古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の二十四

2015年02月28日 06時50分12秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第四頁、上の五~六行目

 

解読 手前右等之一件取鎮被呉候様神主

    勘太夫方へ内々ニ而當村頭立之者より

 

読み (御)手前、右等の一件取り鎮め呉れられ候様、神主

    勘太夫方へ内々にて当村頭立の者より

 

解説 「御手前」・・・お前さん。あなた。 「右等之一件」・・・右の様な争いごと。 「取鎮被呉候様」・・・取り鎮めてくれます様。「取」も「鎮」も難解です。次の字が「被」で「呉」の次の点が「候」です。 「神主」は何とか判ります。 六行目最初の字は薄くて読めませんが、「勘太夫」と書いています。『かんだいふ』。田並の代々続く神主の名前。 次の字も読みにくいですが、「方へ」。 次は「内々ニ而」・・・内々で。これも教えて貰わねば読めない字です。 「当村頭立之者より」・・・「頭」と「者」が難解。「頭立」・・・『かしらだて』、五人組の長。 


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の二十三

2015年02月27日 06時41分30秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第四頁、上の三~四行目

 

解読 (聊)之事共相論、隣郷中阿しく相成而ハ

    神意にもかなひかたく義ニ付、何分御

 

読み (聊か)の事ども相論じ、隣郷中悪しく相成りては

    神意にもかない難く義に付き、何分御

 

解説 「(聊か)之事共」・・・ちょっとした事などを。 「相論」・・・議論し合い。 「隣郷中」・・・隣村との仲。「郷」の崩し字は形で覚える。 「阿しく」・・・「阿」は変体仮名の「あ」、「悪しく」・・・悪く。 「相成而ハ」・・・悪くなっては。 「神意」・・・神様の御こころ。 「にも」が読みにくい。 「かなひかたく」・・・叶い難く。 「義ニ付」・・・事であるので。 「何分」・・・「分」の書き方に注意する。 用紙が変わってからは全体として、今までの文字よりも少し濃くなった様な気がします。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の二十二

2015年02月26日 07時42分50秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第四頁、上の一~二行目

 

解読 事ニ而、下村山人やらひ等

    村方より致候事ニ御座候。祭禮与り聊

 

読み 事ニ而、下村山人やらい等

    村方より致し候事に御座候。祭礼より聊か

 

解説 ここの一行目と二行目の字数が違いますが、この文書ははじめから今まで、縦、約十五センチの巾の用紙に書いていましたが、ここから用紙は縦・二十三センチの巾になっています。(糊で貼ってつないでいます。)今までよりも少し読みやすくなると思います。 一行目最初は読むのは困難ですが、「事ニ而」・・・其の辺の事にて。その様なことで。 「下村山人やらひ等」・・・「やらひ」・・・やらい。遣らい。追い払う事。下村から来て、山仕事をしている人を追い払う事など。 「村方より致し」・・・上村の者が追い払う事などする。 「致し」・・・「致し候」・・・「し」と「候」が連続しているものと解釈します。 「御座候」・・・「御」の書き方に注意。「候」はほとんど「点」になっています。 「祭禮与り」・・・「禮」は「礼」の旧字体。「与」はヒラカナの「よ」。 最後は「聊」・・・いささか。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の二十一

2015年02月25日 07時15分39秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第三頁、通算十三~十四行目

 

解読 可申段申聞若連中之者共

    一言之申訳も無之其邊之

 

読み 申すべき段申し聞かせ、若連中の者ども

    一言の申し訳もこれ無く、其の辺の

 

解説 「可申段」・・・申すべき段。上げノボリにすると言う次第を。「段」は「何々の次第」、「経過」。 「申聞」・・・申し聞かせ。 「若連中之者共」・・・「若」・「者」が難しい。 「一言之申訳も」・・・一言の弁解も。言い訳も。 「無之」・・・これ無く。 「其邊之」・・・その様な。その程度の。


第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の二十

2015年02月24日 07時36分16秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第三頁、通算十一~十二行目

 

解読 等も有之右のぼり私手前江

    取上介神主方へ上幟りニ致

 

読み (相論)等もこれ有り、右ノボリ私手前へ

    取り上げ神主方へ上げノボリに致し

 

解説 「等も有之」・・・相論などもこれ有り。話し合いなども有って。 「右のぼり、私手前江」・・・本業も字が薄くて、且つ上手とは言えず、ほとんど読めません。右のノボリは、私のところへ。 「取上介」・・・取り上げ、(没収し)。「介」は変体仮名の「け」です。 「神主方へ」・・・「主」も超難解文字。 「上幟りニ致」・・・神様に供えるノボリとすること。