《 第77回・脱原発市民ウォーク・イン・滋賀 の ご案内 》
2019年4月6日(土)午後1時半、JR膳所駅前広場に集合
4月の《 脱原発市民ウォーク・イン・滋賀 》を上記のとおり行います。
誰でも自分のスタイルで自由に参加できます。
ぜひ足をお運びください。
■■ 国家予算に迫る福島第一原発の事故処理費用 ■■
福島第一原発の廃炉作業は2019年2月になってようやくデブリの状況についての調査が始まりましたが、デブリの除去が果たして技術的に可能なのか現段階では定かではなく、廃炉作業の先行きはまったく不透明です。このような状況のなか、民間のシンクタンク「日本経済研究センター」(公益社団法人)が福島原発事故の処理費用は40年間で(2050年まで)およそ35兆円~80兆円に達するとする試算を3月7日に公表しました。2019年度の国の予算総額(一般会計)は約101兆円でしたから、事故処理費用の総額は場合によっては国家予算規模のものになることが考えられます。
新聞報道によればこの試算内容は以下のようなものであるとされています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼「福島第一事故の対応に最大81兆円 シンクタンクが試算」▼
(朝日新聞2019年3月10日、デジタル版 2019年3月9日)
東京電力福島第一原発事故の対応費用が総額81兆~35兆円になるとの試算を民間シンクタンク「日本経済研究センター」(東京都千代田区)がまとめた。経済産業省が2016年に公表した試算の約22兆円を大きく上回った。
81兆円の内訳は、廃炉・汚染水処理で51兆円(経産省試算は8兆円)、賠償で10兆円(同8兆円)、除染で20兆円(同6兆円)。
経産省試算との大きな違いは、汚染水の浄化処理費用を約40兆円と大きく見積もったことや、除染で発生する土壌などの最終処分費用を算入したことなど。また、この汚染水を、水で薄めたうえで海洋放出する場合は、廃炉・汚染水処理の費用が11兆円になり、総額も41兆円になるとした。
これに加えて事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出さずにコンクリートで封じ込める、いわゆる「石棺」方式を採用した場合は、廃炉・汚染水の費用が4・3兆円になり、総額も35兆円になるとした。ただ、「石棺」方式は、かつて「復興やふるさとへの帰還をあきらめることにつながる」などと問題になったことがある。
同センターは2年前、総額70兆~50兆円に膨らむとの試算を出したが、その後の汚染水処理や除染などの状況を踏まえ、再試算した。試算を示したリポートはこの費用の増加を踏まえ、「中長期のエネルギー計画の中で原発の存否について早急に議論、対応を決めるときではないか」と指摘した。
https://www.asahi.com/articles/ASM3943DYM39ULFA002.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上記の記事にも書かれているように、経産省は2016年に福島原発事故の処理費用に関する試算を公表しており、総額22兆円(経産省は対応費用を大きく3つに分類し「除染」6兆円、「廃炉(汚染水を含む)」8兆円、「賠償」8兆円と試算)としていました。この試算に対して日本経済研究センターは2年前に「最終的に70兆円近くに膨らむ可能性がある」と試算していましたが、このたびの試算をこの試算をも上回るものになっています。
この記事の元となった日本経済研究センターの「事故処理費用、40年間に35兆~80兆円:廃炉見送り(封じ込め・管理方式)も選択肢に~汚染水対策が急務~」と題された
レポート
https://www.jcer.or.jp/jcer_download_log.php?post_id=43790&file_post_id=43792
によると、今回の試算では1~3号機の原子炉内にある燃料デブリ等の冷却に2030年までかかる(乾式貯蔵が可能になる)として、今後さらに80万トン程度の水が必要と見込んでいます。これを計算に入れると、福島原発の敷地内のタンクにすでに保管されている120万トンの汚染水と合わせて計200万トンの汚染水処理が必要となります(同センターの2年前の試算では汚染水は100万トンとされていました)。
汚染水処理における一番の難関はトリチウム(三重水素)を構成元素とするトリチウム水の除去です。トリチウム水は普通の水の分子と化学的性質が同じであるため、汚染水からトリチウム水を除くことは極めて困難であり、このレポートによれば、トリチウム水の処理費用は1トンあたり2000万円と仮定されています。このため汚染水の処理費用は総計40兆円(2000万円×200万トン)という途方もない額に達することになります。一方、原子力規制委員会はストロンチウムなどの放射性物質を除去し、トリチウムのみが残存している汚染水については海洋放出を認めるとしています。当然のことですが地元の漁業関係者などの理解は得られていません。しかし、トリチウムの除去には上記のように途方もない巨額の費用が必要と予測されることから、国は漁業補償に多額の費用を支払ってでもトリチウムが残存する処理水を海洋放出させることになるのではないかと懸念されます。
また、これらの試算ではデブリの取出しを前提としていますが、デブリに関しては今年二月になって調査が始まったばかりであり、技術的にすべてのデブリを取り出せるかは未だ不明です。すべてのデブリを取り出せる保証もなく、取り出しのリスクも存在しています。このためこのレポートでは「今回の試算では、チェルノブイリ原発の場合のようにデブリ取り出しを見送り、《石棺》や《水棺》にして永久管理せざるを得ない状況になる場合も想定した」としています。
2019年3月28日
脱原発市民ウォーク・イン・滋賀》呼びかけ人のひとり:池田進
連絡先:〒520-0812
大津市木下町 17-41
電話/FAX:077-522-5415
