古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四十八章 乍恐奉願上口上 其の七

2015年09月29日 07時41分53秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御米合弐拾八石也」第二頁、上の五~六行目

 

解読 難有御儀ニ奉存候。返上納之儀者、何卒厚キ

    御慈悲御了簡ヲ以元利共十ヶ年之御年賦之御

読み 有り難き御儀に存じ奉り候。返上納の儀は、何卒厚き

    御慈悲ご了簡を以て、元利とも十ヶ年の御年賦の御

解説 「難有」・・・下から返って「有り難き」。 「返上納」・・・返済の米を納付する事。 「之儀者」・・・返済の件は。「儀」の次は「キ」に見えますが、「者」・・・「は」の崩し字です。 「御慈悲御了簡」・・・御慈悲の御了簡。「の」が抜けています。お情けの有るご判断。 「元利共」・・・利息の表示が有りませんが。 「御年賦之御(取立)」・・・年払いの事。


第四十八章 乍恐奉願上口上 其の六

2015年09月28日 05時41分44秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御米合弐拾八石也」第二頁、上の三~四行目

 

解読 仕度奉願上候。左候へハ當御年貢皆上納為仕

    其上小前共一統何成共稼ニ取續日々凌方為仕

読み 仕り度願い上げ奉り候。左候らえば当御年貢皆上納仕らせ

    其の上小前ども一統何なりとも稼ぎに取り続き、日々凌ぎ方仕らせ

解説 「仕度」・・・『つかまつりたく』と読む。 「奉願上候」・・・『ねがいあげ奉り候』。慣用句です。 「左候へハ」・・・『さそうらえば』と読みます。その様にしてくださいましたらば。「候」は形で覚える。 「當御年貢」・・・今年の年貢。 「皆上納」・・・『かいじょうのう』。全納。皆納。「皆」も難解。 「為仕」・・・『つかまつらせ』。「為」は使役の助動詞。全納させ。 「小前共一統」・・・百姓一同。 「何成共」・・・『なんなりとも』。 どんな事でも。 「稼ニ取續」・・・稼ぎ仕事を続け。 「日々凌方」・・・毎日やりくりしてその日を過ごす事。 「為仕」・・・二回目です。仕らせ。日々を凌がせ。


第四十八章 乍恐奉願上口上 其の五

2015年09月27日 08時12分11秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御米合弐拾八石也」第二頁、上の一~二行目

 

解読 御時節柄奉恐入候へ共、何卒御慈悲之御了簡

    ヲ以本行之通御米御拝借御貸下ケ被為成下候様

読み 御時節がら恐れ入り奉り候え共、何卒お慈悲のご料簡

  を以て本行の通りお米ご拝借お貸し下げ成し下せられ候様

解説 「御時節柄」・・・「時節」が読みにくい。 「奉恐入」・・・恐れ入り奉り。 「候へ共」・・・そうらえども。「候得共」と書く場合が多い。 「何卒」・・・「卒」が難しいが、文章の流れで読みます。 「御慈悲之御料簡」・・・これも定型句です。 「本行之通」・・・この願い書きの通り。 「御米御拝借御貸下ケ」・・・「拝借」も難解です。 「被為成下」・・・下から返って「成し下せられ」。「為」は「せ」とか「させ」と読みます・使役の助動詞。丁寧な言い方になります。 最後は「候様」。お貸し下げ下さいます様。


第四十八章 乍恐奉願上口上 其の四

2015年09月26日 06時44分58秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御米合弐拾八石也」第一頁、上の八~九行目

 

解読 殊之外大凶作ニ而御年貢皆上納難相立至極

    弱百姓共一統難儀迷惑仕り罷有御座候間

読み 殊の外大凶作にて、御年貢皆上納相立ち難く、至極

    弱百姓共一統難儀迷惑仕り罷り有り御座候間

解説 「皆上納」・・・全納。年貢をすべて納めること。 「難相立」・・・相立ち難く。出来無く。 「至極」・・・極めて。この上無く。「至」は形で覚える字です。 「一統」・・・全体。 「難儀迷惑」・・・二回目です。「迷」が難しい。 「罷有」・・・「罷り」は丁寧な接頭語です。「・・・しています」という様な意味です。今日は比較的易しいですが、 文字が薄く、読みにくくて申し訳ありません。


第四十八章 乍恐奉願上口上 其の三

2015年09月25日 06時10分08秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御米合弐拾八石也」第一頁、上の六~七行目

 

解読 御願申上候而、御引免御用捨戴成御座候へ共全ク

      其余之田地者御年貢上納相立候様相見御座候處

読み 御願い申し上げ候て、お引免御用捨成し戴き御座候え共全く

    其の余の田地は御年貢上納相立ち候様相見え御座候処

 

解説 「御引免」・・・年貢(税金)を引いて、少なくして貰う事。「免」は年貢を賦課する割合。 「御用捨」・・・手加減する。値引きする。 「戴成」・・・成し戴き。してもらう。少なくして戴いた。 次の行は半分隠れていて読みにくいですが、解読文を参考にして、推定して下さる様お願いします。 「其余之田地者」・・・年貢を引いて貰ったその外の田は。 「御年貢上納相立候様」・・・年貢の納付が出来る様に。 「相見御座候處」・・・見えましたが。