第十一ページ一行目から
解読
一 地震ニ当所者潰家壱軒茂なく候へ共
土蔵者少々痛ミ当山金堂石段者大痛ミ
池之口山王社石の鳥居折レ同所橋抔ハ地震ニ
川中へ潰込候
読み方
一つ 地震に当所は、潰れ家一軒もなく候らえども
土蔵は少々痛み、当山金堂石段は大痛み
池之口、山王社石の鳥居折れ、同所橋などは地震に
川中へ潰れ込み候
解説
古座川付近の損害状況を書いています。地震により潰れた家は一軒も無かったが、土蔵は少し損壊、当山の金堂の石段は大きく壊れ、池之口の山王社の石の鳥居が折れた。そこの橋は川の中へ壊れて落ち込んだ。 「当山、金堂」と書いていますので、寺院の事を○○山と言う事から、この文章は、寺の住職が書いたものと思われます。 ここでの文字は、「者」・・・「は」の変体仮名で、続けて三箇所出ています。 「土蔵者」の「者」は少し読みにくいですが、者しか考えられません。 「鳥居」・・・「鳥」もこんな崩しです。