
2011年3月15日18時15分
[東京 15日 ロイター] 東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所3号機付近で15日午前、400ミリシーベルトの放射線濃度を検出した。4号機あたりでも100ミリシーベルトを検出、これまでとは単位の違う濃度で、人体に影響のある放射線量が流出する深刻な事態となった。菅直人首相は同日午前、記者会見し、福島第1原発周辺で漏えいしている放射能の濃度が高まっており、さらなる漏えいの可能性が高まっていると指摘、すでに退避を要請している半径20キロメートル以内の住民だけではなく、20キロから30キロメートル内の住民に屋内退避を求めた。
枝野官房長官によると、東日本大震災の発生時は休止中だった第1原発4号機で火災が発生、放射性濃度の急上昇の主要因となった。4号機は炉内に使用済み核燃料があり、水素爆発したと推察されるという。火災は午前11時ごろ、鎮火した。
夕方に再度会見した枝野官房長官は、ミリシーベルト単位の放射線量検出について、爆発による建屋の崩壊でできた、がれきが原因との見方があると話した。また、4号機からの放射線の濃度は低下しており、高濃度放射線が継続的に出ているわけではないとの分析があることも明らかにした。
同原発では2号機でも、15日午前6時14分ごろ、圧力抑制室付近で爆発音が発生した。その後、午前8時30分過ぎには、同原発の正門付近で8217マイクロシーベルトの放射線量が検出された。
共同通信などによると、福島第1原発から南に110キロ離れた茨城県東海村の研究施設で15日午前7時46分ごろ、5マイクロシーベルトの放射線量を検出した。これは、同場所で通常検出される値の約100倍。横須賀、川崎の両市でも15日早朝、最大でそれぞれ通常の約9倍と6倍の放射線量が検出された。東京でも微量の放射性物質が観測されたという。通常を上回る放射線量は千葉、前橋などでも確認された。
政府は、東京電力と現地の情報を同時に一体に受けとめ、対応を一体的に判断していくために、統合連絡本部を設置した。
*1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルト
(ロイター日本語ニュース 編集 石田仁志)
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