うちあけると、ふっと楽な (1)
金澤 ひろあき
10月、職場で仕事中、右目が見えなくなった。これからの人生、左目だけで過ごすのかと覚悟した。不思議なことに落ちついていた。そして、ぽろぽろと自由律が心の中に出て来るのだった。五七五は一つも出てこない。心の奥底に自由律があるのだろうか。
枯れ枝にとまる蝶 どんな夢見ている
こおろぎ 残りの運命うたう
あきらめ切る 秋夕焼け
淡々とうけいれる黒いろ
人生 何回か請求書来る
雨の匂いの服着て運命論者
しかし、今は見えているが、左目は大丈夫なのか、不安になった。左目さえ見えればいいと思い、職場の近くの眼科に行った。
金澤 ひろあき
10月、職場で仕事中、右目が見えなくなった。これからの人生、左目だけで過ごすのかと覚悟した。不思議なことに落ちついていた。そして、ぽろぽろと自由律が心の中に出て来るのだった。五七五は一つも出てこない。心の奥底に自由律があるのだろうか。
枯れ枝にとまる蝶 どんな夢見ている
こおろぎ 残りの運命うたう
あきらめ切る 秋夕焼け
淡々とうけいれる黒いろ
人生 何回か請求書来る
雨の匂いの服着て運命論者
しかし、今は見えているが、左目は大丈夫なのか、不安になった。左目さえ見えればいいと思い、職場の近くの眼科に行った。