仙台市教育委員会と東北大学による「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」は19日、“平日にLINE等の無料通信アプリを使用すると、睡眠時間や家庭学習時間には関係なく、使用時間に応じて学力が低下する”とする調査結果を発表した。
同プロジェクトでは、仙台市標準学力検査の成績と、子ども達の生活習慣やさまざまな生活環境の関連の解析を行っており、2013年度は、本プロジェクトの成果として「スマホや携帯を長時間使用するといくら勉強していても成績が下がる」という結果を得ている。
2014年度は、LINEやカカオトークなどの通信アプリの影響についても質問項目を加えて、通信アプリの使用時間と勉強時間、数学の平均点との関係を分析した。それにより、学力低下は、アプリを使ったことによる直接の効果である可能性が高いことを発見したという。
「平日に30分未満しか勉強しない」生徒の場合、通信アプリを使わない(スマホや携帯を持っていない)生徒の数学の平均点は約61点だが、3時間以上使う生徒の数学の平均点は50点以下に急激に低下していた。そのため、勉強時間にかかわらず、「通信アプリの使用時間が長くなるほど生徒たちのなかから、学校で習得した学習内容が消えてなくなった」と考察。「分析を行った研究チームとしても、非常に衝撃的な結果」だとしている。
虐待する親は、虐待する親から生まれ、その連鎖を断ち切る事は不可能に近い事は分かっています。
小児精神科医
1987年、熊本大学医学部医学研究科修了。医学博士。同大学大学院小児発達学分野准教授を経て、 2011年6月より福井大学子どものこころの発達研究センター教授。同大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長兼任。2009~2011年、および2017年4月より日米科学技術協力事業「脳研究」分野グループ共同研究 日本側代表者を務める。著書に『新版 いやされない傷 児童虐待と傷ついていく脳』(診断と治療社)などがある。
子どもを守るのは、大人の仕事である
わたしは著書『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版新書)のなかで、これまで長年行ってきた脳科学から子どもの発達を見つめるという研究内容を、医学書としてではなく、一般の人たちに知ってもらうために上梓(じょうし)した。
子どもの脳が損傷すると聞いて驚かない人はいないと思うが、そう慌てることはない。成長過程にある子どもの脳はレジリエンス(回復力)をもっているからだ。本書のなかでは、脳科学から明らかになった最新の知見に加え、その傷つきから子どもを守る方途と、健全なこころの発達に不可欠な愛着形成の重要性について著した。
マルトリートメントは、決して「特殊な人たちが」「特殊な環境で」行っている「非日常的な出来事」ではない。日常のなかにも存在し、習慣化されていることも多い。このことを子どもに接するすべての人に知ってほしい。