濱着口上書第二十二ページ、上の画像の五行目~六行目
解読 同様出帆仕候得共、出帆後何連へ乗行候とも
不奉存候。御糺ニ付、有躰申上候。以上。
読み 同様出帆仕りそうら得ども、出帆後何れへ乗り行き候とも
存じ奉らず候。お糺しに付き、有りてい申し上げ候。以上。
解説 「同様」・・・これはそれ程難しくはありません。 「候得共」・・・「仕」の次の点が「候」で「そうらえども」と読み、前後をつなぐ慣用句です。「出帆致しましたが。」 「何連へ」・・・いずれへ」。「連」は変体仮名「れ」。「連」下に小さく「へ」が見えます。 「乗行」・・・これも簡単な字ですが、読むのは難しい。「行」の次の点が「候」。 「とも」は前行最後の「とも」に比べればはっきり書いています。 「不奉存候」・・・下から返って「存じ奉らず候」。「不」は否定・打ち消し。 「御糺」・・・「御」は簡略化しています。 「ニ付」・・・「ニ而」とも似ていますが、二行目にも出ました。 「有躰」・・・『ありてい』と読みます。ありのまま。「躰」は旧字体で、現在の「体」。