乍恐奉願上口上第九ページ、上の画像の七~八行目
解読 百姓共へ申聞仕候處、右者先年も及縺内
済取曖ヲ以樫野古座高川原江三歩つゝ
読み 百姓共へ申し聞かせ仕り候処、右は先年も縺れに及び内
済取り扱いを以て樫野・古座・高川原へ三歩づつ
解説 「百姓」の次は「共へ」です。「百姓どもへ」。 「申し聞かせ仕り」の次に「候」が有る様に見えます。次は「處」。 「右者」・・・右は。 「及縺」・・・下から返って「縺れに及び」・・・混乱してややこしくなる。 「内済」・・・内々で済ます。訴訟まで行かずに内輪で解決する。 「取曖」・・・「取り扱い」と同じ。この「曖」は「口偏」ですが、私のソフトでは「日偏」しか出ませんので、間違いですが、こんな感じの文字という意味で使用しました。ご勘弁下さい。この「口偏」に「愛」という字は、現在では殆ど使いませんし、古文書でも最難読文字の一つになっています。この字は滅多にお目にかかりませんが、ここで出会えたのはラッキーと思って、この際覚えて下さい。但し漢和大辞典でも読みは『ああ』とか『おくび』と出ていて、『あつかう』と言う読みは見あたりません。 次はかすれていて読みにくいですが、「ヲ以」です。 最後も読みにくいですが、「三歩つゝ」・・・「三分づつ」と書いています。
勝手ながら、大晦日と正月三が日は本ブログは休ませて戴きます。その間にスキャナーの調整が出来ないかと思います。追記・・・スキャナー補正出来ました。最下行の文字も写っています。