2025年1月 京都童心の会 通信句会結果
【選評】
○金澤ひろあき選
特選 天 68 シルクロード 砂漠の壺を抱いて寝る 塩見すず子
シルクロードの砂漠の中の都市は、今は廃墟になってしまったものもある。漢から唐にかけては交流が盛んで栄え、ローマやペルシア、インドの文化も運ばれて来た。
当時の栄華を知っている壺などを見ると、そのデザインの新しさに心ひかれる。栄華の夢を見させてくれる。人間は昔から、遠い所との交流・交換をして生きている。ある意味、それが「人間らしさ」なのかもしれない。
地 58 ナゼ残るリアルなラクダと想像の龍 遠藤修司
古代に栄えたシルクロードの遺跡。その出土品に、ラクダの姿と龍の姿が生き生きと描かれる。
片や砂漠の実在する身近な動物。片や水に関係する想像上の存在。実在と想像が出会い、長い時間を経て来た不思議に、心動かされる。
人 39 メタセコイヤ秋が無かったと天気予報 蔭山辰子
温暖化で地球全体がおかしくなっている。ロサンゼルスで大火があったが、その原因も温暖化によるものだという。
日本も、暑い夏が十月まで続き、その後急に寒くなることを繰り返している。自然の動物植物も危ないというサインを出しているかのようである。この句の「メタセコイヤ」も、ものがなしい。
他、印象に残った句。
1 聖き夜に誕生ローソク八十八 松村芳子
米寿を迎えられ、おめでとうございます。お誕生日がクリスマスの日。特別な日なので、また思いが深まりますね。
31 ね、にくい布団くいる 野谷真治
「ね、憎い」と「寝にくい」の掛詞かな。一語で二つのイメージを出す趣向が面白い。
49 冬ざれや行列しても菜買いたし 野原加代子
年末から野菜全般が高かった。でも無いと困るし。生活の本音が句になった。
○野原加代子特選
14 銭湯のお湯の匂いや冬和む 金澤ひろあき
近所にホテルの露天風呂があります。この冬に露天風呂に入るには老人の私には寒くて勇気がいります。ですが、お湯の匂い、湯気や風景で心も和みます。ひと時ではありますが、一息つくのも良い時間の過ごし方ではないかと。
○野谷真治特選
4 秋の陽の拍手におどる洗濯物 塩見すず子
日々、洗濯している。全自動なのだが、時々止まることがある。買い替えの時かと思うが、その後、動き出す。
「秋の陽の拍手」が、なんだか、嬉しい。
○蔭山辰子特選
62 経文にとどめし心 金の文字 遠藤修司
昨年暮れの選ばれた文字は「金」でした。金メダル、裏金の議員、円安等。生活には大切であり、悪の元でもある「金」。無くては困りますが、今年は心して接していきたいです。
1 聖き夜に誕生ローソク八十八 松村芳子
米寿をお迎え、おめでとうございます。
○塩見すず子
特選 29 花びらひとひらはだしの夜空 野谷真治
○岡畠真理子
特選 13 パン香る 創業明治の赤煉瓦 金澤ひろあき
レトロな赤煉瓦のパン屋さん。昔ながらの素朴なパン達が並んでいそうです。パンを焼く香りに誘われてつい入ってしまいそうです。
お知らせ
3月句会
日時 3月 16日(日)午後2時
場所 阪急長岡天神駅東口 喫茶 アーバンにて
投句 毎月第2週まで 10句前後ですが、少なくても可です。
110円切手3枚同封下さい。
選評 来月第1週までに頂けるとありがたいです。
京都童心の会 年会費 3000円
月句会参加の方は句会で頂いておりますので、不要です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/82/c3ee845be32e0178472e917932e6199f.jpg)
【選評】
○金澤ひろあき選
特選 天 68 シルクロード 砂漠の壺を抱いて寝る 塩見すず子
シルクロードの砂漠の中の都市は、今は廃墟になってしまったものもある。漢から唐にかけては交流が盛んで栄え、ローマやペルシア、インドの文化も運ばれて来た。
当時の栄華を知っている壺などを見ると、そのデザインの新しさに心ひかれる。栄華の夢を見させてくれる。人間は昔から、遠い所との交流・交換をして生きている。ある意味、それが「人間らしさ」なのかもしれない。
地 58 ナゼ残るリアルなラクダと想像の龍 遠藤修司
古代に栄えたシルクロードの遺跡。その出土品に、ラクダの姿と龍の姿が生き生きと描かれる。
片や砂漠の実在する身近な動物。片や水に関係する想像上の存在。実在と想像が出会い、長い時間を経て来た不思議に、心動かされる。
人 39 メタセコイヤ秋が無かったと天気予報 蔭山辰子
温暖化で地球全体がおかしくなっている。ロサンゼルスで大火があったが、その原因も温暖化によるものだという。
日本も、暑い夏が十月まで続き、その後急に寒くなることを繰り返している。自然の動物植物も危ないというサインを出しているかのようである。この句の「メタセコイヤ」も、ものがなしい。
他、印象に残った句。
1 聖き夜に誕生ローソク八十八 松村芳子
米寿を迎えられ、おめでとうございます。お誕生日がクリスマスの日。特別な日なので、また思いが深まりますね。
31 ね、にくい布団くいる 野谷真治
「ね、憎い」と「寝にくい」の掛詞かな。一語で二つのイメージを出す趣向が面白い。
49 冬ざれや行列しても菜買いたし 野原加代子
年末から野菜全般が高かった。でも無いと困るし。生活の本音が句になった。
○野原加代子特選
14 銭湯のお湯の匂いや冬和む 金澤ひろあき
近所にホテルの露天風呂があります。この冬に露天風呂に入るには老人の私には寒くて勇気がいります。ですが、お湯の匂い、湯気や風景で心も和みます。ひと時ではありますが、一息つくのも良い時間の過ごし方ではないかと。
○野谷真治特選
4 秋の陽の拍手におどる洗濯物 塩見すず子
日々、洗濯している。全自動なのだが、時々止まることがある。買い替えの時かと思うが、その後、動き出す。
「秋の陽の拍手」が、なんだか、嬉しい。
○蔭山辰子特選
62 経文にとどめし心 金の文字 遠藤修司
昨年暮れの選ばれた文字は「金」でした。金メダル、裏金の議員、円安等。生活には大切であり、悪の元でもある「金」。無くては困りますが、今年は心して接していきたいです。
1 聖き夜に誕生ローソク八十八 松村芳子
米寿をお迎え、おめでとうございます。
○塩見すず子
特選 29 花びらひとひらはだしの夜空 野谷真治
○岡畠真理子
特選 13 パン香る 創業明治の赤煉瓦 金澤ひろあき
レトロな赤煉瓦のパン屋さん。昔ながらの素朴なパン達が並んでいそうです。パンを焼く香りに誘われてつい入ってしまいそうです。
お知らせ
3月句会
日時 3月 16日(日)午後2時
場所 阪急長岡天神駅東口 喫茶 アーバンにて
投句 毎月第2週まで 10句前後ですが、少なくても可です。
110円切手3枚同封下さい。
選評 来月第1週までに頂けるとありがたいです。
京都童心の会 年会費 3000円
月句会参加の方は句会で頂いておりますので、不要です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/82/c3ee845be32e0178472e917932e6199f.jpg)