蕪嶋(かぶしま)神社。八戸市鮫町鮫。
2022年10月1日(土)。
八戸市是川の是川縄文館、是川一王子遺跡、風張1遺跡を見学後、太平洋岸へ向かった。15時過ぎに蕪嶋神社手前の駐車場に到着。下の車道と上の歩道は神社下の鳥居で合流し、頂上の神社へは参道の石段をかなり昇ることになる。
蕪島は種差海岸の北端にあり、ウミネコ繁殖地として国の天然記念物に指定されている。また、2013年5月に三陸復興国立公園に指定されている。
「島」と呼ばれているが、内務省と海軍省の委託工事として1942年に旧海軍により2年がかりの埋め立て工事が行われ、本土と陸続きとなった。
ウミネコは漁場を知らせてくれる鳥であり、弁天様の使いとして大切にされてきた。そのため人家の近くでありながら島全体がウミネコの大繁殖地になっていて、毎年2月下旬から4月中旬にかけて飛来し、ナタネの咲き乱れる5月ごろ営巣・抱卵、6月に孵化したヒナが7月には巣立ち、8月には島を離れていく。その数約4万羽。日本には10か所ほどウミネコの繁殖地があるが、ウミネコの巣を間近に観察できる唯一の場所であることから、1922年に天然記念物に指定された。
蕪嶋神社は社伝によれば永仁4年(1269年)に江ノ島弁才天を勧進したのがはじまりだという。祭神は市寸嶋比売命、多紀理毘売命、多岐都比売命の宗像三女神で「蕪嶋の弁天様」として信仰を集めてきた。弁財天は商売繁盛や子授けにご利益があるとされているが、漁業の守り神でもある。2015年11月5日未明全焼した。
再建工事は2016年11月に開始され、2020年に再建工事が完了した。
神社の周囲を歩くことができるように通路が作られており、周囲の景色が楽しめる。
アメリカ人らしい10人ほどのグループが見学しており、次の葦毛崎展望台でも見かけた。三沢の米軍基地関係者のような気がした。
葦毛崎展望台。八戸市鮫町日蔭沢。
葦毛崎展望台は、鮫角(さめかど)灯台の前の岬にある。太平洋戦争末期には旧日本軍が軍事施設として使用していたが、現在は展望台として一般開放されている。太平洋を見渡す素晴らしい眺望が満喫できるビュースポットである。
種差海岸(たねさしかいがん)遊歩道の起点である。国名勝・種差海岸は、青森県八戸市最東部に位置し、太平洋に面する海岸である。三陸復興国立公園内にある。
三陸海岸は、岩手県宮古市から南側がリアス式海岸となっているが、当海岸を含む同市から北側は海岸段丘(海成段丘)となっている。
当海岸の海岸線は、岩礁海岸・砂浜海岸・海食海岸など多様な地形が続く。北部では荒々しい岩石が露出した磯が見られる。
国名勝・種差海岸(たねさしかいがん)。八戸市鮫町棚久保
種差海岸駅周辺には天然の芝生におおわれた段丘面が広がり、太平洋の眺望とあわせ開放的な景観となっている。南端の大久喜までは岩山が現れる。
司馬遼太郎は「街道をゆく」『陸奥のみち』(1978 年)で紹介している。
「どこかの天体から人がきて地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき、一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした。」
16時を過ぎたので、道の駅「はしがみ」へ向かった。翌朝の見学は八戸漁港の舘鼻朝市で始まった。