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■ 再処理工場物語 ■
おカネ・ジャブジャブ、一兆円や二兆円なんて・・・
スーパーで売っているお弁当の値段、その多くは500円以下(税抜き)ですね。
この値段、毎日の暮らしで節約に節約を重ね、「昼食はできれば500円以下で」
という消費者の気持ちを十分に「忖度」して設定されているのでしょう。
ところが世間には、この日本には、桁違いの別世界が存在しているのです。
一兆円や二兆円なんてという、夢ではなく正夢の世界が存在しているのです。
使用済み核燃料の再処理工場をめぐる世界です。
先日、7月4日の朝日新聞に
「青森六ヶ所、再処理工場建設2・9兆円、新基準対応で7500億円増」という
見出しの記事が掲載されていました(このニュースは各紙が報道しています)。
この記事をよく読みますと、もっと飛んでもないことが書いてありました。
記事の概要は以下の通りです。
青森県の六ヶ所村に建設中である原発の使用済燃料の再処理工場、
1989年に事業を申請、1997年に完成予定、当初予算は7600億円でしたが、
それがあの「もんじゅ」と同様何度も完成が遅れて22回も延期され、
それにつれ建設費が膨れ上がり、05年時点では約2兆2000億円にまで膨張、
それに新基準による安全対策費3700億円が加わって、いまや
2兆9000億円に達する見込み・・・
これらの事柄以上にもっと驚かされるのは再処理工場計画の総事業費です。
記事によりますと、40年間の運営費なども含めた再処理工場計画の
総事業費は、12・9兆円ぐらいのつもりをしていたものの維持管理費などが増大して、
なんと13・9兆円にも達する見込みとのことです。
まさに文字通りおカネ・ジャブジャブの世界です。
あの福島第一原発事故の後始末に必要であると見積もられている費用
(賠償、除染、廃炉、汚染物の中間貯蔵施設など)の総計はおよそ20兆円
とされていることを考えますと、この再処理工場関連の費用がいかに巨大なもの
であるかがお分りいただけると思います。
しかも、この再処理工場に関連した費用には、おそらく老朽化などにより
再処理工場を廃止せざるを得なくなった際に必要となる費用は含まれていません。
再処理施設の廃止に関しては、たとえば2007年7月1日の朝日新聞に
「(東海村の)再処理施設、廃止に1兆円、完了までに70年」と題された記事が
掲載されていました。東海村の再処理施設は使用済燃料の再処理技術を
習得するために建設された小規模の施設ですが、六ヶ所村の再処理工場は
規模の大きな本格的な施設です。ですからその廃止・解体に際しては
東海村の施設の何倍もの費用、つまり数兆円の費用と何倍もの期間を要する
のではないかと考えられます。
このように考えますと、六ヶ所村の再処理工場計画のみで、40年間の運営費
などを含めて総事業費約14兆円+再処理施設の廃止費用数兆円を要する
ことになります。すなわち再処理工場計画に関連した費用だけで、
福島原発事故の後始末に要する費用に迫る巨大な額に達するのではないか
と考えられます。まさに、お金ジャブジャブの世界です。
しかも、福島原発の後始末に関連した費用は、事故の原因や責任の問題は
ともかくとして、どうしても必要な費用であることは誰もが認めるところ
であろうと思われるですが、再処理工場に関しては事情が全く異なります。
もともと、再処理工場の建設は核燃料サイクルの目玉である
「使用したプルトニウム以上の量のプルトニウムが生じる」という
「夢」の高速増殖炉「もんじゅ」のために必要なプルトニウムを確保する
ために計画されたものです。
しかし、みなさんもご存知のように「もんじゅ」の計画が放棄された今
となっては、果たして再処理工場そのものが必要なのかは極めて疑問です。
すなわち、「もんじゅ」のためのプルトニウ確保を主な目的とした
再処理工場計画自体が、「もんじゅ」計画の放棄をはじめとした
様々な要因により事実上破たんしているというのが現実です。
したがって、再処理工場にめぐる上記のようなとてつもない巨大な費用が
果たして必要なのかも、極めて疑問です。
この破たんを来たしている計画に少なくとも14兆円も投入しようと
言うのですから、まさにお金ジャブジャブの狂気の世界というしかありません。
そしてこの14兆円、誰が負担するかいいますと、おそらくは最終的に
電力料金に上乗せされてしまう消費者なのです。
《東京は光の海か この村は核燃サイクル 野の雪明り》
(かなり以前に朝日歌壇で紹介されていた青森の方の短歌です)
《脱原発市民ウォークin滋賀》は福島原発事故から二カ月後の2011年5月に
滋賀の地の有志の市民たちによりはじめられた脱原発を目指すデモです。
様々な立場の自由な市民による、誰でもが参加できる小さなデモですが、
このたび60回目を迎えることになりました。これまで参加してくださった
みなさんに心から感謝申しあげます。これからもみなさんといっしょに、
脱原発を目指していっしょに歩んでいければと思います。
2017年7月12日
《脱原発市民ウォークin滋賀》呼びかけ人の一人:
池田 進
電話/FAX:077-522-5415
Eメール:ssmcatch@nifty.ne.jp
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