下風呂温泉「海峡の湯」。青森県風間浦村大字下風呂字下風呂。
2022年10月3日(月)。
恐山から北の道路は閉鎖されていたので、往路を戻って、大間崎へ向かい、有名な下風呂温泉に12時頃立ち寄った。
本州最北端の村・青森県風間浦村の下風呂温泉は、室町時代から刀傷や槍傷に卓効のある湯治場として有名で、「海峡の湯」は、下風呂温泉郷にある新しい温泉施設である。
下風呂温泉郷には昭和の文豪「井上靖」も訪れ、その白濁したお湯と硫黄の香りに唸り、温泉を堪能した。
下風呂温泉「海峡の湯」では「大湯」「新湯」2つの系統の温泉をヒバ造りの浴場で楽しめる。
手前の湯槽は「大湯」で白濁している。泉質は、酸性・含硫酸-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)。源泉の温度は66度である。
海側の新湯は透明に近い。泉質は、含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)。源泉の温度は95度である。
井上靖ゆかりの湯。左のドアから入ると、めざす湯槽があった。
昭和の文豪・井上靖が入浴した大湯2号泉という源泉のお湯である。
井上靖は、知人から「ここなら渡鳥の声が聞ける」と聞き、昭和33年3月9日に訪れ2晩宿泊し、津軽海峡が見渡せる旅館の部屋で小説「海峡」の終局を執筆した。
「大間のマグロ」。1000円。大間崎。食堂「さつ丸」。青森県大間町大間大間平。
12時40分ごろ、大間崎の駐車場に着いた。第一目標は「大間のマグロ」である。昼時とあって駐車場も満車に近い。マグロ定食などの定食は高いに決まっている。周囲を数軒眺めると、定食ばかりだった。刺身単品はないかと駐車場の一角にある食堂「さつ丸」のメニューを見ると、マグロ刺身単品が1000円だったので注文した。さすがに美味かった。
大間崎。「ここ本州最北端の地」の碑。
「ここ本州最北端の地」の碑は、大間町の先端、北緯41度32分、東経140度54分の場所にそびえ立っている。大間崎と北海道の汐首岬は17.5kmしか離れておらず、弁天島の向こうには渡島連峰を望み見ることができる。マグロの一本釣りをモチーフに造られたモニュメントは絶好の記念撮影ポイントである。
また、ここより徒歩1分のところには、地元有志により石川啄木の歌「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる」の歌碑が建立された。地元では大間崎の沖合いにある弁天島のことを詠んだものといわれている。
大間崎。うっすらと函館山が見えていた。
晴れた日は津軽海峡をはさんで函館山から恵山岬にかけての北海道の海岸が目前に広がる。
国名勝・仏ヶ浦(ほとけがうら)。青森県佐井村。
大間崎から西海岸の国道338号(海峡ライン)で南下し、海岸沿いの高台道路を走ると、仏ヶ浦の展望台があった。古くはアイヌ語で海辺・砂浜をあらわす「ウタ」から、仏宇陀(ほとけうた、ほとけうだ)とよばれていた。
峻険な海岸沿いに2キロメートル以上に亘り、奇異な形態の断崖・巨岩が連なる海蝕崖地形である。
近年の研究により、仏ヶ浦の凝灰岩は、約400万年前、海底火山から噴出した火山灰が押し固められ、それが雨や波で削り取られて形成されたことが分かった。
1989年(平成元年)に日本の秘境100選、2007年(平成19年)に日本の地質百選に選定された。
国名勝・仏ヶ浦。
1991年(平成3年)、観光船の接岸を目的に仏ヶ浦港に小規模な桟橋が建設された。
海岸沿いに展開する長大な景観であり、海上からでなければその全体像は把握できないが、国道338号からは、100メートル以上の高低差がある階段のみが海岸に通じているだけであり、観光船も高いので省略した。
14時頃になり、一気に南下して、岩手県・秋田県の世界遺産見学に備えて三戸町の道の駅へ向かった。