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2019年4月6日(土)午後1時半、JR膳所駅前広場に集合
4月の《 脱原発市民ウォーク・イン・滋賀 》を上記のとおり行います。
誰でも自分のスタイルで自由に参加できます。
ぜひ足をお運びください。
■■ 国家予算に迫る福島第一原発の事故処理費用 ■■
福島第一原発の廃炉作業は2019年2月になってようやくデブリの状況についての調査が始まりましたが、デブリの除去が果たして技術的に可能なのか現段階では定かではなく、廃炉作業の先行きはまったく不透明です。このような状況のなか、民間のシンクタンク「日本経済研究センター」(公益社団法人)が福島原発事故の処理費用は40年間で(2050年まで)およそ35兆円~80兆円に達するとする試算を3月7日に公表しました。2019年度の国の予算総額(一般会計)は約101兆円でしたから、事故処理費用の総額は場合によっては国家予算規模のものになることが考えられます。
新聞報道によればこの試算内容は以下のようなものであるとされています。
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▼「福島第一事故の対応に最大81兆円 シンクタンクが試算」▼
(朝日新聞2019年3月10日、デジタル版 2019年3月9日)
東京電力福島第一原発事故の対応費用が総額81兆~35兆円になるとの試算を民間シンクタンク「日本経済研究センター」(東京都千代田区)がまとめた。経済産業省が2016年に公表した試算の約22兆円を大きく上回った。
81兆円の内訳は、廃炉・汚染水処理で51兆円(経産省試算は8兆円)、賠償で10兆円(同8兆円)、除染で20兆円(同6兆円)。
経産省試算との大きな違いは、汚染水の浄化処理費用を約40兆円と大きく見積もったことや、除染で発生する土壌などの最終処分費用を算入したことなど。また、この汚染水を、水で薄めたうえで海洋放出する場合は、廃炉・汚染水処理の費用が11兆円になり、総額も41兆円になるとした。
これに加えて事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出さずにコンクリートで封じ込める、いわゆる「石棺」方式を採用した場合は、廃炉・汚染水の費用が4・3兆円になり、総額も35兆円になるとした。ただ、「石棺」方式は、かつて「復興やふるさとへの帰還をあきらめることにつながる」などと問題になったことがある。
同センターは2年前、総額70兆~50兆円に膨らむとの試算を出したが、その後の汚染水処理や除染などの状況を踏まえ、再試算した。試算を示したリポートはこの費用の増加を踏まえ、「中長期のエネルギー計画の中で原発の存否について早急に議論、対応を決めるときではないか」と指摘した。
https://www.asahi.com/articles/ASM3943DYM39ULFA002.html
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上記の記事にも書かれているように、経産省は2016年に福島原発事故の処理費用に関する試算を公表しており、総額22兆円(経産省は対応費用を大きく3つに分類し「除染」6兆円、「廃炉(汚染水を含む)」8兆円、「賠償」8兆円と試算)としていました。この試算に対して日本経済研究センターは2年前に「最終的に70兆円近くに膨らむ可能性がある」と試算していましたが、このたびの試算をこの試算をも上回るものになっています。
この記事の元となった日本経済研究センターの「事故処理費用、40年間に35兆~80兆円:廃炉見送り(封じ込め・管理方式)も選択肢に~汚染水対策が急務~」と題された
レポート
https://www.jcer.or.jp/jcer_download_log.php?post_id=43790&file_post_id=43792
によると、今回の試算では1~3号機の原子炉内にある燃料デブリ等の冷却に2030年までかかる(乾式貯蔵が可能になる)として、今後さらに80万トン程度の水が必要と見込んでいます。これを計算に入れると、福島原発の敷地内のタンクにすでに保管されている120万トンの汚染水と合わせて計200万トンの汚染水処理が必要となります(同センターの2年前の試算では汚染水は100万トンとされていました)。
汚染水処理における一番の難関はトリチウム(三重水素)を構成元素とするトリチウム水の除去です。トリチウム水は普通の水の分子と化学的性質が同じであるため、汚染水からトリチウム水を除くことは極めて困難であり、このレポートによれば、トリチウム水の処理費用は1トンあたり2000万円と仮定されています。このため汚染水の処理費用は総計40兆円(2000万円×200万トン)という途方もない額に達することになります。一方、原子力規制委員会はストロンチウムなどの放射性物質を除去し、トリチウムのみが残存している汚染水については海洋放出を認めるとしています。当然のことですが地元の漁業関係者などの理解は得られていません。しかし、トリチウムの除去には上記のように途方もない巨額の費用が必要と予測されることから、国は漁業補償に多額の費用を支払ってでもトリチウムが残存する処理水を海洋放出させることになるのではないかと懸念されます。
また、これらの試算ではデブリの取出しを前提としていますが、デブリに関しては今年二月になって調査が始まったばかりであり、技術的にすべてのデブリを取り出せるかは未だ不明です。すべてのデブリを取り出せる保証もなく、取り出しのリスクも存在しています。このためこのレポートでは「今回の試算では、チェルノブイリ原発の場合のようにデブリ取り出しを見送り、《石棺》や《水棺》にして永久管理せざるを得ない状況になる場合も想定した」としています。
2019年3月28日
脱原発市民ウォーク・イン・滋賀》呼びかけ人のひとり:池田進
連絡先:〒520-0812
大津市木下町 17-41
電話/FAX:077-522-5415
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