」・・・二、三回。