誰でも一度や二度は、うっかり冷蔵庫の中に放置した食べ物を、ダメにしてしまった経験があるのではないでしょうか?
腐らせるとまではいかなくとも、ちょっと古くなったり、においがおかしくなったり。
「これはもう食べない方がいいかも‥」と思う状態にしてしまった経験は、長く生きている大人なら、誰にでもありそうです。
そうなってしまった原因とは、その食べ物の存在を忘れて放置したり、管理の仕方が何かしらよくなくて劣化させてしまい、人が食べるのに最適な時期を逃してしまったことにあります。
人が食べるのに最適な時期が終わりを迎えると、次は誰が食べるのに最適な時期になるのか?というと、ハエや地虫、さらには細菌や真菌などの地球上の営みに欠かせない、分解者たちが食べる番になります。
食べものを含めた自然のものが朽ちていくのは、この地球に息づく素晴らしい奇跡のひとつで、この働きがあるからこそ、私たち人間はこの地球のあらゆる恩恵を享受することができます。
しかしながら、私たち人間は、状態の悪いものを食べて食中毒を起こしたりすると、たちまち「●●菌に感染した」とか「▲▲ウイルスにかかった」という病原体物語に身をゆだねてしまう癖がついています。
ただ単に、「人間が食べる時期を過ぎた状態のものを、誤って食べてしまった」という事実が、感染という捏造のストーリーに仕立て上げられてしまうのです。
食べ物だけではありません。
これは、お家の中の様々なところに生える「カビ」についても同様のことが言えます。
地球上のあらゆる形あるものは、すべて自然界の元素に還ろうとするベクトルが常に働いています。
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自然の摂理に忠実な分解者たちが悪者に仕立て上げられたまま、問題の本質が見えなくなってしまうのは、非常に悲しいことですが、近年ではさらに嘆かわしいことに、住まいの素材のあらゆる部分に抗菌剤を練り込むことで、この問題をますます悪化させています。
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「病原体」という概念は、都合よく生み出された幻です。
実際の現実に起きていることは、自分が置かれた環境で、自分が選択した数々の行為が、自然界の摂理に基づいてシンプルにアウトプットされた結果でしかありません。
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