ベラはウニヴェルソの五匹兄弟の内の一匹
二匹は早々に我が家の敷地から居なくなり、ベラとビッキーは12月に成っても我が家の石炭小屋の中に作った巣=段ボール箱に毛布を入れた物の中に住んでいた。
ウニちゃん以外は所謂フェラールキャット=野良の中でも野生と言われる猫で、人には全然懐かない、人を信用しない猫だった。
ウニヴェルソは最初から懐いていたので、直ぐに保護して育てたけど、懐かない上に触る事もできない仔を保護するのは非常に難しい。
それでも、親戚が欲しいと言ったから、寝床にしていた段ボール箱ごと毛布で包んで苦労して捕獲したのに、何故か引き取りに来ないので、ベラとビッキーの二匹も、私が引き取る事になったのだった。
ベラの人嫌いは凄いもので、どうもお腹の具合が悪そうだったので、訪問ドクターに往診して貰っても、この猫は人間を憎んでいるから、診察できない、と言われてしまった。
「これだけ懐かない猫だと、心、折れるでしょう!」
と言われたが、初めから懐く事を期待してないし、観察するだけで面白かったので、心が折れる様な事は一切なかった。それどころか、何故か私はこの仔を可愛いと思っていた。
懐かないし、触れもしないのだけど、ベラは私の目をジッと見て、ぱちっぱちと瞬きをした。
猫の瞬きは、"I Love You♥" の意味だそうなので、どうやら私の事は好きだったらしい。それでも人は怖いので、触らせない、と言う感じだった。
そんな有様でも、たま~に、私が台所で猫のご飯を調理していると、足元にスリスリしてから「あっ!間違った💦」みたいな様子で、慌てて逃げて行く事があった😅
素直じゃないんだよね~ベラは!
そんなベラが、2019年3月3日に、17歳まであと一月の時に逝った。
その数日前に、寒い、寒い、と訴えかけるので、ストーブの前に大きな段ボールを置いて、毛布を敷くと、とても暖かかったらしく、安心した顔で寝ていた。
もうこれはそろそろ危ないな、と思って、美味しい餌をいっぱい買って帰り、ベラに「食べる?」と訊くと、うん、と頷くので与えると、ペロッと食べてしまい、もっと欲しい!と言うので、食べたいだけ食べさせたら、又、満足して、ストーブ前の段ボールの中で眠っていた。
そして暫くしてから、一度出て来て、トイレを済まして又戻り、そして静かに逝った。
翌日は札幌駅でレッスンの仕事だったのだけど、札幌駅前を歩いていると、ベラが水色の美しい光の玉と成って、ずっと私にくっついて飛び回っていた。
翌年の命日に私の所へ現れた時には、生きていた時には見せた事のない、とても懐っこい目つきで、愛しそうに私を見つめていた。
どうやら、17年近く私の傍に居た事で、少しは人間が好きになったようだった。😻
今度は、初めから良い人の所へ生まれるんだよ👼
2016年のベラ
バーチェアーのウニヴェルソと猫鍋で寝るベラ