21世紀 脱原発 市民ウォーク in 滋賀

<脱原発 市民ウォーク in 滋賀> の 活動報告、お知らせなど を掲載 ♪
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「特重施設」建設の遅れで 運転停止を命じる見通し

2019-06-27 15:14:32 | 記事
《第78回脱原発市民ウォーク in 滋賀のご案内》

脱原発市民ウォーク in 滋賀を6月29日(土)におこないます。
JR膳所駅前広場:午後1時半集合。

どなたでも参加できます。ぜひ足をお運びください。

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<「特重施設」建設の遅れで 運転停止を命じる見通し>


テロ対策施設の建設が遅れているため、再稼動されている関電、九電、四国電力の原発に対して原子力規制委員会が運転停止を命じる見通しです!

5月にお送りしました脱原発市民ウォークの案内で、原子力規制委員会が設置を義務付けているテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(略称:特重施設)の建設が遅れている問題について、4月24日に、規制員会が「テロ対策施設が完成されていないという法的な不適合状態にあるままで原子炉の運転を看過することはできない」として、電力会社が求めていた設置期限を更に延長することを認めないことにしたと記しました。

「特定重大事故等対処施設」というのは、原子炉建屋から一定の距離(例えば100メートル程度)をおいて設置される、大型旅客機の衝突などによる大規模なテロ攻撃といった非常時であっても原子炉を遠隔操作により安全に制御できるようにすることを目的とした施設を意味しており、この施設の建設には500億~1200億円要するとされています。同種の施設がドイツやスイスの原発ではすでに設置されています。

このテロ対策施設は福島第一原発での事故後に強化された新たな規制基準により設置が義務づけられたものであり、当初、設置期限は新規制基準の発効から5年以内すなわち2018年7月までとされていたのですが、規制委員会は電力会社の事情などを考慮して設置期限を延長し原発の審査が終了してから5年以内に先延ばしていました。しかし、電力会社側は「当時と状況が変わった、すでに再稼動させている6原発12基で1~2年半ほど設置期限を超える見通しになった」などとして設置期限の再延期を求めていました。 

この問題について、6月14日の朝日新聞などが、
原子力規制委員会が6月12日の会合において、現行の設置期限の約1週間前までに施設が完成していなければ原子炉規制法に基づき運転の停止を求めることを正式に決定したというニュースを報じていました。

関西電力、四国電力、九州電力は現時点で6原発12基においてテロ対策施設の完成が遅れる見通しを表明しています。このうち設置期限が最も近いのは九電の川内原発1号機(鹿児島県)であり、来年3月17日に設置期限を迎えます。建設工事の完了は約1年間遅れる見通しであるとされており、このままでは来年3月から1年程度は運転が停止される見通しでず。

また川内原発2号機の場合も、テロ対策施設の設置期限は来年5月21日とされているものの、完成は約1年遅れる見通しであるとされており、このままでは来年5月から約1年間は運転が停止される公算が大です。さらに、九州電力は玄海原発3号機と4号機(佐賀県)もそれぞれ2022年中とされている設置期限に間に合わない可能性があるとしています。

関西電力の場合も、現時点では福井県にある3原発7基(すでに再稼動されている高浜原発3、4号機:大飯原発3、4号機:来年再稼動が予定されている美浜3号機、高浜1,2号機)すべてがテロ対策施設の設置期限に間に合わない見込みであり、このためいずれ原子力規制員会により運転停止を命じられる見通しです。最も早く設置期限を迎える高浜原発3号機は2020年8月、また同原発4号機は2020年10月が期限であり、現時点では施設の完成は期限からさらに1年を要する見通しとされており、このため運転停止期間は約1年間に及ぶのではないかと考えられます。

また、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)の場合も、2021年3月に設置期限を迎えることになるものの、工事完了までにはさらに1年を要する見通しであるとされています。

原発をすでに再稼動させている関電、九電、四国電力の各社が、新規制基準から5年以内にテロ対策施設を設置することを義務づけられていたにもかかわらず、この当初の設置期限(2018年7月)を守らかっただけではなく、原発の審査終了から5年以内という延期された設置期限さえも更に延長することを求めていたことは、これらの電力各社が燃料費が石化燃料より安い原発を稼働させることで利潤を上げることにばかり力を注ぎ、原発の安全性・安全確保の意識が極めて低いことの現れではないでしょうか。これらの電力各社では福島での深刻な原発事故への反省の念が形骸化しており、福島第一原発の事故は「対岸の火事」に過ぎなくなっているのではないかと懸念されます。このたび原子力規制委員会が設置期限を守らない場合は運転の停止を命じることを正式に決定したのは当然の措置であると言うべきでしょう。

今の状況では、来年以降、現在再稼働されている原子炉が次々に運転停止を命じられることになる見通しです。この運転停止の機会を捕えて、私たち市民が脱原発の実現に向けて一段と歩みを進めていければと思います。

2019年6月26日

《脱原発市民ウォーク in 滋賀》

呼びかけ人のひとり:池田 進
連絡先:大津市木下町17-41
電話/FAX:077-522-5415

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