《第79回・脱原発市民ウォーク in 滋賀 のご案内》
次回の脱原発市民ウォーク in 滋賀を7月27日(土)午後におこないます。
どなたでも自由に参加できます。暑い中ですがぜひ足をお運びください
(午後1時半、JR膳所駅前の広場に集合)
■文科省発行の「放射線副読本」を回収するよう 高島市に要請しました■
みなさんご存知かと思いますが、文部科学省が昨年、全国の小中学校と高校に「放射線副読本」(小学生用と中高生用)の最新版を配布しています(発行部数は約1400万部)。この読本について、滋賀県野洲市の教育委員会が内容に不適切な面があるとして、この読本の回収を行っていることが4月25日付けの京都新聞・朝日新聞などの各紙が報じていました。
https://www.asahi.com/articles/ASM4T5TGKM4TPTJB00J.html
その主な理由は、放射線は安全であると印象付ける記述が多々あること、福島原発事故の被災者への配慮が足りないとうことであるとされています。
この報道を知った高島市の市民団体「見張り番・滋賀」(代表:澤忠起さん、高島市)が、福井県の原発地帯に隣接している高島市がこの文科省の放射線副読本の配布にどのように対応しているかは市民として重要な問題であると考え、5月末に副読本の扱いに関する情報公開請求を行いました。その結果、副読本の扱いは学校によって異なっていることが明らかになりました。高島市立小学校13校のうち過半数の7校では配布は行わず「学校保管」としており、6年生にだけ配布していた学校は4校、全校に配布していたのは2校でした。また中学校の場合は、「学校保管」としていたのが2校、3年生のみに配布していたのが2校、全校に配布していたのが2校と、対応はバラバラでした。
この放射線副読本の内容について私は「見張り番・滋賀」の澤氏といっしょに検討してみました。その結果、私たちは、この読本は全体的に見て、放射線の危険性についての認識が甘く、放射線の危険性に関する科学的説明が不正確であること、そのために福島事故で生じた放射性物質に由来する放射線による害やリスクはあたかもたいしたものではないかのような印象を与えることが一番の問題点であると感じました。またこの読本は21ページの冊子ですけれども、一番大切な原子力災害・原発事故時の対応については、最後にわずか1頁が割かれているに過ぎず、しかも内容はきわめて不十分なものでした。
また、「復興」や「再生」に関する章では、福島原発事故がもたらした災害からの復興について述べられていますが、復興に向けての政府や自治体主導の目立つ取り組みだけが中心的に紹介されており、復興に際しての問題点はほとんど指摘されていません。たとえば避難指示区域からの避難者は最高16万人ほどに達していたものの2018年7月現在では約4万4千人になったと記されていますが、避難指示解除後でも子供や若い人たちはほとんど帰還していないという現実は指摘されていません。また、たとえば、復興のために避けて通れない福島第一原発の廃炉作業は困難をきわめており、今後も非常な困難が予想されることなど、今後の様々な課題についても、この読本ではほとんど触れられていません。
以上に述べたようにこの「放射線副読本」には大きな欠陥が存在しており、とりわけ福井県の原発地帯に隣接している高島市において、子どもたちのための教材としてこの読本を用いることは不適切であると考えられたため、「見張り番・滋賀」と他の二つの市民団体が協力して、去る7月9日に高島市長に宛てて、文科省による「放射能副読本」について、配布せずに「学校保管」としている小中学校を除き、教育委員会を通じて速やかに回収するよう求める要望書を提出しました。
また、高島市は福島第一原発の事故後、「見張り番・滋賀」などの市民団体の提案を受けて、高島市内の小学校において市防災課原子力防災対策室の職員による原発事故と放射線の危険性について学ぶ出前授業を実施していますが、このたびの要請書において、この出前授業を高島市内の中学校においても実施するよう要請しました。
なお、この「放射能副読本」は文科省の以下のサイトから見ることができます。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1409776.htm
みなさんも一度ご覧になり、この問題について考えてみてください。
2019年7月24日
《 脱原発市民ウォーク in 滋賀 》呼びかけ人のひとり
池田 進
連絡先:大津市木下町17-41、電話/FAX:077-522-5415
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